人生
「最後の審判」はまあないだろうから、私たちはそれぞれに「最後の心配」をしないといけない。「最期の心配」か。 =以下の記述は私の記憶の混濁ゆえのひどいデタラメが交じっておりました。お詫びします(1月21日)= 私の記憶の混濁…先日『麻雀放浪記』(…
『本格小説』(水村美苗)を再読することにしたら、もう止まらない。何が面白いのか考えて、つまるところ写実が徹底されているからだと思った(もちろん虚構なのだが)。写実の日本・写実の歴史というものの上に、人々の本当にこうだっただろうという生涯が…
1973年は洋楽のヒット曲が豊富だったことが知られるが、もう50年経った。こんな場合「あっという間でした」という談話が一般的だが、実際は50年ってホントに大昔じゃないか。むしろ意外というか当たり前の感慨を覚える。50年は永遠のごとく長い。人生はさほ…
ーーだったら、天国とは無職のことだ(出口は?)
大勢の感覚を感じる生き物がいるが、その中に本当に現実に感覚を感じる奴が含まれているのは今だけで、百年前も百年後もそんな奴は含まれおらず、また、そもそもそんな奴は(宇宙の意識的存在者たちの中に)一度も含まれないこともありえた、という点がこの問…
人と仲良くなれれば本と仲良くなれなくてもいいとは思わないが、本と仲良くなれれば人と仲良くなれなくてもいいとも思わない。
「そう遠くない時期に必ず死んでしまう」ことが、何故みんなほとんど気にならないのか、私としては本当は不思議でならない。しかしごくまれには、この事実と困惑に真正面からぶつかっていくような本に出会う。 『存在消滅 死の恐怖をめぐる哲学エッセイ』(…
光の速度が絶対だと私たちが知ったとき、認識の特別な転換を余儀なくされた。「世界はこうじゃなかった、こうだったんだ」。人の寿命もまったく似たことだと思ったほうがいい。秒速30万キロより速いものはない。同じく80〜90歳より先はない。すべてそこから…
本当はいつも、3倍ぐらい質の良いこと・3倍ぐらい量の多いことを、為したいと思っている。が、難しい。それほど頑張れない。というか、これほどにも頑張れない、頑張らないのだった。ずっとそうだった。これからもそうだろう(か)。しかし言い換えれば、3分…
金があまりにも無い生活とあまりにも有る生活とでは、量としての違いも質としての違いもあるだろうが、それぞれおおよそ想像はできるのだろうか? いくらか体験もできるのだろうか? 一方、金ではなく知についてはどうか? 量の違いや質の違いを、どれぐらい…
君と私の病気がわかった! 現代は暇つぶしのネタが多すぎて暇を見失っていると思う — 名郷直樹 (@nnago) 2023年7月3日
「あんたって昔から、自分に何が必要なのか全然わかってなかったわね」「そうかもしれんが、自分に何か必要ないかはわかってるさ」――チャールズ・ブコウスキー『パルプ』から(柴田元幸訳・ちくま文庫)……なおこの会話は別れた妻とふいに出くわしたときのも…
1か月労働することで得られる金銭はどれぐらいか。恵まれた人でも100万円ぐらいだろう。では、1か月労働しないことで得られる価値はどれぐらいか。近ごろちょっとそれを実地に考えるような日々を送っているのだが、気分的には100万円相当を超えている。 人間…
◎ https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/05/28/000000 からの続き 「あなたにとって、余命一年と宣告されるのと、地球はあと一年で破壊されると知らされるのとでは、どっちがショックですか?」ーーブライアン・グリーンはある講演で聴衆からこう質問…
カール・マルクス大学で物理学を学んだ ある国の元首相は誰でしょう? - 東京永久観光 以前、映像の世紀 バタフライエフェクト「ベルリンの壁崩壊 宰相メルケルの誕生」を見て、上のことを言ったが、再放送をしたようだ。 さてそれで、何が言いたかったかと…
この世にはたくさんの人がいるけれど、それぞれを情報として圧縮してしまえば、ほとんど識別できなくなり、違いは戒名ぐらいしか残らないんだよね――みたいなことを、落合陽一さんが、先日あるイベントでぼそっと喋っていて、乾いた笑いと暗澹たる気分に襲わ…
一眠りしているあいだに、坂本龍一さんの訃報。音楽は何を聴くのと問われたら、私はいつもこの人の名前を挙げてきた。 がんの手術を何度も受けていたことを以下の記事で知る。「芸術は長く、人生は短い」 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/202…
映画『PLAN 75』視聴した(amazon PV) この死が他の死より悪いとは思わなかった。他の死がこの死より良いとは思わなかった。 ともあれ、あらゆる死が 良いとは言えない。あらゆる死が 悪いとしか言えない。 https://happinet-phantom.com/plan75/ さてしか…
ふいに聞こえてきた懐かしい歌。甘美にひたる。 さてしかし、甘美は過去にしかなく甘美は創作にしかないのだろうか。 そんなことはないと思いたい。 いま現在がそしてこの現実が甘美なものでなければ、どこか間違っている。 ……しかし実際にはそのように、ど…
在宅勤務でも服を替える必要性とは? * 寝て起きたら解決している、といったことを西尾維新が言っていたらしい。わりとそれはある。寝て、もう起きなかったら? それは最終解決か。
日本の社会保障における「高齢者の厚遇と若年者の冷遇」という深刻な現実は、「サブスク医療」といったキーワードで、最近やっとネットのみで注目され始めた。しかし「厚遇される高齢者と冷遇される高齢者」といういっそう深刻な現実は、今なお注目されてい…
ベートーベン 弦楽四重奏曲 第14番 第1楽章 - 東京永久観光 先日はベートーベンの旋律に「本当の終わりを知らない」という歌詞を戯れのようにつけてみたが(上)、「本当の終わり」がいかなるものかは、この小説に書いてあった。苦痛・恐怖・絶望、それ以外…
media.rakuten-sec.net 《先ず、何れの情報も、「判断できる自分の能力と時間」が無い場合は、情報収集自体に意味がないことを知って欲しい。あなた自身が理解できない情報を知っても意味がないのだという宣告は残酷かも知れないが、事実》” 《日頃から投資…
www.kadokawa.co.jp 読んでいる。結局こういうものを読むことになる。私がなんだかんだと今なお考えあぐねていることに、ウィトゲンシュタインはとっくの昔から突き当たっていたのだろう。突き刺さっていたというか。 《世界がいかにあるかが神秘なのではな…
昨日(1/10)の読売新聞朝刊文化面の不老不死についての記事で、私の意見を掲載してもらいました。いろいろな人の考えが読めますので、ぜひ現物にあたってみて下さい。 pic.twitter.com/7PU9phZ2Jr — 岡ノ谷一夫 (@KazuoOkanoya) 2023年1月11日 《アーカイブし…
実はこの正月、身近な人の死に遭遇した。笑ったり話したりしていた人が今日はもうまったく動かない。その姿をはっきり目にして考えがめぐったのは「人生とは何だろう」「家族とは何だろう」ということだった。それをしみじみ思う貴重な機会だった。 こうした…
www.huffingtonpost.jp この記事をみて、2つの現実を目の当たりにする。1つはキャンセルカルチャーという事象の実在。もう1つは人は年齢を重ねるという事象の実在。私たちはどちらの事象にも向き合わざるを得ないのか…
https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/11/17/000000 ↓ 『黄金虫変奏曲』(リチャード・パワーズ)再読開始。小説の全体を知った今では、やけに難しく詳しく書かれていたと思えたことごとくが、語り手にはぜひとも書かないわけにはいかない細部だった…
https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/11/28/000000 ↓ 成田悠輔×東浩紀対談の最後のほうで、亡くなった配偶者を模したAIないしアバターのようなものができたら…という話になる。「人間とは何か」のきわめて実際的な問い。しかも両者による受容と拒否…