凪のような気分の夜もある(11月1日)
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夜更けに帰宅。上弦の月が今落ちていく。真っ黒な空。
区の図書館で哲学の棚にも行くがなかなかその気にならない。ところが先日は ふっと心が動いて『ベルクソン』と『アウグスティヌス』の小冊子に手が伸びた。NHK出版「哲学のエッセンス」シリーズ。スーパーに並んだ惣菜をさっとかごに入れた感じ。帰ってすぐ読む。面白く読む。空腹だったのか?
『ベルクソン』の著者は金森修。いきなり過剰なほど親しげな文体で意表を突かれた。おそらくそれは、とてもややこしくて難しい内容だが、けっして煙に巻かず腰を据え腹を割ってどうしても伝えたい、そんな思いの現れだったのではないか。
この「哲学のエッセンス」シリーズは、以前からいくつか読んでおり、どれも「当たり」だったように思う。