東京永久観光

【2019 輪廻転生】

サブプライムで焦げついた住宅にこんどは石油をかけて燃やして暖をとろうとかいう連中にマジで怒れ


正月に訪ねたソウルは信じられないほど寒かった。地球温暖化ストップというけれど、ソウルの冬だけはむしろすこし温暖化を。といっても室内はどこも暖かい。民宿のマンションにも一泊したが、床はぽかぽか。今は化石燃料を使ったオンドルらしい。たまりかねて入ったサウナも、なんと107度の表示。頼もしい、というか、それはそれで死にそうだった。ところが地下街では夜になると段ボールハウスが建ち並ぶ。こうなったらソウルの地べたを全部オンドル化してはどうか。二酸化炭素ケンチャナヨ。凍えて死ぬわけにはいかないじゃないか。環境よりもっと人にやさしく♪

帰国便で手にした朝日新聞1日付トップに「環境元年」とあった。見出しは「怒る天 人に牙」。う〜む、我々はそうした意味で本当に天から怒られるほどのことをしているのだろうか? 

ちなみに、記事ではダルフールの虐殺を環境問題に絡めて記している。上記見出しと合わせ深読みせよということではなかろう。それでも朝日嫌いの人なら、またまた正月からこぞって呼気(二酸化炭素)は荒く、頭からは湯気(水蒸気)が立ち上ったのではないかと、それこそ温暖化が心配になった。(つまり、ダルフールは天の怒りによって罰を受けているという深読みができてしまうということ)

そこへもってきて「原油ついに100ドル」のニュース。だがこれだと石油にますます手が届きにくくなるのだから、地球環境にはまことにけっこうな話ではございませんか。 

ともあれ、天が怒っているかどうかは知らないが、IPCCやゴアさんは真剣に怖い顔をしているようにみえる。ところが一方、年末に見たバラエティ番組では、かの武田邦彦さんらが、CO2排出削減の気運をまるきり嘲笑していた。たしかにこの問題に眉唾のところはある。ただ、じゃあ武田さんという人物をどこまで眉唾なしで信頼していいのやら。

それでも、ゴアさんの自宅のエネルギー消費が一般家庭の10倍とか20倍とか指摘された件は、やっぱり核心を突いていると私は感じている。

ゴアさんをはじめとする世界の特定の人だけは、世界の他の人々以上にCO2をたくさん排出してもかまわないと、断言できる正当な理由は、なかなか思い当たらないからだ。

「とにかくゴアの電気代が俺の家より安くなるまで、俺は二酸化炭素を減らすつもりなんかないよ」

だいたい、世界はフラット化したとか言うくせに、命とか金とかは、むしろひたすら傾斜が激しくなるばかりのようにみえるじゃないか。

たとえば、アメリカや日本やヨーロッパと、アフガニスタンイラクスーダンとで、人の命をもっとフラットに!

たとえば、東京やソウルや上海の金持ちと、日本や韓国や中国の貧乏人とで、金をもっとフラットに! 

たとえば、ゴア邸の住人と、ソウルや東京の段ボール住人とで、暖やCO2を、もっとフラットに!

さもなくば、天はともかく、人が怒る。

「怒る人、人に牙」 テロリズム

「怒る人、丸山に牙」 この2007年を揺るがした重大事件は、すなわち日本版言論版テロリズムの始まりなのではないか。(http://www7.vis.ne.jp/~t-job/base/maruyama.html

命さえあればそれで幸せ、とは言えないが、そもそも命がなければ幸せにはなれない。それと同じく、金さえあれば幸せになれるわけではない。が、金がなければやっぱりなかなか幸せにはなれない。そのことが、いわゆるグローバル化しフラット化しNHKワーキングプア化し「気分は戦争ではなく希望は戦争」化するこの時代のなかで、いよいよ明らかになってきた。

金がなければ、命や暖ですらたっぷりとは得られないのだ。