本
https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2025/03/20/000000 ↓ 『初学の編集者がわかるまで書き直した 基礎から鍛える量子力学』続いて読んでいる。 抽象化されたベクトルの数理的な展開というのは、そうとう難しい。逆上がりや跳び箱レベルならいいが、バッ…
さっき尾美としのりの身体で生じていた意識が、今は小林聡美の身体で生じている。その意識が「あ、身体が入れ替わった」とは思うが、その身体が「あ、意識が入れ替わった」とはそもそも思わない。私たちが「さっき眠った私が今起きた」と思うのと同じ。実は…
「トランプは真でも善でも美でもない」と非難したい。しかしふと思う。この世の事象に「善でない」や「美でない」はあっても、「真でない」はありえないのではないか? 命題ならたしかに真も偽もある。しかし実際に起こっている出来事を偽だと言うとき、どう…
戦争がこの世に絶えることがないように、信仰もこの世に絶えることがないのか。 そういう、わざわざ言ってもどうしようもないからいちいち言わないようにしていることを、むしろひたすら書いてみることにしたのが、村田沙耶香『世界99』なのだろうか? 『世…
『マルクスその可能性の中心』が示した商品や貨幣の独創的な分析に感動しているけれど、そもそも経済学の基本を知らないのは非常にまずいと思い、『経済史』(小野塚知二)という有斐閣のそれらしい本を読んでみたら、面白すぎて勉強になりすぎて驚いた。(…
松浦壮さんの著書を読み始めた。『基礎から鍛える量子力学』 「基本の数理から現実の物理まで一歩一歩」とある。 1日目、日常の底にあるもの〜位置と速度〜、ニュートンからハミルトニアンへ〜古典力学の洗練。(まず古典力学) 物理学を本当にわからせよう…
ちょうど内田百閒の借金譚「地獄の門」「債鬼」を読んでいた。 昭和8年刊『百鬼園随筆』より。「地獄の門」も、実は取り立てる側が、因果の報いか、思いがけず命を落としてしまう展開。もちろん借金の主たる官吏(百閒)もしみじみと地獄の日々。 (この事件…
大澤真幸さんから波動関数や量子もつれの説明を聴くとは… 組み合わせが新鮮だ。それにしても、なんでも詳しい人である。すばらしい。ありがたい。 『宇宙の途上で出会う 量子物理学からみる物質と意味のもつれ』 * 大澤真幸さんによる紹介、もう一冊。 ロビ…
『マルクスその可能性の中心』(柄谷行人)を読み返している。いつでもいい、いつか必ずまた、少なくとも死ぬまでには、と思っていた本の1つだ。先日『現代思想の名著30』(仲正昌樹)で紹介されていたのが、これはもう今だと思わせるものだった。 柄谷行人…
他なる映画と〜近松物語(溝口健二) - 東京永久観光 ↓ 濱口竜介監督は『他なる映画と 1』で、なぜ映画が他なるものかというと、映画を見て寝てばかりいたからですという。特に若い頃。ーーおいおい私とまったく一緒! 侯孝賢もビクトル・エリセもヴェンダー…
『ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?』という新書を読んでいて、著者の河田雅圭さんのnoteを見てみたら、ヤドカリは年をとっても死にやすくはならない、アワビはむしろ年をとったほうが死ににくい、という事実を知り、神が死んだぐらいの衝撃を受け…
芥川賞「ゲーテはすべてを言った」(鈴木結生)。冒頭からどうしたって大江健三郎を思わせるが、どうなんだろう、この小説は人文学系の知識や思考それ自体を描きたいのか。あるいは背後に見え隠れする家族関係の細部の妙に触れていきたいのか。まだわからな…
ノーベル賞作家ハン・ガンの「菜食主義者」は読み終えた。 ヒロインのイメージは作者と重なるのに、語り手をあえて別の人物に設定したことが気になった。3連作いずれも。彼女はなぜそうするのか・それをどう思ったのか、内面ズバリの描写は自ずと現れにくく…
『万物の黎明』の要約。大著であり最初の方しか読んでないので大変ありがたい。さすが大澤真幸さん(ちなみに、ご自身も大著を著しがち) しかしながら、万物の黎明が「こうではなかった」との主張は明快だが、「こうだった」という説明は複雑だ。そもそも歴…
「いるわけないじゃないですか、神なんて」ーー私が言ったんじゃない。 オカルトは意外だが19世紀に台頭した。 《…多くの人が宗教と無神論の両方に違和感を覚えていた時代である。教会が言い立てる罪や地獄の劫罰はもはや信じたくない。しかし死後の魂の存続…
昨日ブックファースト新宿店に行ったら、福尾匠さんの選んだ300冊が展示されていた。私の好みと微妙なところでシンクロしていると思えて面白かった。「生きのびるための事務」とか「タコの心身問題」とか「祈りの海」とか「コウモリであるとはどのようなこと…
年が明けて読んでいる本はーー (1)「論理的思考」の文化的基盤(渡邉雅子) 学校で叩きこまれる小論文のパターンが、アメリカだと「結論→論拠」、フランスだと「正反合の弁証法」、日本だと時系列の感想文的なもの、イランはまた別(イスラムの法への帰着…
<特に重要な本>★ダーウィンの危険な思想/ダニエル・デネット★人類はどれほど奇跡なのか―物理学に基づく創世記/吉田伸夫★資本主義の〈その先〉へ/大澤真幸 資本主義を続けずにはいられない動機は、近代において科学を続けずにはいられない動機、さらには…
https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2024/11/27/000000 ↓ 『ダーウィンの危険な思想』最大の成果は、「超越的・神秘的なものなどなくても人間は進化のアルゴリズムだけで出来上がる」というデネットの確信を私も改めて確信したことだ。しかしもう1つある…
「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 今井むつみさんの本は3冊目。これは格段に読みやすいが、さて伝わらない理由とは? いろいろ陳列されているが、核心は「スキーマ」だ。私は覚醒した。スキーマなんてものもその用語もそもそも知らないから核…
濱口竜介『他なる映画と 1』 - 東京永久観光 ↓ 溝口健二『近松物語』を初めて視聴(アマプラ)。確信をもって感動。「これぞ映画、これぞ溝口」と言っていいだろうという確信をもって感動。 視聴したのは、映画の真っ直ぐな論考と思える『他なる映画と 1』…
『ハッピーアワー』そして『寝ても覚めても』『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』と見てきて、これはいったい何だという謎は、解けないまま巨大な塊になっていたが、なるほどやっぱりこのような考えで映画と向き合う人だったんだ、そうだからこそこ…
《「メキシコに壁の建設費を払わせる」この暴言をジャーナリストは文字通りに理解しながらも真剣には受け止めなかった。しかしトランプ支持者はこれを文字通りには理解しなかったものの主張を真剣に受け止めたのだ》 そう分析しているのは、とても説得力のあ…
「働いていると→本が読めなくなる」が真であるとき、「働いていないと→本が読める」は必ずしも真ではない。真なのは「本が読めると→働いていない」だ! 身を持って証明する日々である。(ちなみにこれを対偶という。待遇ではない) 参照はもちろんこちら。 …
https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2024/09/03/000000 から続く ↓ 『ダーウィンの危険な思想』第10章。スティーヴン・ジェイ・グールドへの丁重にして周到な批判。同書最大の読みどころかもしれない。 《進化論への重要な貢献の大部分がダーウィンの偉…
https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2024/09/06/000000 から続く ↓ 運動量とは何か、エネルギーとは何か、その2つは何が違うのか? 言い換えれば、物理学における数式の意味とは何か。 ーーひょっとして「言語の意味とは言語の使用である」というのと同…
しかしそもそも「中年」は存在するのか? 存在しないのではないか。 精神分析では「女性は存在しない」とも言われるらしいように。 だが「青年」は確実に存在する。『善と悪の生物学』にはそう書いてある。前頭葉は30歳ぐらいまでは発達途上なのだと。 善と…
『ダーウィンの危険な思想』初めて読む。冒頭から、私が10年ぐらいずっと思案していることが、もののみごとに言語化されていた印象。ダニエル・デネットは私か! 昨年末に出た新装版。 《当初から、ダーウィンはニヒリズムという名の最悪の出し物を袋から取…
安部公房の映画が上映されているのでみてきた。『砂の女』と『燃えつきた地図』。ともに初視聴。 『砂の女』は「まさにこんな映像を思い浮かべて(大昔に)読んだかも」と思った。 『燃えつきた地図』は冒頭の団地に登っていく道路がまさに原作のイメージだ…
物理学は数式を変形してやっと何ごとかがわかる。これは哲学が文章を変形してやっと何ごとかがわかるのと同じだ。そんなことに気がついた。だから物理学が難しくても我慢すべきだ。哲学が難しいのも道理なのだ。難しいのは不得手だし好きですらない。しかし…