東京永久観光

【2019 輪廻転生】

信仰

「墓を蹴らない理由」と「バス停を蹴らない理由」

興味深い論点。 自分のことを考えると「墓を蹴らない理由」と「バス停を蹴らない理由」は、近いところでは違うとも思えるし、遠いところでは同じとも思える。無宗教や無神論とは実は何なのかという興味深い問い。「バス停を蹴らないから私は無神論ではないの…

★佐藤健寿『CARGO CULT』

カーゴ・カルトは宗教というものが悲劇であるより喜劇である可能性に気づかせる。キリスト教やイスラム教もまた喜劇として眺めていいだろう。「そもそも世界はなぜ存在するんだ?」などと執拗に問いたがる私の信仰もまた喜劇と思えば面白い。 同書は、以下の…

ゴジラよりクマが怖い

ゴジラは怖いのだろうか。でも今はとにかくクマが怖い。もし人間が改心しても自然やクマは意に介さない。神は不在。

死んだ人に会えますか?

欧州各国にて死後の世界を信じている人の割合 pic.twitter.com/XRcZ3KOQAE — Spica (@CasseCool) 2023年8月7日 本当か。全体に多すぎる。 しかし、たとえばもちろんこの歌を歌ったり聴いたりしているときは多くの人が「信じている」と答えるかもしれない。 w…

★人はどこまで合理的か/スティーブン・ピンカー(続)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/07/02/000000 からの続き ↓ スティーブン・ピンカーは下巻の最後に「なぜ人々はこんなに非合理なのか」と問う。 たとえば、トランプが勝ってしまった大統領選のとき「ワシントンのピザ店の地下には児童買春組織…

★ブライアン・グリーン『時間の終わりまで』(続)

◎ https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/04/16/000000 から続く ブライアン・グリーン『時間の終りまで』。読了したが、ちょうど新書化されたようだ。 https://www.amazon.co.jp/dp/4065320070 (関連情報:近所の床屋の人がブライアン・グリーンに似…

「神」は否定を通してしか語れないのか(茂木健一郎)

www.youtube.com 「あの、神は存在するのかというお話をしたいと思いますが…」 ーーいきなりこんなふうに語りだす人はめったにいないが、それは誰もこんな話には興味がないからなんだろうか? こんな話以外のいったい何に興味があるのだろうとも思えるのだけ…

連休で知人に会う

連休で知人に会った。うち2人は5年ぶりと10年ぶり。そしてその2人はある信仰をとても長く続けている。彼らにとって「神」や「魂」が有ることは自明すぎて疑うべくもない。それを改めて思い知る。したがって彼らには「世界が存在する根拠」といったものをいち…

★ブライアン・グリーン『時間の終わりまで』

ブライアン・グリーンの近著を読んでいる。『時間の終わりまで』 語る言葉がすべてキラキラ輝きながら息を弾ませながら近づいてくる。宇宙について、私たち自身について、わかっていることのすべて。 そのうえで著者は痛烈に思い知る。宇宙はいつか必ず終わ…

ChatGPTと初会話

Q. Do you believe in God? A. 人工知能言語モデルとして、私は個人的な信念や意見を持っていません。私の回答は、私が訓練を受けたデータと情報に基づいており、神と宗教のトピックに関するさまざまな視点が含まれています。事実に基づいた情報を提供し、そ…

★創発する生命 化学的起源から構成的生物学へ/ピエル・ルイジ・ルイージ

さてまた根本の問い――人間の出現は必然か偶然か。すなわち「決定論か偶有性か」。 『創発する生命』(ピエル・ルイジ・ルイージ)は面白い表現をする。 《科学者は神を玄関から追い出したが、彼をふたたび裏口から招き入れた。神のみならず「神聖なる生命」…

経典というテクスト〜外部不在

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480072924/ 『世界哲学史2』(ちくま新書) に大乗仏教の章がある。知識も関心も薄い領域だけど概観できればいいかと読み始めたら、どうもおかしい。なぜか「テクスト」が焦点になる。それまで口伝でしかなかっ…

2022年 夏の宿題「宗教」

またも忙しい一週間だった。一週間はなんで7日なんだっけ? 旧約聖書か。宗教だ。考えてみれば広い長い猛烈な影響力。 今年の私の夏の宿題は「宗教」だった。日本の夏の宿題もそれだった。自民や国会はようやく宿題を仕上げて提出しつつある。しかし先生の評…

ヒジャブをめぐるレジスタンス

https://www.bbc.com/japanese/video-63168498 ヒジャブをめぐるイランのレジスタンス。 戦争と同じで抗議行動もハイブリッド、調査報道もハイブリッド、そんな一面もうかがえる。 これを機にイランの音楽でも聴いてみるか(個人の関心や知識もハイブリッド…

これは宗教の問いじゃない

統一教会との関係を調べるのと一緒に、年金に未納がないかも調べたらいいんじゃないか。 (8月16日) 自民はいわばゲテモノ喰いなのだろうが、野党は野党でちょっと偏食なのだろうか? いやー、よくわからない。 肉は食べてもいいが、カルトは人肉か?靖国も…

無神論そして信仰について繰り返し考える夏

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/08/13/000000までの逡巡も思い出しつつ 「悪魔の詩」著者のサルマン・ラシュディ氏、NY州の講演で刺される:朝日新聞デジタル 動機は報じられていないが、おそらく皆の推測どおりだろう。人が抱く世界観は宗教に…

カーゴ・カルトと言うのなら…

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/08/12/000000 から続く 奇妙で難解な量子力学に神秘を感じ、宇宙の始まりや営みの根源がそこにあると信じ、その数式を崇拝し、その書物を神棚に飾っておく。ーーこれもまたカーゴ・カルトかもしれない。私も半分…

驚愕のカーゴ・カルト

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/08/05/000000 から続く カーゴ・カルト(積荷信仰)なんてものがあったことを、『神のいない世界の歩き方』(ドーキンス)で知り、仰天するばかり。人間とは… 信仰とは… 「カーゴ・カルト」とは? 私の聖典であ…

★神のいない世界の歩き方/リチャード・ドーキンス

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/07/13/000000 から続く 無神論者であるとはどのようなことか――それをイヤというほどわかりたかったら、この本は最適。 『神のいない世界の歩き方』(リチャード・ドーキンス) だがそれは「無神論者でないとはど…

★神の子どもたちはみな踊る/村上春樹 ほか(宗教をめぐる考察)

自ずと流され今日も考えている――宗教について。 たまたま少し前に村上春樹「神の子どもたちはみな踊る」を読み、神を信じる大物語ではなく小物語として奇妙に着地した感があった(ある読書会のために読んだのだが急な仕事で参加できず非常に残念) その前に…

安倍元首相銃撃

事件をさっき知った。なんということが起こってしまったのか。よく見聞きしてきた人物が狙撃されて体を傷つけられ命を落とすというのは、おそろしいし、おぞましいし、あほらしい。これほど愚かな行動に走る者は日本に少数であることを信じたい。 犯行の背景…

★『星の子』(映画と小説)

映画『星の子』 hoshi-no-ko.jp この奇異な界隈のたたずまいをよくぞ映画の主題にした。なにしろそれがずっと気になった。ほんのりした独特のクセが強い。ほんのりだけど比類なく強い。暴力や犯罪とは無縁の多幸な人たちであるにも関わらず。だからたしかに…

佐藤優〜ユークリッド神学と非ユークリッド無神論

佐藤優×辻田真佐憲×西田亮介「菅政権は短命で終わるのか? コロナ・五輪・情報戦略」(シラス) 視聴した。佐藤優氏、比べようのない面白さ。動画出演は珍しいのではないか。辻田氏、西田氏もキレのよいインタープレイ。 (3月5日) 佐藤優、ロシア外交の話…

★仏教思想のゼロポイント/魚川裕司

魚川裕司『仏教思想のゼロポイント』(2015)という本を読んだ。ブッダが達したあるいは説いた仏教の核心というものを、一人が書く一冊の本としては、おそらく最適な言葉で完全に整理してある。ほかに仏教の解説本をほぼ読んでいない私だが、「仏教? もう全…

陰謀論をめぐって

陰謀論いろいろ。 それでふと思ったが、この世界やこの人生の背後には、なんらか神のようなものがあり、深い配慮でコントロールしているんだろうと、うっすらとでも思っているなら、それは陰謀論であり、それをすっかり拭い去るのは、わりと難しいのではない…

鬼滅の刃、フランスのテロ、ヒューマニズム(21世紀の啓蒙/ピンカー)

ためしに「鬼滅の刃」をアマゾンプライムで少し視聴。 さて鬼は現実の世にもいるか? 今フランスの人なら教師を残酷に殺した男をそう形容しても大げさではないと思った。妹が鬼になってしまう不条理と絶望も、妹がイスラム国の戦士になってしまった人なら絵…

スタンダール『赤と黒』(読了)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2020/08/20/000000 ↓(続) 『赤と黒』は読み終えている。恋の炎、最後は昼メロかとおもうほど燃え上がる。そしてストーリーは急転直下(文字通り何かが急に落ちてきて終了) ※以下は読書中のメモ(ほんの少し) 《町…

★誰も教えてくれなかった「死」の哲学入門/内藤理恵子

誰も教えてくれなかった「死」の哲学入門/内藤理恵子 https://www.amazon.co.jp/dp/4534057164 ヘーゲルの弁証法をトーナメント戦にたとえていて、なるほどと思った。格闘系のゲームで相手を打ち負かすと自分と相手の両方の能力が統合されて新しい自分にな…

ローマ教皇 来日

おれやおまえが祈っても世界は平和にならないが、教皇が祈ったり天皇が祈ったりすれば世界は平和になる。そういうものだ。 * 人類はけっきょく賢いのだろうか、愚かなのだろうか。天国なんて実はあともう少しで、その薄い天井さえ破ればいいのだという気が…

世界史と他者の実在感

WindowsのWordと、MacのPagesは、リンガ・フランカが存在しない。 「リンガ・フランカ」と言ってみたかった。フランク王国に由来するらしい! * 先日「フランク王国」と書いたのは、最近 世界史の本を読んでいるからだ。山川出版『詳説 世界史研究』。同じ…