東京永久観光

【2019 輪廻転生】

旅行

サブプライムで焦げついた住宅にこんどは石油をかけて燃やして暖をとろうとかいう連中にマジで怒れ

正月に訪ねたソウルは信じられないほど寒かった。地球温暖化ストップというけれど、ソウルの冬だけはむしろすこし温暖化を。といっても室内はどこも暖かい。民宿のマンションにも一泊したが、床はぽかぽか。今は化石燃料を使ったオンドルらしい。たまりかね…

ムニエルはフランス語、グエムルは韓国語

ポン・ジュノ監督『グエムル 漢江の怪物』をDVDでみた。asin:B000JJ5G06考えてみれば、ニューヨークもパリも行ったことがないのだが、ニューヨークもパリも映画では知っている。というか、日本の我々はアメリカのことなんて映画とニュースによって知り過ぎて…

分からなさを辿りなおす

生まれつき仕事が不得意とはいえ、さすがに先送りできなくなる時期はやってくる。そんな週の終り。書類を軽く片づけ夕飯を食べに外へ出た。さて何か読むものが欲しい。駅前書店には新書や雑誌がずらりと並ぶ。しかし、その本を自分の中に取り込んで理解して…

ギャツビーを読もう(と僕は言った)

仕事の末期はいつも綱渡りで(期日までにちゃんと出来るか)、他になにかする余裕がなくなってしまう。そのせいで家と往復する電車の中くらいはどうしても違うことを考えたくなり、全然別の本を読む。といっても、心が忙しいと、たとえば小説などは集中して…

高橋源一郎のボケとツッコミ

高橋源一郎の小説。あれはつまりボケだ。正しいツッコミが誰にも思いつけない困ったボケ。それを目指してボケを徹底して磨き抜いたのかもしれない。ただ最近は、ボケをむしろ緩く鈍くすることでツッコミをよろよろと回避する大リーグボール3号のごとき戦略…

阿房計画

しばらく暇になる。せっかくなのでどこかへ行ってもいい。しかし世界は広いようで、季節や期間や費用を考えると旅先というのは本当に限られてくる。消去法で残ったガイドブック。とくに何をしたいわけでなく、ぜひここという所があるわけでもない。歴史も知…

藤原新也『印度放浪』

旅行記というのは読むだけでなく論じる対象としても面白い。それで、藤原新也、沢木耕太郎、蔵前仁一、小林紀晴、猿岩石という系譜を想定してまとめ読みしたことがあった。以下はその個人企画で読んだ藤原新也『印度放浪』のメモ。わざとらしくも批判的なの…

一曲いかが

タイ旅行中(5月)は日本から持っていったiPod shuffleを毎日聴いていた。海外には日常を思い出すものは持ち込まないという旅行者もいる。でもなにかと気が滅入ったとき、耳にできる好きな曲の連続は、本当によい安定剤になる。 * 数えてみると全部で184曲…

雨の日と金曜日は

尻に火がついてきた。仕事というのはアルゴリズムだよなあとまた思う。面倒でも手順を一つまた一つ。一気にゴールには行けないし、今の一歩を出さないとそこで止まってしまう。でもこちらが何かすればあちらも何かする。将棋みたいなものか。…でもこれホント…

条件反射

バンコクで映画館に行った日のこと。席に座って予告編を眺めいよいよ本編かというとき、周囲の客が一斉に起立する。なんだと思ったら、国王を讃える映像と音楽(国歌?)が流れてきたのだった。つられて私も腰を上げる。後日もう一回映画館に行ったが同じだ…

夏目漱石『行人』

夏目漱石『行人』を初めて読んだ。いかに古くて有名なものでも小説だけは粗筋や解説に極力触れない状態で読むことにしている。だから『行人』でも「ハラハラドキドキ」そして「ええっ?」という純粋で新鮮な体験を、21世紀にもなってすることになった。「ハ…

経過報告(追加あり)

『認知言語学』(大堀寿夫)と『言語哲学』(ライカン)というなかなか重い本も2冊持ってきていて、だいたい読んでしまった。言語というのはとにかく不思議だとずっと思っている。人によっては昆虫や天体をいつまで眺めても飽きなかったり秘密をぜひとも知り…

Congratulations!

友人が結婚することになったタイの女性は、コンケン県のバンパイという小さな町に住んでいる。その結婚式が1日にあった。私は29日にアユタヤからの列車でこの町を訪ねた。友人のお母さんをはじめ親族4人が日本からはるばるやってきていた。日本人どうしの結…

アユタヤに来るなら鉄道で

毎度思うことだが、旅先でしっかり本を読むには十分明るくて十分静かな場所が欲しい。ノートに文章も書くならぐらつかないテーブルも欲しい。今のタイなら冷房も効いているとありがたい。バンコクの図書館はまさにそのためにあるようなところだった。でもそ…

海外で観光しないと日本で仕事しないみたいなプレッシャー

4月25日。下の日記をインターネットカフェでアップしたあと、アユタヤ行きのため宿に戻って荷造りを始めたところ、リュックのポケットのひとつから転がり出てきたものがある。なんとiPodの充電器とプラグ変換アダプター! 前の宿に置いてきたというのは思い…

余計な用事

じつは初日(22日)に泊まったゲストハウスが思ったより居心地が悪く、翌日から他のところに移ったのだが、そのときiPodの充電器と変換プラグをコンセントに差しっぱなしにして部屋を出てしまい、あとから確認に行ったがもうなかった。旅の友である音楽を失…

早々とスイカを食べる

バンコクは水上移動ができる。チャオプラヤーという幅広い河が市街地を囲むように流れていて、そこを乗り合いボートが進む。風がじつに気持ちよく、蒸し暑さを滅却できる。それにしても、眺めがこんなふうに変化する視界というのは、我々は船に乗らないかぎ…

ネットしにきたわけではないが

きのう成田を発ってバンコクに着いた。海外旅行ってこんなにすさまじく面白かったっけ。すっかり忘れていた。そういえば外国に来たのは7年ぶり。タイは9年ぶりになる。ふだんとまったく違う光景ばかりなので、考えや驚きもまたふだん思いもよらないところを…

しばらく旅行

友人がタイの女性と結婚する。式も向こうで挙げる。私の身近では珍しい話で、これはぜひにと参列させてもらうことにした。ちょうど仕事も一段落。ついでにタイ国内をぶらぶらするつもり。計画は何もないが、いろいろ本が読めればいいかというところ。という…

あなたは香田さん以外の誰について詳しく知りたいですか

『香田証生さんはなぜ殺されたのか』(下川裕治)ASIN:410300231X *香田さんといえば、2004年10月イラクを旅行中、アルカイダ系のグループに拘束され殺害された青年だ。しかし、イラクにおける日本人人質事件としては、それに先立つ同年4月、今井紀明さん…

中央フリーウェイ(今はモノレールも交差する!)

このところ遠くまで出かける機会がけっこうあった。伊豆、愛知、山梨。いずれも高速道路を車で移動。巨大な富士山がきれいに見えたのをはじめ、途中の景色は無条件に面白かった。それが仕事の途中であれ気分はがらりと変わるもの。東京にいると海や山はおろ…

甘美な世界史体験ツアー(現コース/夢コース)

映画『グッバイ、レーニン!』をDVD鑑賞。1989年のベルリンがニュースの歴史にそして世界史に刻まれたことは知っている。しかし、その時その内側つまり壁の東側にいた人はいったいどんな感じだったのか。日々の暮らしはどう激変したのか。そこは意外にちゃん…

つまらない小説はすべて一様につまらないが、おもしろい小説はどれもそれぞれにおもしろい

「世界遺産ここに行きたい! ベスト30」をNHKの番組が選んだらしい。 http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/ranking/index0929.htmlみんながいいと言うのだから、いつか見に行かねば。ただ、いずこもなにしろ遠い。マチュピチュや九寨溝など、感動にたどりつ…

ウクライナ96年、奇妙な日々

《それに、今の世の中、闘うっていったら物質的な理想を求めてに決まってる。無鉄砲な理想主義者は、階級ごと死滅したんだ。残ったのは、無鉄砲な現実主義者ばかり…》 * 『ペンギンの憂鬱』という海外小説を少し前に読んだ。ウクライナのアンドレイ・クルコ…

世界はいろいろ

復興支援でカブールに行くという人から直接聞いた話。20年以上戦乱が続いたアフガニスタンには 銀行というものがないという。びっくり。 だから、お金はどれほど大きな額であろうと 懐に抱えて(まるでバックパッカーのごとく?) どきどきびくびくしなが…

「中国」は「青春」よりもっと奇妙

ジャ・ジャンクー監督『青の稲妻』(中国映画)=DVD鑑賞= ASIN:B0000CBC6T http://www.bitters.co.jp/inazuma/ 主人公の青年2人の顔が生理的に強烈で、まずそこに引き込まれた。冒頭バイクを運転しながら正面向きで現れるビンビンのでこぼこ顔もさることな…

旅の回想というより、回想という旅

しばらく続いた繁忙期が終わった。「さて何しよう」と考えて、積年の気がかりだった昔の旅行日記をパソコンに書き写す作業にいそしむことにした。インド・パキスタン・中国と慌ただしく移動した2カ月間。最初の勤めを辞めた1989年だから…、16年も前に…

『白鯨』にも出てくるケープコッドは千葉にあった

東京ディズニーシーに行ってきた。ディズニーランドも含めて死ぬまで縁はあるまいと思っていた私だが、5500円のタダ券が回ってきた。だから、あれとこれは絶対見るぞとか元は取らねばといった切迫感をまるきり欠いていた。存外に楽しかったのはそのおか…

生はヒリヒリむずがゆい 鴨志田穣&西原理恵子『最後のアジアパー伝』 

脱力ぶりおよび切実ぶり、ともにちょっと類をみない海外流浪譚。語り手は鴨志田穣だが、ハシダさんという微妙なオジサンが出てくる。これってあの橋田さん? と思うと、各エピソードがなぜか急に身近な情景として浮かんできた。イラク人質事件の時ニュースス…

天は札の上に札を作らず

新1万円札を見た。 まるでわかりやすいニセ札だった。 …今チャンスかも! 「この1万円札へんじゃないですか」「いやこれ新札ですよ」 * 『珈琲時光』をみた。 侯孝賢が切りとった日本の首都そして地方のまち。至福。 「あもうこれで終りか」とわかったと…