東京永久観光

【2019 輪廻転生】

文学

★急に具合が悪くなる

『急に具合が悪くなる』 https://amazon.co.jp/dp/4794971567 読書開始。 《私が「いつ死んでも悔いがないように」という言葉に欺瞞を感じるのは、死という行き先が確実だからといって、その未来だけから今を照らすようなやり方は、そのつどに変化する可能性…

★夏物語/川上未映子

https://www.amazon.co.jp/dp/B07T825769/ 正月明け郷里から帰る新幹線で、川上未映子『夏物語』を読み始める。この作家を読むのは2008年芥川賞「乳と卵」以来だが、「夏物語」も、ああ乳の話か、しかも卵の話か、と思いながら第一部終了。 というか、たしか…

★三体/劉 慈欣

『三体』(劉 慈欣)を読んでいる。 意外にも文化大革命の一幕から始まる。糾弾されているのは科学者。相対性理論もビッグバン理論も「反動的だ!」と断じられる。「すべての反動的学説を打倒せよ!」 ホントにそんなこともあったのだろうか? 紅衛兵「お前…

世界史と他者の実在感

WindowsのWordと、MacのPagesは、リンガ・フランカが存在しない。 「リンガ・フランカ」と言ってみたかった。フランク王国に由来するらしい! * 先日「フランク王国」と書いたのは、最近 世界史の本を読んでいるからだ。山川出版『詳説 世界史研究』。同じ…

軽労働ではないが、もういい

★幸せではないが、もういい/ペーター・ハントケ

ペーター・ハントケ。私たちにはヴェンダースの映画にからんで強く記憶された名前。そして私は1作だけ小説を読んでいた! 鮮烈なダメージのそのタイトルがまた、けっして忘却を許さない。『幸せではないが、もういい』 2003年に読んだときのメモが残っていた…

息継ぎのようにリツイート

https://allreviews.jp/review/3308 《私たちは誰かが歩んだ人生を歩んでいる。誰かが生きた場所を生きている。差異を孕んだ反復として再生/再演しているという感覚》 https://twitter.com/allreviewsjp/status/1130670809415069696 (磯﨑 憲一郎 『往古来…

★存在の耐えられない軽さ(続き)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2019/05/03/から続く 『存在の耐えられない軽さ』。巻末の訳者解説(西永良成)は、この小説を音楽の「対位法」に見立てる。また緩急の変化に注目し7つの部ごとにページ数を章の数で割りアレグロ、モデラート、アダー…

★存在の耐えられない軽さ(続き)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2019/04/30/から続く 『存在の耐えられない軽さ』読んでいる。 小説を読むのが以前に増して遅くなった私としては驚くほどのスピード。とても複雑なことが書いてあるのに、とても面白い複雑さであり、しかも、きわめて…

耐えられないこともない、その存在の、軽さと重さ(改元を前に)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2019/04/28/から続く 『存在の耐えられない軽さ』。映画では、窓の下に眺めたプラハの市街地をソ連などの共産軍の戦車がいきなり縦列進行してきたシーンが、印象に残っている。しかし小説では、今のところ何ら衝撃を…

★存在の耐えられない軽さ/ミラン・クンデラ

小説をちゃんと読んでいなくて、なんかないかと図書館で手にしたのが、ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』。これが実に面白くて驚く。しかしそれに負けず驚いたのは、この小説2000年に一度読んでいたことが発覚したこと。 良い小説を少しは読んでき…

ノスタルジー再帰性

村上春樹の小説を思い起こす?(以下) https://twitter.com/masayachiba/status/1116309788055359488 村上春樹の過去の小説にあったノスタルジーが現在の小説ではフェイク化した説。あるいは、過去から一貫してフェイクのノスタルジーにすぎなかった説。 そ…

改元ジャパニアン狂詩曲

ゼロサムか、なるほど〜 * この2か月あまり仕事が怒涛のごとくで、やっと波が引いたら、ふと『騎士団長殺し』の続きが読みたくなった。仕事システム世界とは完全に異なる秩序と相貌としか言いようがない春樹システム世界。文庫化されるとか? あやうく令和…

川上量生☓松尾豊☓井上智洋 鼎談

「デジタル・レーニン主義」という用語があるそうだ。中国などの全体主義の国がAIを使って人々を統治するような文脈。文藝春秋3月号の川上量生☓松尾豊☓井上智洋お三方の鼎談で。 実はこの文春、芥川賞「ニムロッド」(上田岳弘)を読もうと思い手にした。「…

平成の30冊

https://book.asahi.com/feature/11021311 「識者120人が選ばなかった平成の30冊」ということなら、私はまず『逆光』と言いたいが、しかし平成のうちに読み終わらないことも確実になってきたのであった。

私たち知性の特殊性と普遍性

★ランドスケープと夏の定理/高島雄哉 表題作を読んだ。まさに日本のテッド・チャンかグレッグ・イーガン(誰しもそう言うだろう) 作中まず「知性定理」なるものが示される。「知性は互いに翻訳可能」という原理。つまり私たちの数学や言語はいかなるAIや異…

★夜の果てへの旅/セリーヌ

http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20180801/p1 から続く。 ずいぶん日が経ったが、セリーヌ『夜の果てへの旅』は読み終えた。記憶が流れて消えていかぬよう、少し書き留めておきたい。 =以下はすべて下巻について= 上巻は、第一次大戦の前線、その銃後のパ…

政治や文学は2次元? 空間は3次元?

政治的立場がX軸とY軸の座標で解説されることがよくある。左翼か右翼かがX軸、大きな政府か小さな政府かがY軸、など。最近の例↓ https://cakes.mu/posts/22235少し前には、文学的立場までがX軸(物語〜言語)とY軸(社会〜個人)の地図で示されていた(文藝2…

体で計算するコンピューター(日経サイエンス記事)

http://www.nikkei-science.com/201808_032.html 計算士を思い出した(世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド)

「こんばんは、村上春樹です」

なんだろうか、この、文学がないかんじ。(ラジオ視聴)

★取り替え子/大江健三郎

この続編にあたる『憂い顔の童子』を読んだときの感想が「ぎくしゃく」だったが、まったく同じで、古義人のやることや考えることや言うことは、ぎくしゃくぎくしゃく。ああこういう内閉的個性的モードで仕事や生活をしていいんだという安堵と確信に満たされ…

★夜の果てへの旅/セリーヌ

気が向いて小説を二つ読み始めた。セリーヌ『夜の果てへの旅』と大江健三郎『取り替え子』。どちらも初めての本。ネットからなんとしてでも離れようという動機が隠れていたかもしれない。 ◎大江健三郎『取り替え子』についてはこちらへ セリーヌ『夜の果てへ…

★忘却の河/福永武彦

こんなに古い、それこそ忘却されてしまったかのごときこの小説を、それでも今夜だれか一人や二人は読んでいないかと、なんどもツイッターを検索したが、やはりいつも誰も読んでいなかった。出てくるのはbotだけ。でも私は読んだ。この小説のことを思い出した…

ハムレットを初めて読んだ

「ハムレット」を読んだことがなかったので読んだ(福田恆存訳)。ハムレットが屋敷に劇団を呼んで劇中劇が展開され、それがストーリーの結節点になるということも初めて知った。なお、ハムレットは役者の演技というものについて指導というか愚痴をくどくど…

★逆光/トマス・ピンチョン

再読することにした。いったん読了した上巻の最初から。「また読まなきゃ」と気になりつつ5年ぶり。とはいえ、私の場合、「また会わなきゃ」と思いつつ5年たってから会った人もいれば、10年たって会っていない人もいるので、驚いてはいけない。すぐに思った…

★村の家/中野重治  ★吉本隆明1968/鹿島茂

食事では ありふれたものばかり食べるが、読書では めずらしいものをわりと読む。最近では、中野重治「村の家」。なんでまた「村の家」を読んだのかというと―― 中野重治は私の郷里福井県の出身で田んぼの中にある生家跡を訪ねた記憶もうっすらある、というこ…

★鈴木大拙『禅』――そして坂口安吾、ウィトゲンシュタイン

禅について、ちゃんとしたものを読んだことがないのは いかにもまずいと ずっと思っていたが、鈴木大拙『禅』(筑摩書房)という手ごろな一冊があったので、手にしている。 (ワイド版)禅を知らないといっても、日本にいれば何らか聞きかじるものであり、な…

★塔と重力/上田岳弘

表題作を読んだ。現在の状況の何が最も気になるのかという点でやはり強く共感。とはいえ感想はうまく言えない。それでもここにこうしてなにかつぶやくのは、それを読んだという確信、そして今日もとりあえず生きているという確信を欲した、手探りなのだろう…

★あなたの人生の物語/テッド・チャン(再読)

再読したけど、まさに科学的空想が至上の域にまで練り上げられている感。これから何が起こるか私は全部知っているのだけれど、だからといって、抵抗はしないし、退屈もしない、それに自我が消えてしまうわけでもない、そんな境地とは?その境地。単純な例と…

少なくともそれは文学ではない

100%ただつまらない間違いに、100%ただ正しい反論を述べる。そんな単純な人だったわけがないのに…(エアリプ批評)