ビートルズの「She's Leaving Home」、ボーカルだけのデータが聴ける(こうしたプログラムがあるようだ) ポールの歌声の美しき安定を改めて実感した。ジョンのコーラスも絶妙。
この曲は四重奏的な弦楽とハープだけの伴奏であることもよく知られている。そっちはこちら(下)の再現を堪能。
Analoguesというバンドでビートルズの完全コピーをステージで実現しているらしい。
A Day in the LifeやBeing for the Benefit of Mr. Kite ! なども素晴らしい!
娘が家を出ていく歌、それ自体興味深く、歌詞もバランスよく仕上がっているといつも思う。そもそも収められたアルバム(サージャントペパー)がボーイミーツガール的な歌はほぼない。デビュー時「She Loves You」とか「Please Please Me」とかそんなことばかり歌っていたのに。それでもこのとき(1967年)ポールまだ24歳。
中高生のころ――前世、ビートルズで図らずも英語を覚えた。I shoud have Known (助動詞を使った過去)とか、Can't buy me love(SVOO構文)とか。「She's Leaving Home」は冒頭から分詞構文(ing)が連続するのが印象的。これは大人になって気づいた。間違いなく100回以上は聴いて。
弦楽がしずしずかつ堂々と前に出ているだけでなく、コーラスは対位法っぽく、クラシックだなあと思うわけだが、アレンジは意外にもジョージ・マーティンではなかったそうだ(多忙だったとか)。それにしてもバイオリンやチェロの響きはやっぱり世界の音楽の最高峰で鼻高々も仕方ないと脱帽せざるをえない。
さて、家を出た彼女は2日後に遠くの町で自動車セールスの男と待ち合わせる。Something inside that was always denyed for so many years と深みもある歌詞だけど、理由や目的はまっすぐ恋愛。She is Happy、いそいそ、うきうき。How could she do this to meと母は憤るが、全体にそんなものだろう。
ところで前世紀、もっと朴訥で内省的な青年の場合は、『家出のすすめ』を読んでそれを実践したと言われている(私の説)
家出のすすめ:中古本・書籍:寺山修司(著者):ブックオフオンライン