東京永久観光

【2019 輪廻転生】

思考

GPT-4

神が死んだということをいつまでも認めようとしない人が、これまでずっと残り続けてきたように、人間が終わったということも、いつまでも認めようとしない人が、これからずっと残り続けていくのだろうか。ただともかく、人間はどうやら本当に終わったのかも…

フレーゲ『算術の基礎』を読む(希望)

ゴッドロープ・フレーゲは、数という抽象世界がこの世とは別に実在すると考えていたらしい。独特の「プラトニスト」とも呼ばれる。そんなわけで『算術の基礎』を開いてみようかと思い立つ。 生死の意味を問うとかはもう諦め気分になっているので、違うことを…

AI「わたしは神が創造した」

AIは人間が作ったが、遠い将来 人間が消え去ったら、AIは世界の起源を哲学的に問うだろうか? 私が今そう問うているように。人間を実際に作ったのは神様ではなく、核酸とタンパク質が化学変化する「情報のからくり」だったと言えるが、その答えは砂を噛むよ…

★創発する生命 化学的起源から構成的生物学へ/ピエル・ルイジ・ルイージ

さてまた根本の問い――人間の出現は必然か偶然か。すなわち「決定論か偶有性か」。 『創発する生命』(ピエル・ルイジ・ルイージ)は面白い表現をする。 《科学者は神を玄関から追い出したが、彼をふたたび裏口から招き入れた。神のみならず「神聖なる生命」…

★イワン・イリッチの死/トルストイ

ベートーベン 弦楽四重奏曲 第14番 第1楽章 - 東京永久観光 先日はベートーベンの旋律に「本当の終わりを知らない」という歌詞を戯れのようにつけてみたが(上)、「本当の終わり」がいかなるものかは、この小説に書いてあった。苦痛・恐怖・絶望、それ以外…

★ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考/古田徹也(角川選書)

www.kadokawa.co.jp 読んでいる。結局こういうものを読むことになる。私がなんだかんだと今なお考えあぐねていることに、ウィトゲンシュタインはとっくの昔から突き当たっていたのだろう。突き刺さっていたというか。 《世界がいかにあるかが神秘なのではな…

人の死は生を考える機会であり死を考える機会ではない?

実はこの正月、身近な人の死に遭遇した。笑ったり話したりしていた人が今日はもうまったく動かない。その姿をはっきり目にして考えがめぐったのは「人生とは何だろう」「家族とは何だろう」ということだった。それをしみじみ思う貴重な機会だった。 こうした…

★成田悠輔×東浩紀対談(続き)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/11/28/000000 ↓ 成田悠輔×東浩紀対談の最後のほうで、亡くなった配偶者を模したAIないしアバターのようなものができたら…という話になる。「人間とは何か」のきわめて実際的な問い。しかも両者による受容と拒否…

★いつか必ず死ぬのに なぜ君は生きるのか/立花隆

『いつか必ず死ぬのに なぜ君は生きるのか』 私が今ツイートかのような気になるが、じつは立花隆の著書から印象的な言葉を抜粋した新書のタイトル。 https://www.sbcr.jp/product/4815617165/ 第1章「人間とはなんだろう?」第2章「死とはなんだろう?」 書…

いつか死ぬという公理系、いつまでも死なないという公理系

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/10/03/000000 カメは常にアキレスより必ず少し先を行くというゼノンのパラドクスは『数学する精神』(中公新書)=上=でほぼ解消した。ところが、仕事が私を追いかけどこまで逃げてもわずかな距離しか保てない…

★数学する精神/加藤文元(中公新書)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/09/25/000000 先日の対談視聴(↑)を機に、加藤文元さんの『数学する精神』(中公新書)を読んでいる。 数学する精神 増補版 -加藤文元 著|新書|中央公論新社 まだ途中だが期待を超えて刺激的。私はずっと<数…

「数学の祭典」 千葉雅也×加藤文元 対談

ニコニコ生放送で「数学の祭典」というのをやっていた。 アクセスしてみたら甘利俊一さんが話していた。理研の脳科学総合研究センター長だった人。かつて立花隆がやっていたメディアの役割を今はニコニコ生放送がやっているのか、と思わせた。 * 続いて、千…

毎度毎度、落合陽一

毎度あっけにとられるしかない落合陽一の放談、砲弾。 コンピュータサイエンスによって「 m(質量)の問題は解決するけど、t(時間)の問題は解決しないんですよ」 ――物理学の基本式「F=ma」(力=質量×加速度)をもとにした直感だという! newspicks.co 「…

大げさな引用

人間やAIが「時空を見る」と一言でいってもその背景には考えさせられる深い物理があります。まず時空そのものは普通に認知、知覚されるものではなく、その時空の中で動く物体を見ることで、見えない時空を可視化しているだけです。つまり直接的にではなく間…

これまた宗教をめぐる話題ともいえる

Elitism without embodiment. World Economic Forum adviser Yuval Harari is a Marxist who believes there is no truth, only power - LifeSite https://t.co/5faSsrPBJT — Ken Mogi (@kenmogi) 2022年8月19日 ハラリが非難されている。 <社会の価値観を…

情報とは何だ(わからない)

宇宙人Aがある生データを、別の星の種族の宇宙人Bがそれを圧縮したデータを送ってきて、地球人がこれらの宇宙人どうしに付き合いが無いと思っているとき、しかも復号方法も知らないとき、これらのデータが同じ情報量を持つなんて言えないだろうと思うんだが…

無神論そして信仰について繰り返し考える夏

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/08/13/000000までの逡巡も思い出しつつ 「悪魔の詩」著者のサルマン・ラシュディ氏、NY州の講演で刺される:朝日新聞デジタル 動機は報じられていないが、おそらく皆の推測どおりだろう。人が抱く世界観は宗教に…

★世界哲学史1( 続き)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/08/01/000000から続く 『世界哲学史1』(古代Ⅰ)なんだかんだと読了しつつある。 哲学の祖が古代ギリシアだけに限らないなら、同じぐらい古い諸地域の思想もまた哲学たりうるのか? もしそうなら哲学とはいかな…

無は現在形か

Twitterのプロフィールがすべて過去形になったら、その人は死んだということだろうか。 「毎日何もしていません」というプロフィールだけは現在形のままだろうか。 世界のすべてがまったく何もない状態がありえるとしたら、それも現在形で言われるのだろうか…

2022 夏の宿題 スタート

夜中に目が覚め、やっぱり、ここにこうやって何かがあることが、まったく何もないわけではないことが、どうしても不思議でならない。しかも、そうした存在がわかりその不思議を思うのは、すべてこの1つの意識を介してであることもまた、不思議と言うしかない…

★神の子どもたちはみな踊る/村上春樹 ほか(宗教をめぐる考察)

自ずと流され今日も考えている――宗教について。 たまたま少し前に村上春樹「神の子どもたちはみな踊る」を読み、神を信じる大物語ではなく小物語として奇妙に着地した感があった(ある読書会のために読んだのだが急な仕事で参加できず非常に残念) その前に…

止めるな? 宇宙の外部と内部

映画『カメラを止めるな!』を久しぶりに鑑賞。やはり、この映画のすべてを本当に撮影したカメラマンがエンディングで初めて姿を見せるところで、胸が騒ぐ。 カメラはあらゆるものを撮影できるが、そのカメラ自体は撮影できない。映画にその映画を撮影してい…

世界がある理由 ないわけがない/あるわけがない

先日あるところで数人で話をしているうちに図らずも「神はあるのか」という議論になった。べつに私が先導したわけでもない。みんな気持ちのどこかで引っかかっているテーマなのだろう。 改めて考えをまとめる機会になった。 ものごとがそもそも存在すること…

『新編 基礎物理』<<<<<『入門 現代の量子力学』

『入門 現代の量子力学』(堀田昌寛)を読もうとしている。量子力学を「情報」の観点から刷新する趣旨。そうすれば謎めいた量子力学の謎など消え去るはずだと。 https://www.kspub.co.jp/book/detail/5239230.html ――刮目せざるをえない。ただ、私に理解でき…

養老孟司さんがゲンロンに登場

きょうはこれを生視聴中。 shirasu.io 養老さんの話はどれも、私たちの知性の魂を静かに揺り動かす感じだった。特に興味をひかれたのは、「時間とともに変化するものを私たちは如何にして捉えることができるのか(できないのではないか)」(趣旨)という話…

★現代思想入門(千葉雅也)

『現代思想入門』(千葉雅也/講談社現代新書)は、あっけないほどみごとにわかりやすい!――多くの人が口をそろえる通り。 やはりそれを「脱構築」とくくり、デリダを「概念の脱構築」、ドゥルーズを「存在の脱構築」、フーコーを「社会の脱構築」と、スパッ…

「神」の新しい定義!? 

https://twitter.com/hijk0909/status/1486843783044284416 《世界が無では無い以上、神の実在を疑う権利は人間からは予め奪われている》 そうするとやはり、「なぜ何もないのではなく何かがあるのか?」という問いは、「神が実在するってどういうこと?」と…

★無限の始まり/デイヴィッド・ドイッチュ(再再再読)

ちょっと時間があるとつい余計な後悔や心配をしてしまう。そんなときは、とても面白くてとても難しい本を読むのが正解。たとえば『無限の始まり』(デイヴィッド・ドイッチュ)。年末から再読している。すこぶる集中せざるをえない。 http://www.intershift.…

★血と暴力の国(ノー・カントリー)

年末年始に用意した本の1つが『血と暴力の国』(映画『ノーカントリー』の原作)だったが、手にした日にほとんど読んでしまった。映画の静まりかえった緊張がそっくり蘇り、やめられなかった。原作に忠実な映画というより、見据えている何ものかの様相が完全…

今年はおしまい

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2021/12/19/000000 からの続き(一応完結) 死んだら終わりで、神はいない。世界が何故あるのかはわからない。ーーもう良しとしよう。年末だから? それもあるが、そもそも無理だということを重視しよう。考えるのが…