東京永久観光

【2019 輪廻転生】

戦争

玉砕根性 受け継いでいるような気がするニッポンの夏

そろそろ2010年8月15日だ。高橋さんの路上つぶやきでも聞くとしよう。 http://twilog.org/takagengen/date-100815 (以下はこれと同時進行で私がつぶやいたこと) 日航機が落ちて25年。私の母が死んだのも実は25年前。早いものだ。戦争が終わって65年という…

読書記録 2010年(2)

近ごろどれほど本を読んでいないことか。いやこう言うべきだ。生涯で本をそれなりに読む期間は、あったとしてもどれほどわずかしかないことか。暗澹たる気持ちになる。少しの時間しか読書にあてられないのが動かせない条件なら、それでも意義ある読書を実現…

映画DVD鑑賞記録 2010年(3)=劇場含む=

★インセプション/クリストファー・ノーラン 劇場で見てきた。最初、年老いた渡辺謙が出てくるけど、あれは何だったのか、というところが全体の理解のキイになるようだ。夢ということの、いわれてみればそのとおりの事実をいくつか踏まえていて、なるほどな…

虚構の果てに現実が来るとは!

虚構の時代の果ての果てに、すさまじい現実の時代がやってきたなあ、ということになるのではないか。ホリエモンとかひろゆきとか。それが皮肉にも「楽天の時代」とか。(参照)http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20040226/p1このところ、ずっと思い悩んできた…

映画DVD鑑賞記録 2010年(2)

★いのちの食べかた/ニコラウス・ゲイハルター(2006) ただ黙って事実を見せる。その威力。そのスタイルの良さ。(和歌山県のイルカ漁を告発した「ザ・コーヴ」は未見だが、もしや真逆なのでは?)様々なものが呼び起こされた。食べ物はどう作られているの…

2009年 映画DVD鑑賞 (2)

★シークレット・サンシャイン/イ・チャンドン(韓国) asin:B001H1FXFS中盤になって主人公(女)の心境がある意表をつく急変をとげるので、いったい何の物語かといぶかしく思う。ところがまだ続きがあり、やがて「はーそうきたかったのかー」と得心すること…

グッド・バイ/太宰治(新潮文庫)

生誕100年なので太宰治を少しだけ読む。標題の「グッド・バイ」は、十人の愛人とこれからあの手この手で順に風雅に別れていきます、その実況報告をいたしましょう、というひたすら人を食った話。未完の絶筆として知られるが、「人間失格」のような深刻な絶望…

私はあなたの小説を読んだ

村上春樹に賞を授けたからといって、 それだけでイスラエルが好きになったりはしないように、 イスラエルから賞を受けたからといって、 それだけで村上春樹が嫌いになったりはしない。 これだけ長いつきあいの作家は他にはあまりいないのだから、 「好き」と…

2009年1月の読書本

★この世でいちばん大事な「カネ」の話/西原理恵子 ASIN:4652078404 鴨志田穣は偉大だったと言いたいが、西原理恵子が当然同じく偉大なのはなぜなのかが納得できる。ギャグにするしかないすさまじい生い立ちの告白と、そこから育まれた、健気に頑張ることの…

今年の日本文学大賞候補だとは思うが・・・

平野啓一郎『決壊』。もう読み終えた。せっかくなので、続けて感想を書いておく。 (ここまでは http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20080904#p1) ●社会小説?下巻に入って殺人事件が起こり崇が逮捕されると、その取り調べや、殺された弟である良介の妻や、崇…

闇市ブギウギ、心ワクワク

またちょっと映画の話でも。黒澤明『野良犬』を初めて見た。先週くらいのNHK-BS。面白かった。1949年の製作・公開で、終戦まもない東京がうまく映し込まれていると評されているが、確かにそうした風景や風俗に目を奪われた。新米刑事(三船敏郎)が拳銃をス…

韓国映画『子猫をお願い』(チョン・ジェウン監督)

●躍動感まだ高校の制服姿の5人が港湾の空き地を連れ立って歩き、思うまま大声で歌ったり、河口の景色をバックに写真を撮ろうと大はしゃぎしている冒頭シーン。そうして社会に出た数ヶ月後、パブにまた勢ぞろいした5人は、まさに盛りの若さを全開にして弾け…

パールハーバーなんかなくてもすんだかもと想像してみようじゃないか

爆弾や拳銃で他人を殺したり自分が殺されたりすることが、ぜんぜん平気だとか生き甲斐だとか、心の底から思うような人は、賭けてもいいがめったにいない。それなのに戦争はなくならない。「いや戦争なんて誰も望まないさ。当たり前だろ。だけど、みんなが戦…

劇と旅

先日 郷里福井へ帰り芝居をひとつ見てきた。「百年イラチカ」という劇団(かつての名は「シベリア寒気団」)。自らの小屋をもちオリジナル作品中心の公演を長年続け、大阪や東京にも遠征している。今回は、この劇団が、鈴江俊郎という岸田賞作家と積極的に交…

大連立じゃなくて大分離を

こうなったら、日本は2つに分離したらどうだろう。 「自衛隊→軍隊」のA国と「自衛隊→解散」のB国とに。 国土は共有するが政府と国民は2つに分かれる。 A国は軍隊によって国際貢献や防衛を行う。 B国はそれ以外の方法によってそれを行う。 A国の軍隊は…

やぶれかぶれの国情?

原爆で得した日本人(美濃口 坦)http://www.yorozubp.com/0708/070816.htmこれは実に考えさせられる考察。私もまた久間騒動に遭遇したからこそ、たとえばこんなふうな知見を拾い出すこともできた。だからまあ「しょうがない発言だった(真意は分からないが…

はかないからといって薄く短いわけではない

夕凪の街 桜の国(こうの史代) asin:4575297445 *あっけないほど薄く短いが、絵を一コマ一コマ丁寧に眺め、場面を一つ一つ解きほぐし、ゆっくり読み進むほうがいい。折り畳まれていた思いや繋がりがどんどん湧き出てくる。考えてみれば、3世代にわたる人…

頼むからもう殺さないでくれ +

参院選の行方より、アフガニスタンの韓国人グループの行方のほうが、ずっと気になるここ数日。拘束された人質の恐怖やその身内の焦燥を想像するとただ辛い。それに、タリバンのメンバー釈放要求にアフガン政府はどう応じればいいのか。カルザイ大統領の顔を…

最も避けるべきこと

久間防衛相が辞任 「しょうがない」発言で引責 http://www.asahi.com/politics/update/0703/TKY200707030243.htmlこの問題、あえて言う。原爆で殺されることは「しょうがない」ことではない。しかし「原爆を落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあっ…

島国根性(硫黄島からの手紙)

話題としてすっかり古いが、映画『硫黄島からの手紙』と『父親たちの星条旗』をDVDで見た。GW中。『硫黄島からの手紙』は、身にこたえるところの多い映画だった。ASIN:B000N4SG2Wが、その前に、ふしぎに新鮮だったのは、日本人の顔つきで日本語をしゃべるに…

 2006年 ラスト1ワースト1

30日に死刑が執行されたイラクのフセイン元大統領の処刑シーンを撮影した音声付きのビデオ映像が31日までに、ウェブ上に出回った。映像には、元大統領がイスラム教の信仰告白の文句を唱えている最中に落とし戸が開き、首をつられる様子がとらえられてい…

昭和史のスタンダード?

「国連安保理が北朝鮮制裁決議」「北朝鮮は完全拒否」というニュース。ふとそっくりな歴史に思い当たる。1933年、日本の満州支配を非難する決議を採択した国際連盟の総会で、かの松岡洋右は堂々と反論文を読み上げ、「さよなら」と叫んで退席したという。日…

で、お前(私)はナショナリストなのか?

◎ 加藤紘一氏に緊急インタビュー/テロの背景とナショナリズムのあり方」 http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000000308 加藤さんはナショナリズムや愛国心には3種類あって使い分けが必要だと述べている。ということは「根っこは同じ」という…

靖国への私的関心(なんてありえるのか)

8月15日。小泉首相は靖国神社に参拝するのか。国民的あるいは国際的な話題、というか騒動になっている。じつは今の仕事場が靖国神社のすぐそばで、テレビ中継車をはじめ報道関係者が13日くらいから待機しているのを見ている。また、反対運動をしている知り合…

ホテル・ルワンダ

見逃していた『ホテル・ルワンダ』。下高井戸シネマで上映しているので、先日観に行った。人間の本性はいつでもどこでも愚劣か。必ずしもそうではないと思うが、限定的にいえば、たとえば1994年のツチ族とフツ族が似たような本性をもっていたのと同じくらい…

あなたは香田さん以外の誰について詳しく知りたいですか

『香田証生さんはなぜ殺されたのか』(下川裕治)ASIN:410300231X *香田さんといえば、2004年10月イラクを旅行中、アルカイダ系のグループに拘束され殺害された青年だ。しかし、イラクにおける日本人人質事件としては、それに先立つ同年4月、今井紀明さん…

世論調査

質問(1) あなたはどちらがいいですか ・戦って生きる ・戦わず生きる 質問(2) あなたはどちらがいいですか ・戦って死ぬ ・戦わず死ぬ 質問(3) あなたはどちらがいいですか ・戦って生きる ・戦わず死ぬ 質問(4) あなたはどちらがいいですか ・戦わず生きる …

議論に鉄砲はいらないが白旗もいらない

靖国神社は、戦争にまつわる犠牲を「悼む」場でもありえるのだろう。しかしそれ以上に、靖国神社は戦争にまつわる犠牲を「讚える」場にみえる。これがなにしろ最も気になる。次に、「御国のために殺されたこと」だけでなく「御国のために殺したこと」もドサ…

正しい意見を述べる

私たちは戦争という現実を我慢すべきなのか。そうだ我慢しようと決意を固める人が増えた。しかしそういう人は、戦争とは別のさまざまな現実のほうはどうあっても我慢しない人なのだ。たとえば国連でデカい顔ができない現実。たとえば石油がふんだんには回っ…

死に組、生き組

イタリアの民間人が米軍に撃たれて死ぬなんて「あってはならぬ」(少なくとも建前としては)。しかし、イラクの民間人が米軍に撃たれて死ぬこともまた「あってはならぬ」(少なくとも建前としては)。でも今回のニュースを見ていると、同じ「あってはならぬ…