https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/10/14/000000 から続く
パワーズ『黄金虫変奏曲』ついに読了しつつある。思いはあふれるが一つだけ言おう。
――とぼとぼたどってきたこの豊穣さは、もう一度たどり直したときこそ、本当に身にしみるだろう。君や私の人生もそうなのではないか!? しかしやはり一度しかたどれないのだとしても……
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(11.19)
<私たちの体や心は遺伝子の偶然がすべて支配している。それでも私たちが生きていくことの良さはそれとは別の話だよ>――この小説は最終的にそれを確信させるのだと思う。
いってみれば <「親ガチャ」だけど、それがどうした!>
ではその「人間の良さ」とは「古き良き人間」の範疇なのか? そうでしかない可能性はある。しかし、遺伝子の仕掛けを知ってしまった後に「古き良き人間」を素朴に信じるのは難しい。生きることの「新しい良さ」を目指すほかない。その新しい何かを3人の主要人物は見つけ出す。ヒントは変奏曲。
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★黄金虫変奏曲(リチャード・パワーズ)再読開始 - 東京永久観光