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【2019 輪廻転生】

★挟み撃ち/後藤明生

先日ある人と久しぶりにオンラインで話をしたとき、ふと『挟み撃ち』(後藤明生)の名が出てきた。猛烈にまた読みたくなって読んでいる。何十年ぶりか。猛烈に面白い。

ただ、この小説の面白さは独特なので、どう面白いのかを自分なりに分析したくなる。しかし面白さ自体は自明なので分析する動機が失せていく。また、この小説が面白くない人も多いだろうが、面白いと思う人は私と同じように面白いはずだと確信できるので、面白さを説明する動機も失せてしまう。

 

2017年に出た「後藤明生コレクション」(国書刊行会)を読んでいる。今や忘れ去られた作家かと思っていたら、意外に最近こうしたものが発行されている。https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336060525/

編集委員のうち奥泉光島田雅彦渡部直己の3人は、かつての『必読書150』(太田出版)の著者でもある。後藤明生柄谷行人が強く推した作家の一人だった記憶もある。その関連か、一時期、群像文学新人賞の選考委員を柄谷行人らと一緒に務めていた。近畿大学での仕事も知られている。

 

ふいに思い出した『挟み撃ち』。わたしは以前それをいつ読んだのだったか?

http://www.mayq.net/hasami.html