東京永久観光

【2019 輪廻転生】

正しい意見を述べる


私たちは戦争という現実を我慢すべきなのか。そうだ我慢しようと決意を固める人が増えた。しかしそういう人は、戦争とは別のさまざまな現実のほうはどうあっても我慢しない人なのだ。たとえば国連でデカい顔ができない現実。たとえば石油がふんだんには回ってこなくなる現実。たとえば高水準の経済やプライドが目減りしていく現実。などなど。そのたぐいのイライラが我慢できないからといって、代わりに戦争という究極のイライラを我慢しろと迫る。阿呆だ。もし彼らが阿呆でないなら、私のほうが阿呆だ。

ちまたで殺人事件などがあると無条件で絶対的に毛嫌いする人は多い。ところが、ちまたの戦争事件はそこまで毛嫌いされない。不思議だ。殺人を躊躇しないような人を蔑んだり憐れんだりするのもいいが、それ以上に戦争を躊躇しないような人を、私たちはもっと蔑んだり憐れんだりしよう。