東京永久観光

【2019 輪廻転生】

天は札の上に札を作らず


新1万円札を見た。
まるでわかりやすいニセ札だった。
…今チャンスかも!
「この1万円札へんじゃないですか」「いやこれ新札ですよ」


 *


珈琲時光』をみた。
 珈琲時光 [DVD]
侯孝賢が切りとった日本の首都そして地方のまち。至福。
「あもうこれで終りか」とわかったとき、限りなく残念だった。
話がとうとうあまりはっきりしてこずじまいだったからではない。
(それはどっちでも全然かまわない)
もっとずっと何時間でもこの光景を眺めていたい、
この雰囲気に包まれていたい、そんな気分だった。


茶店、古本屋、狭いアパート、電車、路地、近所の人、古いアルバム…
さて我々は、候孝賢の映画のなかではなく、
ふだんの現実でこうしたものと接するときも、
こんな気分に浸ることは、可能なのだろうか?


 *


映画は吉祥寺にて。
そのあと「旅人食堂」という妙な店に行く。
アジアでバックパッカーが居着く一角には必ずあるような、
そんなコンセプトの店。
とくにタイのビーチとか中国雲南省大理とかを思い出した。


 *


ある雑貨店で、耳かきが急に売れ出した。
店員が不思議に思って客に尋ねると、
R25でみた」と言われたそうだ。
う〜む、そうか。