東京永久観光

【2019 輪廻転生】

漫画

★水木しげる「白い旗」

手塚治虫や藤子不二雄は「軍国主義」を単なる「狂人」の話と描くので、薄いと感じる。おそらく「玉砕」を最も憎んでいた水木しげるは、理性的かつ人情もある人間が玉砕をしたがるのを描いており、ここに戦争そのものの狂気がある。そう、ここでは沈黙するし…

世界がある理由 ないわけがない/あるわけがない

先日あるところで数人で話をしているうちに図らずも「神はあるのか」という議論になった。べつに私が先導したわけでもない。みんな気持ちのどこかで引っかかっているテーマなのだろう。 改めて考えをまとめる機会になった。 ものごとがそもそも存在すること…

★オッドタクシー

アニメ『オッドタクシー』を一気に視聴した。漫画『ルックバック』を読んだ。(ほかに何もしていないわけではない) 『オッドタクシー』オープニング曲。 www.youtube.com いいね! アルパカのカポエイラ www.youtube.com このサウンドと動きが奇妙で面白か…

★シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』、盛り込まれたテーマは多大で、思うところも多大で、その主要テーマではないけれど、「シンボルグラウンディング」の訓練が具体的に描かれることになっていたのが、妙にツボにはまった。 それにしても、『シン・エヴァン…

栄養学の本/大友克洋

《佐々木:あのぉ、ぼくも医師で、さらに食事法の専門家ですが、言い切らないから読んでもらえません。》 《栄養学の本はバレないんです。真がいなければ、偽はバレない。日本はそんな状況にあります》 (下記記事から引用)http://wedge.ismedia.jp/categor…

終戦の嬉しさ、敗戦の悔しさ

こうの史代『この世界の片隅に』で、8月15日に玉音放送を聞いたすずは、「負けたいう事かね…?」「ハー 終わった 終わった」と安堵する周囲の人とは違い、「最後のひとりまで戦うじゃなかったんかね?」「いまここへまだ五人も居るのに!」「うちはこんなん…

籠池の怨返し

http://www.asahi.com/articles/ASK6P6H1YK6PUTIL0DX.html根本敬の漫画に「一徹の恩返し」というのがあったが、なんとなくそれを思い出した。籠池氏の怨返し。それから、豊田商事会長刺殺事件がふとよみがえる。現金(2万円?)の生々しさ。血の生々しさ。 …

★卑怯者の島/小林よしのり

私がこのさき戦争に行って殺したり殺されたりする可能性は非常に低い。がんや心血管病で死ぬ確率に比べてはるかに低いのはあまりにも明らかであるだけでなく、地震や津波で死ぬ確率に比べたってそうとう低い。隕石に当たって死ぬくらいの低い確率だろう。だ…

グローバル化 なれのはて

近ごろ先端の思想&メディアを検索するなら「ゲンロン+ニコニコ」ですね。というわけでもないが、宮台真司×東浩紀「ニッポンの展望 #4 2016・春の陣」を、23日に視聴した。(http://live.nicovideo.jp/watch/lv253687500)欧州の中枢ブリュッセルでもテロが…

★ランド/山下和美

モーニングで『ランド』(山下和美)という漫画を知った。異様に面白そうなので最初から読みたい。(いきつけの中華屋にて。回鍋肉もうまかった) *(3.23)山下和美『ランド』の単行本を入手した。予感に増して引き込まれる。死んだら人は骨になる――基本的…

読書記録 2010年(1)

★サイバービア/ジェイムス ハーキン(2009) 「ツイッターなんて」と思いながらやめられない理由を考えるのに、この本は参考になった。キーワードは「ループ」や「フィードバック」といったところ。ちなみにその時のつぶやきは以下のごとし。世界の人がこぞ…

近頃の島国では

ドイツやチェコ、オーストリアなどの中央ヨーロッパは、地続きなのであり、第二次大戦、東西冷戦、壁崩壊といったいずれも異様な出来事を反映するかたちで、人々の移動と融合は大いに進み、現在に至っているようだ。浦沢直樹の一大傑作『MONSTER』全18巻をや…

スクリーントーン

こうの史代の漫画はスクリーントーンを使わないことも特徴だという。それを考えていたら、言語とはみないわばスクリーントーンなのか、などと思った。たとえば「悲痛」とか「劇的」とかいう単語は、みんな使うし、だれが使っても常に変わらず「悲痛」「劇的…

はかないからといって薄く短いわけではない

夕凪の街 桜の国(こうの史代) asin:4575297445 *あっけないほど薄く短いが、絵を一コマ一コマ丁寧に眺め、場面を一つ一つ解きほぐし、ゆっくり読み進むほうがいい。折り畳まれていた思いや繋がりがどんどん湧き出てくる。考えてみれば、3世代にわたる人…

ふっつり げっそり こっそり

墨田区の向島なんてところまで夜、電車移動。 押上とか曳舟とか聞き慣れない地名ばかりで 路線もどう繋がっているのか、皆目分からない。 降りたら降りたで、 ぼんぼりの飾られた暗く長い商店街があったり。 ずいぶん遠くへ来たみたいで、ふっともう帰れなく…

なつはずかし

きのうNHK漫画夜話で永島慎二をやっていて、ああそういえばそういう人いたなあと懐かしく、で、それがけっこう前のやつの再放送だったので妙だとも思っていたら、やっぱり先日亡くなられたのだった。青年期の麻疹みたいな漫画、という位置づけが基調だっ…

「中国」は「青春」よりもっと奇妙

ジャ・ジャンクー監督『青の稲妻』(中国映画)=DVD鑑賞= ASIN:B0000CBC6T http://www.bitters.co.jp/inazuma/ 主人公の青年2人の顔が生理的に強烈で、まずそこに引き込まれた。冒頭バイクを運転しながら正面向きで現れるビンビンのでこぼこ顔もさることな…

生はヒリヒリむずがゆい 鴨志田穣&西原理恵子『最後のアジアパー伝』 

脱力ぶりおよび切実ぶり、ともにちょっと類をみない海外流浪譚。語り手は鴨志田穣だが、ハシダさんという微妙なオジサンが出てくる。これってあの橋田さん? と思うと、各エピソードがなぜか急に身近な情景として浮かんできた。イラク人質事件の時ニュースス…

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