科学

物理学の勉強 2024——暑く長い夏が終わっても

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2024/09/06/000000 から続く ↓ 運動量とは何か、エネルギーとは何か、その2つは何が違うのか? 言い換えれば、物理学における数式の意味とは何か。 ーーひょっとして「言語の意味とは言語の使用である」というのと同…

物理学の勉強 2024——暑く長い夏

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2024/08/12/000000 から続く ↓ 高校教科書『物理』(啓林館)で「電磁誘導と電磁波」の章を読んでいて、頭が極度に疲労した。 ちょっと音楽でも聴いてリラックスするか。 電気と磁気はフーガのように反復するのか? …

物理学の勉強中

無重力の宇宙空間に、質量7キログラムの静止している物体があります。その物体に力を加えたところ、動き始め、5秒後に速度が秒速3メートルになりました。そのまま同じ速度で動き続けています。さて、物体に加えた力の大きさは、どれぐらいでしたか。 いろい…

科学の根拠の循環性

視聴中。 「理解できるというのは大きな快感のひとつ」「よくわからないものがあふれているこの世界をつきつめないで過ごすことはしたくない」(主旨) 久保田しおんさんの話で、最も印象的だったところを、長いけれど抜粋したい。「科学の根拠の循環性」と…

★『善と悪の生物学ーー何がヒトを動かしているのか』

善と悪の生物学(上): 何がヒトを動かしているのか;ナニガヒトヲウゴカシテイルノカ (1) 作者:ロバート・M・サポルスキー NHK出版 Amazon 『善と悪の生物学ーー何がヒトを動かしているのか』ーーその理由は至近要因から究極要因まで幅広いと教え諭される。究…

仮説をゼロにはできない

野村泰紀さんによれば、自然科学は「仮説をゼロにはできない」。 www.youtube.com 中東の戦争の理由も、なんというか「仮説をゼロにはできない」感あり。 www.bloomberg.co.jp

宇宙誕生と生命誕生は不思議さの質が異なる

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2024/06/29/000000 ↓(続く) 戸谷友則さんは、全宇宙にある星の数とDNA型の生命が誕生できる確率の関係を推測したということのようだがーー こんな魅惑的な論文が、しかも科学的とはいえ空想を積み上げただけとも言…

★論理学(野矢茂樹)再読

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2024/06/17/000000 から続く ↓ 野矢茂樹『論理学』、最後は不完全性定理の解説。といっても、その解説の目的は《「鑑賞」である》と断っている。毎度うまいことをおっしゃる。 さてでは、その《鑑賞の最大のポイント…

星の数と生命の数

生命が誕生するには4種のRNAが特定の順序で少なくとも50程度は並ぶ必要がある。RNAが偶然その配列になる確率は、現在観測できる宇宙の星の数(10の22乗個)をもってしても(そのいずれかの星のうちでその偶然が起こるとしても)、極めて低い。しかし、観測で…

三体問題(仕事も?)

唐突に引用するがーー 《ニュートンの万有引力にしてもそうですが、二体の間で相互作用が起こるというのは運動量の保存則があるからです。いいかえれば、作用・反作用の法則があるからですね。この考え方からすると、三体間の相互作用はない。三体の場合も二…

★吉田伸夫『素粒子論はなぜわかりにくいのか』

吉田伸夫『素粒子論はなぜわかりにくいのか』読了。 ひょっとして場の量子論の尻尾をつかんだか? という感じ。ほんとかよとツッコミを入れつつーー尻尾すらつかめるとは期待していなかったから。 「尻尾って何だよ?」と言われるかもしれないが、この世界に…

★人類はどれほど奇跡なのか――現代物理学に基づく創世記(吉田伸夫)

本を読み始めて面白いと思ったら、とりあえず「面白い」とツイートしておかないと、その後もどんどん面白くなって、もう「面白い」の一言ではすまなくなり、さらに面白くなればなるほど、いろいろ言いたいのにいつまでも何も言わないままになってしまう。そ…

物理より心理のもつれ

人間模様、会社模様。物理より心理こそがこの世の実相なのか。宇宙の時空より集団の空気こそが実在するのか。2月も半ば。季節は移り行く。 できれば透明な観察者でありたいが、それは無理だ。世界は関係でできている。相互作用のもつれの中にしか仕事も人生…

★世界は「関係」でできている/カルロ・ロヴェッリ

カルロ・ロヴェッリ『世界は「関係」でできている』 https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000818812021.html 量子力学をめぐって、いかに存在するかだのなぜ存在するかだの言ったけれど、また読むのはこうした一般書。とはいえ、このわりと薄い本は、基礎…

量子力学への期待

去年は高校の数学を最初から復習した。結局やはり量子力学とかをいつかはどうしてもはっきり知りたいわけで、それには物理学を少なくとも高校レベルから知らないといけないが、私の場合そのためにはさらに高校レベルの数学から知る必要があった。じゃあなん…

世界は成り立っているのだから仕方ない

最近物理を教えていて返答に困るタイプの質問が度々あることに気付いた。「Aが成り立つことは分かったけれどもそもそもAが成り立たないとはどんな状況だ?」Aは成り立つのだから成り立たない具体例を出すことができないのである。 — 広江 克彦 (@eman1972) 2…

量子情報物理学をめぐって

専門は?と聞かれたら伝わりやすいように、量子情報物理学(ブラックホールなどの時空の物理、量子力学基礎論を含む)と答えてますが、自分の本当の気持ちでは「存在と無の物理学」です。無である真空とは何か?在るとは何か?を、量子情報や量子測定の観点…

物理学vs.哲学

物理学vs.哲学のデスマッチ観戦中。 https://twitter.com/charis1756/status/1706111442913726805 「電子とは何か」のほうがむしろわかりやすく、手とは何かのほうがむしろわかりにくい、みたいなことになっている。 →(ちょっと関連)https://tokyocat.hate…

百間っぽい夢

久しぶりに相対性理論の本とか不完全性定理の本とか読んでいて、頭がいつになく疲労したのか、おかしな夢を見た。夜の星を眺めていると急に空が青くなってきた。なぜか太陽が出ているのだ。しかも太陽は穴になっていてそこから水が地上に流れ落ちてきた。天…

世界観の転換

光の速度が絶対だと私たちが知ったとき、認識の特別な転換を余儀なくされた。「世界はこうじゃなかった、こうだったんだ」。人の寿命もまったく似たことだと思ったほうがいい。秒速30万キロより速いものはない。同じく80〜90歳より先はない。すべてそこから…

離散の量子と連続のイデア

離散の量子と連続のイデアでは「ソリが合いません」。だから「その説明はもはや諦めましょう」。しかしながら「量子論は間違っていないに決まっているのだから、イデア論が間違っているに決まっている」という前提に対し、ちょっと無駄な抵抗を試みたくもな…

★なぜ宇宙は存在するのか/野村泰紀

一日中なにか読んでいるものの、書籍はわずかで、26%ぐらいはニュース記事だったり、69%ぐらいはツイッターだったりして、ダークマターとかダークエネルギーみたいな感じか。 物質としての読書は『なぜ宇宙は存在するのか』(野村泰紀) 先日こちらの動画…

エントロピーって何だっけ?

エントロピーって何だっけ? なんとなくわかっているが、ちゃんとわかろうとすると、かえってわからなくなる――こういうものはけっこう多い(下手の考え、休むに似たり) 《系のエントロピーは明らかに、ぼやけによって左右される。エントロピーは何を識別し…

★存在とは何か/小林康夫

『存在とは何か』(小林康夫)を読んでいる。哲学の人として知られる著者だが、存在の謎に迫る新しいカギを、思いがけず、物理学の理論に見出そうとしている。<よくわからないけど、どうしてもそんな気がするんです>と、まるで私に似た軽薄さや気弱さも垣…

哲学者と科学者の対論

まさに哲学者と科学者の対論と呼ぶべきか? 本格的で興味深い。 (引用)《論理の法則と、自然法則とは、その特性や身分が大きく異なる。これらふたつはレベルを異にしており、前者は後者に重要な意味で「先立つ」と言える》 note.com (引用)《まず何がAな…

数式で記述されること、言語で記述されること

「物理現象は数式で記述される」といったことがよく言われる。これって「ものごとは言語で記述される」というのと同じことなのでは? 「何を今さら」と言うかもしれないが、たった今あっと気づいた感じがしたので書いておく。 「宇宙の法則は数学で書かれて…

★人はどこまで合理的か/スティーブン・ピンカー

スティーブン・ピンカーは、宝くじなんて絶対買わないようだ。前立腺がんのPSA検査もわたしは受けないと言う。コストがベネフィットを大きく上回るから、ということだと思われる。『人はどこまで合理的か』より。 https://www.soshisha.com/book_wadai/books…

★カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』

カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』を読んだ。 時間と空間という確実な座標軸、それを私たちに信じ込ませた「犯人はニュートン」説! そして、この宇宙には「もの」などなく「こと」だけがあるんです!――過去の著書(すごい物理学講義)に増してそれを…

★ブライアン・グリーン『時間の終わりまで』(続 続)

◎ https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/05/28/000000 からの続き 「あなたにとって、余命一年と宣告されるのと、地球はあと一年で破壊されると知らされるのとでは、どっちがショックですか?」ーーブライアン・グリーンはある講演で聴衆からこう質問…

★ブライアン・グリーン『時間の終わりまで』(続)

◎ https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/04/16/000000 から続く ブライアン・グリーン『時間の終りまで』。読了したが、ちょうど新書化されたようだ。 https://www.amazon.co.jp/dp/4065320070 (関連情報:近所の床屋の人がブライアン・グリーンに似…