東京永久観光

【2019 輪廻転生】

★感情心理学・入門(有斐閣アルマ)

普通の事務仕事であっても、感情労働の側面は大きい。メールなど書きながらそう気づく。伝える内容より、それを包むムードのほうが、ときには分量が多いし苦心も多いように思われますが、いかがでしょうか。ご承知おきたまわれば幸いに存じます。どうぞよろ…

日本の財政赤字をめぐる考察

<日本は財政赤字がこんなに巨額で大丈夫なのか?> これは個人的にもかなり前から首をひねっていることで、最近だとMMT(現代貨幣理論)が出てきたり、「薔薇マーク」運動を知ったりと、また気になっているが、やっぱりそのつどわからない。 先日は、晴れて…

鬼滅の刃、フランスのテロ、ヒューマニズム(21世紀の啓蒙/ピンカー)

ためしに「鬼滅の刃」をアマゾンプライムで少し視聴。 さて鬼は現実の世にもいるか? 今フランスの人なら教師を残酷に殺した男をそう形容しても大げさではないと思った。妹が鬼になってしまう不条理と絶望も、妹がイスラム国の戦士になってしまった人なら絵…

スタンダール『赤と黒』(読了)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2020/08/20/000000 ↓(続) 『赤と黒』は読み終えている。恋の炎、最後は昼メロかとおもうほど燃え上がる。そしてストーリーは急転直下(文字通り何かが急に落ちてきて終了) ※以下は読書中のメモ(ほんの少し) 《町…

★クオリアと人工意識(茂木健一郎)

茂木健一郎『クオリアと人工意識』を買ってきた。 なにしろ茂木さんが「これは久しぶりに本当に自分で書いた本です!」と先日ゲンロンの東浩紀さんとの対談で胸を張っていたから。 ちなみに、それ以外の多数の本は名前を貸しただけであることを以前告白し東…

★QBism 量子×ベイズ

今週、読書はわりと本気を出した。 『QBism 量子×ベイズ』 私にとっては、量子力学のおさらい、そして、ベイズ確率のオリエンテーション、という感じだった。どちらも予想したより面白かった。(どうせほとんど理解できなくてほとんど苦痛だろうと予想してい…

★スタンダール『赤と黒』(続)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2020/07/30/000000 ↓(続) スタンダール『赤と黒』をまだ読んでいる。 下巻に入ると、ジュリヤンと貴族令嬢マチルドの恋の駆け引きみたいなことが グダグダと続き、それは純真だけど幼稚にも見えて、少々退屈だった…

ベイズ統計

雑誌『ニュートン』が「ベイズ統計」特集だったので買って読んだ。ほとんど知らなかった基礎がよくわかった。 https://www.newtonpress.co.jp/newton.html 3囚人の話、ブルータクシーの話などはけっこう知られているが、やはりベイズ統計なのだった。感染検…

★赤と黒

『赤と黒』(光文社古典新訳文庫)読書は下巻へ。 ジュリヤンはパリに上京。高名な侯爵に秘書として仕え、その邸宅で一家とともに暮らしている。貴族のサロンというものが描写される。それは爵位や勲章を携えたマウンティング合戦のようでもある。ジュリヤン…

ゲーデル不完全性定理(「夏の宿題2020」をめぐりつつ)

どんな集合をもってきてもxが属しているなら必ずyも属しているとき「x=y」とする。「=」の定義ということになる。急にこんなことを書くと、頭がおかしくなったと思われそうだが、私としては頭が賢くなったと言いたい。 不完全性定理の本をまた読んでいる。…

ダーウィンとジュリアン・ソレル

ダーウィンは1809年生まれ。『赤と黒』の主人公ジュリヤン・ソレルと同い年かもしれないと知る。ただし、ジュリヤンは庶民の家に生まれナポレオンにあこがれて立身出世を夢見たのに対し、ダーウィンはとても裕福な家に生まれ、研究者になりたいと考えた。ぜ…

夏の宿題 2020 〜アップダイク、『赤と黒』〜

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2020/07/09/000000 ↓ その私に併走してくれる本が1冊ある。『世界はなぜ「ある」のか』(ジム・ホルト) 未読だった部分を読んでいる。 同書は、著者がこの人にこそと思う複数の人に会いにいき「世界はなぜあると思い…

★もののけ姫(宮崎駿)

『もののけ姫』を劇場で見たくてシネコンに出向く。指定席に着いて10分後。『千と千尋の神隠し』が始まった。スクリーンを隣と間違えた。そのまま視聴。『もののけ姫』はまた来よう。 ワンダーランド、ディズニーランド、夏休みの大冒険、日本のファンタジー…

★赤と黒 ★家族ゲーム

スタンダール『赤と黒』(野崎歓訳) 上巻しか読んでいなかったので再読することにした。先日『フランス史10講』を読んだこともある。ナポレオンにあこがれるジュリアン、田舎の貴族のレナール氏、社会的・政治的位置づけがそれなりにわかる。 それはともか…

★21世紀の啓蒙/スティーブン・ピンカー

ピンカー『21世紀の啓蒙』(上)は人類の未来に毎度ながら強烈に楽観的。感想をツイートしようとした矢先、コロナパンデミックが襲ってきたので、ツイートは控えていた。その後やっとコロナが収束してきたので今こそと思ったら、今度はアメリカが大騒乱で、…

★復興文化論/福嶋亮大

福嶋亮大『復興文化論―日本的創造の系譜』(2013) 近代以後のパートのみ読んだが、溢れるほどの説得力に驚愕。「文学は国民に何を為すのか」そんな巨大な問いの存在にを否応なく思い出した。しかしそんな問いなど不毛・不当だとの錯覚のなかで長く長く忘却…

★100分 de 名著『純粋理性批判』

「アメリカとはいかなる国なのか」――これは問いというより、むしろ驚き、あるいは、もはや嘆きの文言だ。 「俺は何のために生きているんだ」とか「そもそも宇宙はなぜ在るのだろう」とかいうのも、問いというより、嘆きや、問うことを諦めたときの文言なのか…

立岩真也さん

https://www.youtube.com/watch?v=bZWFrOmObkU 立岩真也さん《死ぬこと、あるいは、死なせることに関して言えば、生きたいという人が生きられるようになった、そのあとだったら、死ぬことについても、決めたり考えたりもしていいかな》《そういう結論になり…

★レ・ミゼラブル ★フランス史10講

NHKのドラマ『レ・ミゼラブル』がきっかけで、フランス革命後の歴史が知りたくなり、『フランス史10講』という岩波新書を読んだ。高校世界史の教科書よりは詳しく、各イベントの背景や推移を解説し、またその意義を踏み込んで考察していて、勉強になった。 …

黒澤明の望遠カメラ

これ面白い。 https://twitter.com/kobakin1967/status/1256954221858942976 《宮崎駿のクレーンアップは凄い!/オープニングの丘を駆け上がるコナンとラナ/カメラは足元の地面を這うように移動しているので、本来背景(画面奥の海や島)は下方向に引くべ…

地球外知性はUFOに乗ってやってくるのか?

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200428/k10012408331000.html “UFO映像” 米国防総省が公開 “物体が何かは不明”(NHK) こうしたUFOの話にはまったく興味がわかないけど、その理由は、地球外知性がどこかにあったとしても、これほど地球上の知性(私…

パチンコ、アベノマスク、国防婦人会、米山隆一さん、村上春樹さん

「彼らが最初パチンコ業者を攻撃したとき」 * 国難と謎は新型コロナだけで十分なのに、なんでまた1つ増えるかねえ。かんべんしてくれ、安倍政権。 https://this.kiji.is/626313392311256161 「「アベノマスク」調達も謎だらけ 公開情報わずか、発注枚数や…

★『論理哲学論考』を読む/野矢茂樹

本の備蓄をしそこなったけれど、『『論理哲学論考』を読む』(野矢茂樹)を読んでいるので、当分だいじょうぶ。 (4月18日) およそ考えられうることはすべて、明晰に考えられうる。(論理哲学論考 4.116) 突然引用したのは、クール(かっこいい)からだが…

絶賛コロナ月間

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2020/02/11/000000 ↓(続く) 3月もコロナ、コロナ、コロナだった。 <2日> https://m.facebook.com/100001305489071/posts/2726515674068589/ 新型コロナの現況がよくわかる。なるほど。 以下も参考になる。 新型コ…

★急に具合が悪くなる

『急に具合が悪くなる』 https://amazon.co.jp/dp/4794971567 読書開始。 《私が「いつ死んでも悔いがないように」という言葉に欺瞞を感じるのは、死という行き先が確実だからといって、その未来だけから今を照らすようなやり方は、そのつどに変化する可能性…

★文化がヒトを進化させた/ジョセフ・ヘンリック

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2020/01/11/124640 (上から続く) ジョセフ・ヘンリック『文化がヒトを進化させた』はほぼ読み終えている。 そもそも… かつて人類が他の動物と似たものだったこと、そして進化という原理でこうなったことは、自明な…

★欲望の資本主義2020

「欲望の資本主義2020」(NHK-BS) https://www4.nhk.or.jp/bs1sp/x/2020-01-03/11/4289/2225717/ オンデマンドで視聴。 TVでは唯一と思える極めてハイセンスな映像詩にのせて経済の深遠と神秘が語られ、覚醒・昇天しそうになるが、これ全部「ソーカル事件」…

★夏物語/川上未映子

https://www.amazon.co.jp/dp/B07T825769/ 正月明け郷里から帰る新幹線で、川上未映子『夏物語』を読み始める。この作家を読むのは2008年芥川賞「乳と卵」以来だが、「夏物語」も、ああ乳の話か、しかも卵の話か、と思いながら第一部終了。 というか、たしか…

2019年 読書記録

<哲学> ★ビッグ・クエスチョン/スティーブン・ホーキング ★世界はなぜ「ある」のか?/ジム・ホルト(再) ★量子力学のイデオロギー/佐藤文隆(再) ★天然知能/郡司ペギオ幸夫 ★超図解「21世紀の哲学」がわかる本 ★精神と物質/エルヴィン・シュレー…

★天然知能/郡司ペギオ幸夫

郡司ペギオ幸夫『天然知能』。この人の本が初めてスラスラ読めて感動し、内容のすばらしさに感動し、たいへん喜ばしき休日。 https://www.amazon.co.jp/dp/4065145139 《天然知能は、自分が自分らしくあることを、肯定できる、唯一の知性なのです》 世界をい…