東京永久観光

【2019 輪廻転生】

科学

★減速する素晴らしき世界/ダニー・ドーリング

減速する素晴らしき世界/ダニー・ドーリング https://str.toyokeizai.net/books/9784492396667/ 世界的な規模の社会的な変動に関する本だが、その趣旨はさておき、思いがけず自分に感心したこと―― 減速とは減少ではない、加速の反対であり増加の反対ではな…

ゲノム編集技術で難病を治療 米国で臨床試験続々 (日本経済新聞) 

www.nikkei.com 家族性高コレステロール血症 。いわば遺伝病としての心筋梗塞因子。

★創発する生命 化学的起源から構成的生物学へ/ピエル・ルイジ・ルイージ

さてまた根本の問い――人間の出現は必然か偶然か。すなわち「決定論か偶有性か」。 『創発する生命』(ピエル・ルイジ・ルイージ)は面白い表現をする。 《科学者は神を玄関から追い出したが、彼をふたたび裏口から招き入れた。神のみならず「神聖なる生命」…

★因果推論の科学(読書中)

『因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか』ジューディア・パール ダナ・マッケンジー 松尾豊 夏目大 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS ツイッターを中断してでも読みたい本なんて あるわけないのに、今日の『因果推論の科学』はそんな奇跡を達成している。…

★黄金虫変奏曲/リチャード・パワーズ(続)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/09/10/000000 から続く 「mRNA」って何? 超過死亡の謎をめぐり日本国民は今しも改めてそれに注目していいる――のだが、個人的に3か月もかけて読み進んできた『黄金虫変奏曲』で、遺伝子の翻訳において不可欠なの…

「数学の祭典」 千葉雅也×加藤文元 対談

ニコニコ生放送で「数学の祭典」というのをやっていた。 アクセスしてみたら甘利俊一さんが話していた。理研の脳科学総合研究センター長だった人。かつて立花隆がやっていたメディアの役割を今はニコニコ生放送がやっているのか、と思わせた。 * 続いて、千…

★Essential細胞生物学(続き)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/07/09/000000 から続く 私たちの体を作るタンパク質は20種類のアミノ酸の組み合わせで出来ている。《この20種類のアミノ酸がどのように選ばれたのかは、生命の進化をめぐる謎の1つであり、ほかのアミノ酸ではだ…

大げさな引用

人間やAIが「時空を見る」と一言でいってもその背景には考えさせられる深い物理があります。まず時空そのものは普通に認知、知覚されるものではなく、その時空の中で動く物体を見ることで、見えない時空を可視化しているだけです。つまり直接的にではなく間…

これまた宗教をめぐる話題ともいえる

Elitism without embodiment. World Economic Forum adviser Yuval Harari is a Marxist who believes there is no truth, only power - LifeSite https://t.co/5faSsrPBJT — Ken Mogi (@kenmogi) 2022年8月19日 ハラリが非難されている。 <社会の価値観を…

情報とは何だ(わからない)

宇宙人Aがある生データを、別の星の種族の宇宙人Bがそれを圧縮したデータを送ってきて、地球人がこれらの宇宙人どうしに付き合いが無いと思っているとき、しかも復号方法も知らないとき、これらのデータが同じ情報量を持つなんて言えないだろうと思うんだが…

カーゴ・カルトと言うのなら…

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/08/12/000000 から続く 奇妙で難解な量子力学に神秘を感じ、宇宙の始まりや営みの根源がそこにあると信じ、その数式を崇拝し、その書物を神棚に飾っておく。ーーこれもまたカーゴ・カルトかもしれない。私も半分…

進化の目撃

medical.nikkeibp.co.jp 《オミクロン株が免疫逃避傾向を強める方向に進化しているようだ》――もちろんそうした意図や動機があるわけではない。変異と淘汰がもたらした結果をみているだけだ。 さてそれはそれとして、少し考える―― 「ウイルスはやがて弱毒化す…

★神のいない世界の歩き方/リチャード・ドーキンス

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/07/13/000000 から続く 無神論者であるとはどのようなことか――それをイヤというほどわかりたかったら、この本は最適。 『神のいない世界の歩き方』(リチャード・ドーキンス) だがそれは「無神論者でないとはど…

Essential細胞生物学と黄金虫変奏曲

1950年代終わりまでに議論の的になったのは―― 《"暗号読解の問題"、すなわちRNA分子のヌクレオチドの並びに記された情報が、ヌクレオチドとは化学的にまったく別物であるアミノ酸の並びに翻訳されるしくみで、この問題に物理学から数学、化学まで、さまざま…

★黄金虫変奏曲/リチャード・パワーズ

リチャード・パワーズ『黄金虫変奏曲』を読み始めた。2段組800ページ余のたった20ページほどしか進んでいないが、もう私の一生で小説を読むのはこれが最後でいいんじゃないかと、そんなことを言いたくなっている。 たとえばフランスとオーストラリアに行った…

『新編 基礎物理』<<<<<『入門 現代の量子力学』

『入門 現代の量子力学』(堀田昌寛)を読もうとしている。量子力学を「情報」の観点から刷新する趣旨。そうすれば謎めいた量子力学の謎など消え去るはずだと。 https://www.kspub.co.jp/book/detail/5239230.html ――刮目せざるをえない。ただ、私に理解でき…

シンギュラリティと大きな物語

シンギュラリティなどと浮かれるのはナンセンス――東浩紀がそんな趣旨の断罪をしている。 テクノロジーを基盤にしたその進歩的な世界観を「大きな物語」の復活と捉えていて、なるほど!と思った。 また、この立場の代表としてユヴァル・ノア・ハラリと落合陽…

ゲノムと文法は相関しているそうだ

www.brh.co.jp この研究、初めて知った。興味深い! 北東アジアの13集団(韓国、日本、アイヌ、コリヤークなど)を調べたところ、ゲノムの相違は、言語の文法の相違と似ているが、音楽や言語の音素の相違とは似ていない。 《文法をもとにすれば、世界中の言…

冥王星

あたかも冥王星の上空を飛んでいるかのように、この星のゴツゴツした表面を間近に体験できる映像。2015年の最接近通過時のものを含め、NASAの探査機ニューホライズンズが撮影した100点以上の画像を使っています。#冥王星の日 #ナショジオ https://t.co/gsYyu…

★無限の始まり(再再再読)〜言語の万能性

現在の数字があらゆる数を表せるのに対し、ギリシャ数字はそうではなかった。文字もアルファベットができるまではそうではなかった。そんなことが『無限の始まり』(デイヴィッド・ドイッチュ)に書いてある。 ものごとはなんでも普遍性が史上のどこかで獲得…

★脳の大統一理論

https://www.amazon.co.jp/dp/400029699X 『脳の大統一理論 自由エネルギー原理とは何か』(乾 敏郎ほか) 脳は何をしているのか。いろいろ指摘できるが、要するに「推論をしている」。そのとき中枢(脳)と末梢(目や耳や手足や皮膚や内蔵)はボトムアップ…

★無限の始まり/デイヴィッド・ドイッチュ(再再再読)

ちょっと時間があるとつい余計な後悔や心配をしてしまう。そんなときは、とても面白くてとても難しい本を読むのが正解。たとえば『無限の始まり』(デイヴィッド・ドイッチュ)。年末から再読している。すこぶる集中せざるをえない。 http://www.intershift.…

理論物理学から論理の哲学へ?

diamond.jp 宇宙をめぐる理論物理学は、こうしてどうしても、宇宙をめぐる論理の哲学へと転じていくようだ。ただしイケメンに限る…じゃなかった、無矛盾に限る。 「数学的に無矛盾な体系は、あまねく実在と認めざるを得ないのではないか」 そう考えることは…

「マクロの法則」とは「特徴量」でもある

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2021/12/11/000000 から続く ミクロの物理法則に還元できない未知の「マクロの法則」があるはず、といった話だった。 さてこの「マクロの法則」というのは、なんと、人工知能がディープラーニングによって見つけ出す…

生物の中の悪魔/ポール・デイヴィス(続々)

そうこうしているうちに… から続く 死んだら終わりで、神もいないみたいだけど、本当にそれでいいのか? 宇宙よ!―― 今年の夏は『生物の中の悪魔』(ポール・デイヴィス)をこの問いの変奏とみなして読み、そして、同書の核心は「マクロ世界」そして「情報」…

夏の宿題がまだ片付かないのに、もう12月だ

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2021/09/27/000000 からの続き 実はあれからジム・ホルト『世界はなぜ「ある」のか』を改めて読んだ。宿題の本題である「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」を考えるのに最良の副読本。文庫が出ていたので線を…

「夏の宿題2021」まだやってない

人間の誕生は宇宙の必然か?(続) から続く 「夏の宿題2021」と称して『生物の中の悪魔』(ポール・デイヴィス)という本を読んできた。すっかり秋だが、感想を提出しないわけにはいかない。 人間の出現は宇宙の必然か?ーーそんな問いがこの本には潜んでい…

遺伝情報が暗号と呼ばれるのはなぜだろう? 

遺伝情報が暗号と呼ばれるのはなぜだろう? 「核酸(つまりDNA)の塩基3つの特定配列」と「特定のアミノ酸1つ」が繋がるとき、それが化学反応として起こるわけではないからだと、私は思っている(間違っているかもしれないが)。 「化学反応ではない」とは「…

日々の関心(アフガン/量子力学)

https://twitter.com/GandharaRFE/status/1434245759608705024 もし私がアフガニスタンに生まれていたらどちらの側に育ったかなと考えてみる必要はあるけれど。… * https://twitter.com/hottaqu/status/1434267742979313669 屏風の虎も情報なりや? 量子情…

★人間の誕生は宇宙の必然か?(続)

〜ポール・デイヴィス『生命の誕生』『生物の中の悪魔』をめぐって〜 https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2021/07/28/000000 から続く ↓ 景気づけに大仰なことを1つ書く―― 宇宙に目的や意味といったものはいついかに生じたか? ダニエル・デネットや戸田…