科学
最近物理を教えていて返答に困るタイプの質問が度々あることに気付いた。「Aが成り立つことは分かったけれどもそもそもAが成り立たないとはどんな状況だ?」Aは成り立つのだから成り立たない具体例を出すことができないのである。 — 広江 克彦 (@eman1972) 2…
専門は?と聞かれたら伝わりやすいように、量子情報物理学(ブラックホールなどの時空の物理、量子力学基礎論を含む)と答えてますが、自分の本当の気持ちでは「存在と無の物理学」です。無である真空とは何か?在るとは何か?を、量子情報や量子測定の観点…
物理学vs.哲学のデスマッチ観戦中。 https://twitter.com/charis1756/status/1706111442913726805 「電子とは何か」のほうがむしろわかりやすく、手とは何かのほうがむしろわかりにくい、みたいなことになっている。 →(ちょっと関連)https://tokyocat.hate…
久しぶりに相対性理論の本とか不完全性定理の本とか読んでいて、頭がいつになく疲労したのか、おかしな夢を見た。夜の星を眺めていると急に空が青くなってきた。なぜか太陽が出ているのだ。しかも太陽は穴になっていてそこから水が地上に流れ落ちてきた。天…
光の速度が絶対だと私たちが知ったとき、認識の特別な転換を余儀なくされた。「世界はこうじゃなかった、こうだったんだ」。人の寿命もまったく似たことだと思ったほうがいい。秒速30万キロより速いものはない。同じく80〜90歳より先はない。すべてそこから…
離散の量子と連続のイデアでは「ソリが合いません」。だから「その説明はもはや諦めましょう」。しかしながら「量子論は間違っていないに決まっているのだから、イデア論が間違っているに決まっている」という前提に対し、ちょっと無駄な抵抗を試みたくもな…
一日中なにか読んでいるものの、書籍はわずかで、26%ぐらいはニュース記事だったり、69%ぐらいはツイッターだったりして、ダークマターとかダークエネルギーみたいな感じか。 物質としての読書は『なぜ宇宙は存在するのか』(野村泰紀) 先日こちらの動画…
エントロピーって何だっけ? なんとなくわかっているが、ちゃんとわかろうとすると、かえってわからなくなる――こういうものはけっこう多い(下手の考え、休むに似たり) 《系のエントロピーは明らかに、ぼやけによって左右される。エントロピーは何を識別し…
『存在とは何か』(小林康夫)を読んでいる。哲学の人として知られる著者だが、存在の謎に迫る新しいカギを、思いがけず、物理学の理論に見出そうとしている。<よくわからないけど、どうしてもそんな気がするんです>と、まるで私に似た軽薄さや気弱さも垣…
まさに哲学者と科学者の対論と呼ぶべきか? 本格的で興味深い。 (引用)《論理の法則と、自然法則とは、その特性や身分が大きく異なる。これらふたつはレベルを異にしており、前者は後者に重要な意味で「先立つ」と言える》 note.com (引用)《まず何がAな…
「物理現象は数式で記述される」といったことがよく言われる。これって「ものごとは言語で記述される」というのと同じことなのでは? 「何を今さら」と言うかもしれないが、たった今あっと気づいた感じがしたので書いておく。 「宇宙の法則は数学で書かれて…
スティーブン・ピンカーは、宝くじなんて絶対買わないようだ。前立腺がんのPSA検査もわたしは受けないと言う。コストがベネフィットを大きく上回るから、ということだと思われる。『人はどこまで合理的か』より。 https://www.soshisha.com/book_wadai/books…
カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』を読んだ。 時間と空間という確実な座標軸、それを私たちに信じ込ませた「犯人はニュートン」説! そして、この宇宙には「もの」などなく「こと」だけがあるんです!――過去の著書(すごい物理学講義)に増してそれを…
◎ https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/05/28/000000 からの続き 「あなたにとって、余命一年と宣告されるのと、地球はあと一年で破壊されると知らされるのとでは、どっちがショックですか?」ーーブライアン・グリーンはある講演で聴衆からこう質問…
◎ https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/04/16/000000 から続く ブライアン・グリーン『時間の終りまで』。読了したが、ちょうど新書化されたようだ。 https://www.amazon.co.jp/dp/4065320070 (関連情報:近所の床屋の人がブライアン・グリーンに似…
連休で知人に会った。うち2人は5年ぶりと10年ぶり。そしてその2人はある信仰をとても長く続けている。彼らにとって「神」や「魂」が有ることは自明すぎて疑うべくもない。それを改めて思い知る。したがって彼らには「世界が存在する根拠」といったものをいち…
ブライアン・グリーンの近著を読んでいる。『時間の終わりまで』 語る言葉がすべてキラキラ輝きながら息を弾ませながら近づいてくる。宇宙について、私たち自身について、わかっていることのすべて。 そのうえで著者は痛烈に思い知る。宇宙はいつか必ず終わ…
因果推論の科学(読書中) - 東京永久観光 からの続き 「ニュートンはすごい」学校で物理学が苦手だった私が当たり前のように今つぶやいているが、そうなるまでに少なくとも10冊ぐらいの良い本は大人になってから我慢して苦労して読んだと思う。以後は「ニュ…
減速する素晴らしき世界/ダニー・ドーリング https://str.toyokeizai.net/books/9784492396667/ 世界的な規模の社会的な変動に関する本だが、その趣旨はさておき、思いがけず自分に感心したこと―― 減速とは減少ではない、加速の反対であり増加の反対ではな…
www.nikkei.com 家族性高コレステロール血症 。いわば遺伝病としての心筋梗塞因子。
さてまた根本の問い――人間の出現は必然か偶然か。すなわち「決定論か偶有性か」。 『創発する生命』(ピエル・ルイジ・ルイージ)は面白い表現をする。 《科学者は神を玄関から追い出したが、彼をふたたび裏口から招き入れた。神のみならず「神聖なる生命」…
『因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか』ジューディア・パール ダナ・マッケンジー 松尾豊 夏目大 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS ツイッターを中断してでも読みたい本なんて あるわけないのに、今日の『因果推論の科学』はそんな奇跡を達成している。…
https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/09/10/000000 から続く 「mRNA」って何? 超過死亡の謎をめぐり日本国民は今しも改めてそれに注目していいる――のだが、個人的に3か月もかけて読み進んできた『黄金虫変奏曲』で、遺伝子の翻訳において不可欠なの…
ニコニコ生放送で「数学の祭典」というのをやっていた。 アクセスしてみたら甘利俊一さんが話していた。理研の脳科学総合研究センター長だった人。かつて立花隆がやっていたメディアの役割を今はニコニコ生放送がやっているのか、と思わせた。 * 続いて、千…
https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/07/09/000000 から続く 私たちの体を作るタンパク質は20種類のアミノ酸の組み合わせで出来ている。《この20種類のアミノ酸がどのように選ばれたのかは、生命の進化をめぐる謎の1つであり、ほかのアミノ酸ではだ…
人間やAIが「時空を見る」と一言でいってもその背景には考えさせられる深い物理があります。まず時空そのものは普通に認知、知覚されるものではなく、その時空の中で動く物体を見ることで、見えない時空を可視化しているだけです。つまり直接的にではなく間…
Elitism without embodiment. World Economic Forum adviser Yuval Harari is a Marxist who believes there is no truth, only power - LifeSite https://t.co/5faSsrPBJT — Ken Mogi (@kenmogi) 2022年8月19日 ハラリが非難されている。 <社会の価値観を…
宇宙人Aがある生データを、別の星の種族の宇宙人Bがそれを圧縮したデータを送ってきて、地球人がこれらの宇宙人どうしに付き合いが無いと思っているとき、しかも復号方法も知らないとき、これらのデータが同じ情報量を持つなんて言えないだろうと思うんだが…
https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/08/12/000000 から続く 奇妙で難解な量子力学に神秘を感じ、宇宙の始まりや営みの根源がそこにあると信じ、その数式を崇拝し、その書物を神棚に飾っておく。ーーこれもまたカーゴ・カルトかもしれない。私も半分…
medical.nikkeibp.co.jp 《オミクロン株が免疫逃避傾向を強める方向に進化しているようだ》――もちろんそうした意図や動機があるわけではない。変異と淘汰がもたらした結果をみているだけだ。 さてそれはそれとして、少し考える―― 「ウイルスはやがて弱毒化す…