東京永久観光

【2019 輪廻転生】

★神のいない世界の歩き方/リチャード・ドーキンス

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/07/13/000000 から続く

 

無神論者であるとはどのようなことか――それをイヤというほどわかりたかったら、この本は最適。

『神のいない世界の歩き方』(リチャード・ドーキンス

だがそれは「無神論者でないとはどのようなことか」も明白になり脂汗を流さずにはいられない本でもある。イヤな本だ。

ドーキンスは「イエスが復活したとかマリアが一人で懐胎したとか、事実じゃないよね?」と、同書の前半を費やしてイヤミを言う。多くの読者はそりゃそうだと思う。君だってそんな典型的な宗教者ではないはずだから。でもだからといって君は「私もドーキンスと同じ無神論者です」とまでは言いたくならないだろう?

見つめるべきは、その中間にある気持ちだろう。たしかに聖書の記述は事実とは言えない。天使も悪魔も動物のように実在してはいない。しかし、しかし、この世界には人間には把握しきれない何か、自然を超越した何かが、たぶんある、きっとある…… そしてドーキンスは終りに近い第11章にもなって、その中間領域を徹底的に打ち砕く――弾道ミサイル連発。

だからじつは、「神は信じないけど無神論者なんかじゃない」そう胸を張っている君は覚悟が必要なのだ。この本を読んだら、宗教者か無神論者かのどちらかをはっきり選択せざるをえない。それがイヤならドーキンスを嫌うほかない。

 

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2022/08/12/000000 に続く