★量子力学10講(谷村省吾)──「力学にも文の型がある」という

英語の文にSVOという型があるように、力学にも文の型がある。力学の構文型は「Aという系がBという状態のとき、Cという物理量はDという値を持つ」という型である!──『量子力学10構』(谷村省吾) すごいことを知ったな〜。できれば若いときに知りたかった。…

認知のジャンプ──★2001年宇宙の旅

『2001年宇宙の旅』原作。再読している。 素晴らしい。 モノリスに出会ったヒトザルに何が起こったか。映画では、道具と攻撃という物体と行動を使って決定的な変化を端的に見せるが、小説では、そのときの内面の覚醒を描写している。なるほど、それはつまり…

★『江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす』(與那覇潤)ほか

戦争しそして敗戦した国に生きている、ということを、天皇とともにそうしたということを、いちいち思い出さなくなって長い。言い聞かせなくなって長い。80年もたてば仕方ないか。しかし、かつてはそれを直接体験した者がいっぱいいた。その体験を直接聞いた…

★日ソ戦争(中公新書)

読むのをやめられない(そんな本はほんとにまれだが) 著者は意外に若い人。 帯に加藤陽子さんと小泉悠さんの名前があったので、手にとった。

★『まじめに動物の言語を考えてみた』〜その他いろいろ

『まじめに動物の言語を考えてみた』(アリク・カーシェンバウム )非常に面白くて、他の継続本をいくつも脇において読みふけってしまう。久々に言語のことをじっくり考えている。(ヒトの)言語にしかない特性1、意味があること!?──きょとんとするかもし…

★トーマス・マン『魔の山』

いろいろあってトーマス・マン『魔の山』も読んでいる。かなり長いが教養小説とはどんなものかとの興味もあって少しずつ。しかしサナトリウムの日々がやけに詳しく描かれるばかりで、ストーリーの進みは鈍牛のごとし。3分の1も読んでやっと「なんだやっぱり…

『基礎から鍛える量子力学』、まだ蒲田

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2025/04/18/000000 ↓ 『基礎から鍛える量子力学』を、諦めず、まだ読んでいる。 エベレストに登らないまでもエベレストを眺めには行きたい。それにはネパール行きの飛行機に乗らないといけない。ともあれ羽田に行くた…

村田沙耶香『世界99』(まだ読書中)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2025/03/27/000000 ↓(続き) ある人を正しく知るのが難しいように、自分の性格や生活ですら全体を正しく知るのは難しい。せめて一遍の小説ならと思って読むのかも。『世界99』とか(まだ読んでいる)。しかしけっこ…

『急に具合が悪くなる』なんと濱口竜介監督が映画化

『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』など国際的に活躍する濱口竜介監督の元、『急に具合が悪くなる』の映画化が決定しました。いち原作者として、ここまでの道のりを簡単に振り返っています。2026年全国ロードショーhttps://t.co/XQhfuBJsdW — 磯野…

★基礎から鍛える量子力学(続)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2025/03/20/000000 ↓ 『初学の編集者がわかるまで書き直した 基礎から鍛える量子力学』続いて読んでいる。 抽象化されたベクトルの数理的な展開というのは、そうとう難しい。逆上がりや跳び箱レベルならいいが、バッ…

意識とは? 根本から問い直す

さっき尾美としのりの身体で生じていた意識が、今は小林聡美の身体で生じている。その意識が「あ、身体が入れ替わった」とは思うが、その身体が「あ、意識が入れ替わった」とはそもそも思わない。私たちが「さっき眠った私が今起きた」と思うのと同じ。実は…

トランプと真善美、トランプと適者生存

「トランプは真でも善でも美でもない」と非難したい。しかしふと思う。この世の事象に「善でない」や「美でない」はあっても、「真でない」はありえないのではないか? 命題ならたしかに真も偽もある。しかし実際に起こっている出来事を偽だと言うとき、どう…

★村田沙耶香『世界99』(読書中)

戦争がこの世に絶えることがないように、信仰もこの世に絶えることがないのか。 そういう、わざわざ言ってもどうしようもないからいちいち言わないようにしていることを、むしろひたすら書いてみることにしたのが、村田沙耶香『世界99』なのだろうか? 『世…

★『経済史』(小野塚知二)

『マルクスその可能性の中心』が示した商品や貨幣の独創的な分析に感動しているけれど、そもそも経済学の基本を知らないのは非常にまずいと思い、『経済史』(小野塚知二)という有斐閣のそれらしい本を読んでみたら、面白すぎて勉強になりすぎて驚いた。(…

★『基礎から鍛える量子力学』(松浦壮)

松浦壮さんの著書を読み始めた。『基礎から鍛える量子力学』 「基本の数理から現実の物理まで一歩一歩」とある。 1日目、日常の底にあるもの〜位置と速度〜、ニュートンからハミルトニアンへ〜古典力学の洗練。(まず古典力学) 物理学を本当にわからせよう…

ライブ配信中の刺殺事件

ちょうど内田百閒の借金譚「地獄の門」「債鬼」を読んでいた。 昭和8年刊『百鬼園随筆』より。「地獄の門」も、実は取り立てる側が、因果の報いか、思いがけず命を落としてしまう展開。もちろん借金の主たる官吏(百閒)もしみじみと地獄の日々。 (この事件…

人と神で「1.5人称」

大澤真幸さんから波動関数や量子もつれの説明を聴くとは… 組み合わせが新鮮だ。それにしても、なんでも詳しい人である。すばらしい。ありがたい。 『宇宙の途上で出会う 量子物理学からみる物質と意味のもつれ』 * 大澤真幸さんによる紹介、もう一冊。 ロビ…

★マルクスその可能性の中心(柄谷行人)

『マルクスその可能性の中心』(柄谷行人)を読み返している。いつでもいい、いつか必ずまた、少なくとも死ぬまでには、と思っていた本の1つだ。先日『現代思想の名著30』(仲正昌樹)で紹介されていたのが、これはもう今だと思わせるものだった。 柄谷行人…

★他なる映画と 1 〜『悲情城市』

他なる映画と〜近松物語(溝口健二) - 東京永久観光 ↓ 濱口竜介監督は『他なる映画と 1』で、なぜ映画が他なるものかというと、映画を見て寝てばかりいたからですという。特に若い頃。ーーおいおい私とまったく一緒! 侯孝賢もビクトル・エリセもヴェンダー…

アワビは年をとったほうが死ににくい

『ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?』という新書を読んでいて、著者の河田雅圭さんのnoteを見てみたら、ヤドカリは年をとっても死にやすくはならない、アワビはむしろ年をとったほうが死ににくい、という事実を知り、神が死んだぐらいの衝撃を受け…

★ゲーテはすべてを言った(芥川賞)

芥川賞「ゲーテはすべてを言った」(鈴木結生)。冒頭からどうしたって大江健三郎を思わせるが、どうなんだろう、この小説は人文学系の知識や思考それ自体を描きたいのか。あるいは背後に見え隠れする家族関係の細部の妙に触れていきたいのか。まだわからな…

★ハン・ガンの「菜食主義者」

ノーベル賞作家ハン・ガンの「菜食主義者」は読み終えた。 ヒロインのイメージは作者と重なるのに、語り手をあえて別の人物に設定したことが気になった。3連作いずれも。彼女はなぜそうするのか・それをどう思ったのか、内面ズバリの描写は自ずと現れにくく…

『万物の黎明』要約(大澤真幸)

『万物の黎明』の要約。大著であり最初の方しか読んでないので大変ありがたい。さすが大澤真幸さん(ちなみに、ご自身も大著を著しがち) しかしながら、万物の黎明が「こうではなかった」との主張は明快だが、「こうだった」という説明は複雑だ。そもそも歴…

オカルトは19世紀に台頭した

「いるわけないじゃないですか、神なんて」ーー私が言ったんじゃない。 オカルトは意外だが19世紀に台頭した。 《…多くの人が宗教と無神論の両方に違和感を覚えていた時代である。教会が言い立てる罪や地獄の劫罰はもはや信じたくない。しかし死後の魂の存続…

福尾匠さんの選んだ300冊

昨日ブックファースト新宿店に行ったら、福尾匠さんの選んだ300冊が展示されていた。私の好みと微妙なところでシンクロしていると思えて面白かった。「生きのびるための事務」とか「タコの心身問題」とか「祈りの海」とか「コウモリであるとはどのようなこと…

今年も読書

年が明けて読んでいる本はーー (1)「論理的思考」の文化的基盤(渡邉雅子) 学校で叩きこまれる小論文のパターンが、アメリカだと「結論→論拠」、フランスだと「正反合の弁証法」、日本だと時系列の感想文的なもの、イランはまた別(イスラムの法への帰着…

2024年 読書記録

<特に重要な本>★ダーウィンの危険な思想/ダニエル・デネット★人類はどれほど奇跡なのか―物理学に基づく創世記/吉田伸夫★資本主義の〈その先〉へ/大澤真幸 資本主義を続けずにはいられない動機は、近代において科学を続けずにはいられない動機、さらには…

ダーウィンの危険な思想/ダニエル・デネット(続々々)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2024/11/27/000000 ↓ 『ダーウィンの危険な思想』最大の成果は、「超越的・神秘的なものなどなくても人間は進化のアルゴリズムだけで出来上がる」というデネットの確信を私も改めて確信したことだ。しかしもう1つある…

スキーマ――「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?(デネット進化本も関連)

「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 今井むつみさんの本は3冊目。これは格段に読みやすいが、さて伝わらない理由とは? いろいろ陳列されているが、核心は「スキーマ」だ。私は覚醒した。スキーマなんてものもその用語もそもそも知らないから核…

他なる映画と〜近松物語(溝口健二)

濱口竜介『他なる映画と 1』 - 東京永久観光 ↓ 溝口健二『近松物語』を初めて視聴(アマプラ)。確信をもって感動。「これぞ映画、これぞ溝口」と言っていいだろうという確信をもって感動。 視聴したのは、映画の真っ直ぐな論考と思える『他なる映画と 1』…