東京永久観光

【2019 輪廻転生】

文学

夏の宿題がまだ片付かないのに、もう12月だ

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2021/09/27/000000 からの続き 実はあれからジム・ホルト『世界はなぜ「ある」のか』を改めて読んだ。宿題の本題である「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」を考えるのに最良の副読本。文庫が出ていたので線を…

★舞踏会へ向かう三人の農夫

《自分には合わなそうだなと思う。それでこの小説についてはあきらめることにした。くやしいが、仕方ない》 この人はいつもこのように正直そのものだから、この人の言うことは信頼している。 とはいえ、私にとって『舞踏会へ向かう三人の農夫』は、これまで…

文学国語と論理国語

文学国語と論理国語、さて小林秀雄はどちらに入るのか。気になる。 言い換えれば批評とは何ぞや?

★囚人のジレンマ/リチャード・パワーズ(再読)

リチャード・パワーズ『囚人のジレンマ』を思い立って再読中。残りの人生はそう長くない(そう短くもないが)。本当に熟読したい小説は多いようでそう多くない。『挟み撃ち』も再読して本当によかった。 前に読んだのは2009年。 https://tokyocat.hatenadiar…

★挟み撃ち/後藤明生

先日ある人と久しぶりにオンラインで話をしたとき、ふと『挟み撃ち』(後藤明生)の名が出てきた。猛烈にまた読みたくなって読んでいる。何十年ぶりか。猛烈に面白い。 ただ、この小説の面白さは独特なので、どう面白いのかを自分なりに分析したくなる。しか…

★高慢と偏見/ジェイン・オースティン(読了)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2021/05/12/000000 から続く ↓ 『高慢と偏見』(ジェイン・オースティン/大島一彦訳)は読み終えている。映画でストーリーを知っていることもあり最後まで面白く進んだ。また、ピンポイントの挿絵が情景の想像を大い…

★高慢と偏見/ジェイン・オースティン

ジェイン・オースティン『高慢と偏見』(中公文庫)を読んでいる。 高慢と偏見|文庫|中央公論新社 先日チューリングの映画『イミテーション・ゲーム』で女優キーラ・ナイトレイが印象的で、それを機に彼女が主演の『プライドと偏見』を視聴することになり…

★クララとお日さま/カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロ『クララとお日さま』感想 https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2021/03/06/000000 からの続き ↓ 中断していたが再スタート。クララはアンドロイドと思われる。しかし彼女たちは人を選べる立場にない。店舗のショーウインドウで選んでく…

★推し、燃ゆ/★クララとお日さま

芥川賞「推し、燃ゆ」を読んだ。タイトルと冒頭のスピード感から、戯画的ノリで暴走していくかと予測したら、違った。ADHDと思われる心の不調が、推し活動と並んで前景化し、学校とネットとバイトの日々を、とろ火で煮込みながら描写していく体。丹精で客観…

★日の名残り/カズオ・イシグロ

『日の名残り』を読んでいる(未読だった)。執事の話だとは知っていたが半端ではない。半分過ぎてまだ銀食器の磨き方がとかやっている。「執事オタク」が歓喜する「執事小説」と言うべきだ。しかしなぜカズオ・イシグロは40歳代の半ばでこのような作品を書…

村上春樹、ロールシャッハテスト

韓国映画『バーニング』(2018年)を少し前に観た。監督は傑作ぞろいのイ・チャンドンなので大いに期待したが、私としては首をかしげたまま終わった。謎が解明せず話が決着しないなんて、まったくイ・チャンドンらしくない。 ところで、私は映画の前半あたり…

読む、書く

言葉は人類史の長きにわたって「聞く・話す」ものだった。近代にようやく「読む・書く」の手さぐりが始まったが、一般人の多くは縁遠かった。「読む・書く」が爆発したの実はインターネットだ。ところが、そのインターネットで「読む・書く」がいよいよ退潮…

工学と理学

直木賞は小説の工学、芥川賞は小説の理学。そんな感じかも。

スタンダール『赤と黒』(読了)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2020/08/20/000000 ↓(続) 『赤と黒』は読み終えている。恋の炎、最後は昼メロかとおもうほど燃え上がる。そしてストーリーは急転直下(文字通り何かが急に落ちてきて終了) ※以下は読書中のメモ(ほんの少し) 《町…

★スタンダール『赤と黒』(続)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2020/07/30/000000 ↓(続) スタンダール『赤と黒』をまだ読んでいる。 下巻に入ると、ジュリヤンと貴族令嬢マチルドの恋の駆け引きみたいなことが グダグダと続き、それは純真だけど幼稚にも見えて、少々退屈だった…

★赤と黒

『赤と黒』(光文社古典新訳文庫)読書は下巻へ。 ジュリヤンはパリに上京。高名な侯爵に秘書として仕え、その邸宅で一家とともに暮らしている。貴族のサロンというものが描写される。それは爵位や勲章を携えたマウンティング合戦のようでもある。ジュリヤン…

ダーウィンとジュリアン・ソレル

ダーウィンは1809年生まれ。『赤と黒』の主人公ジュリヤン・ソレルと同い年かもしれないと知る。ただし、ジュリヤンは庶民の家に生まれナポレオンにあこがれて立身出世を夢見たのに対し、ダーウィンはとても裕福な家に生まれ、研究者になりたいと考えた。ぜ…

夏の宿題 2020 〜アップダイク、『赤と黒』〜

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2020/07/09/000000 ↓ その私に併走してくれる本が1冊ある。『世界はなぜ「ある」のか』(ジム・ホルト) 未読だった部分を読んでいる。 同書は、著者がこの人にこそと思う複数の人に会いにいき「世界はなぜあると思い…

★赤と黒 ★家族ゲーム

スタンダール『赤と黒』(野崎歓訳) 上巻しか読んでいなかったので再読することにした。先日『フランス史10講』を読んだこともある。ナポレオンにあこがれるジュリアン、田舎の貴族のレナール氏、社会的・政治的位置づけがそれなりにわかる。 それはともか…

★レ・ミゼラブル ★フランス史10講

NHKのドラマ『レ・ミゼラブル』がきっかけで、フランス革命後の歴史が知りたくなり、『フランス史10講』という岩波新書を読んだ。高校世界史の教科書よりは詳しく、各イベントの背景や推移を解説し、またその意義を踏み込んで考察していて、勉強になった。 …

黒澤明の望遠カメラ

これ面白い。 https://twitter.com/kobakin1967/status/1256954221858942976 《宮崎駿のクレーンアップは凄い!/オープニングの丘を駆け上がるコナンとラナ/カメラは足元の地面を這うように移動しているので、本来背景(画面奥の海や島)は下方向に引くべ…

地球外知性はUFOに乗ってやってくるのか?

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200428/k10012408331000.html “UFO映像” 米国防総省が公開 “物体が何かは不明”(NHK) こうしたUFOの話にはまったく興味がわかないけど、その理由は、地球外知性がどこかにあったとしても、これほど地球上の知性(私…

パチンコ、アベノマスク、国防婦人会、米山隆一さん、村上春樹さん

「彼らが最初パチンコ業者を攻撃したとき」 * 国難と謎は新型コロナだけで十分なのに、なんでまた1つ増えるかねえ。かんべんしてくれ、安倍政権。 https://this.kiji.is/626313392311256161 「「アベノマスク」調達も謎だらけ 公開情報わずか、発注枚数や…

★急に具合が悪くなる

『急に具合が悪くなる』 https://amazon.co.jp/dp/4794971567 読書開始。 《私が「いつ死んでも悔いがないように」という言葉に欺瞞を感じるのは、死という行き先が確実だからといって、その未来だけから今を照らすようなやり方は、そのつどに変化する可能性…

★夏物語/川上未映子

https://www.amazon.co.jp/dp/B07T825769/ 正月明け郷里から帰る新幹線で、川上未映子『夏物語』を読み始める。この作家を読むのは2008年芥川賞「乳と卵」以来だが、「夏物語」も、ああ乳の話か、しかも卵の話か、と思いながら第一部終了。 というか、たしか…

★三体/劉 慈欣

『三体』(劉 慈欣)を読んでいる。 意外にも文化大革命の一幕から始まる。糾弾されているのは科学者。相対性理論もビッグバン理論も「反動的だ!」と断じられる。「すべての反動的学説を打倒せよ!」 ホントにそんなこともあったのだろうか? 紅衛兵「お前…

世界史と他者の実在感

WindowsのWordと、MacのPagesは、リンガ・フランカが存在しない。 「リンガ・フランカ」と言ってみたかった。フランク王国に由来するらしい! * 先日「フランク王国」と書いたのは、最近 世界史の本を読んでいるからだ。山川出版『詳説 世界史研究』。同じ…

軽労働ではないが、もういい

★幸せではないが、もういい/ペーター・ハントケ

ペーター・ハントケ。私たちにはヴェンダースの映画にからんで強く記憶された名前。そして私は1作だけ小説を読んでいた! 鮮烈なダメージのそのタイトルがまた、けっして忘却を許さない。『幸せではないが、もういい』 2003年に読んだときのメモが残っていた…

息継ぎのようにリツイート

https://allreviews.jp/review/3308 《私たちは誰かが歩んだ人生を歩んでいる。誰かが生きた場所を生きている。差異を孕んだ反復として再生/再演しているという感覚》 https://twitter.com/allreviewsjp/status/1130670809415069696 (磯﨑 憲一郎 『往古来…