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【2019 輪廻転生】

★高慢と偏見/ジェイン・オースティン

ジェイン・オースティン高慢と偏見』(中公文庫)を読んでいる。

高慢と偏見|文庫|中央公論新社

 

先日チューリングの映画『イミテーション・ゲーム』で女優キーラ・ナイトレイが印象的で、それを機に彼女が主演の『プライドと偏見』を視聴することになり、それを機に原作を読もうと思った。

モームが挙げた「世界の十大小説」の1つであり、読んでみたいとはずっと思っていた。長いけれども、筋を映画で知ったこともあり、楽しく読める。それにやっぱり映画より詳しく事情が書き込まれていて、ふむふむと思う。

オースティン30代後半の刊行だが、もともと20-21歳で書いた作品がもとになっているらしい。次々に登場する淑女や紳士を、なかなか訳知りの口調で、ズバズバ褒めたり貶したりしているけれど、けっこう若くして書いたんだと思う。主人公エリザベスの視点で語りそうなものだが、意外にそうではない。

舞踏会の華やぎ賑わいといったものは、やはり映画のほうが実感しやすいのだろう。しかし、大広間で大勢の着飾った男女を踊らせつつ喋らせつつ、人物や関係を適正に伝えていくのは、撮影がどれほど大変だろうと、余計な心配をしたくなる。

特に2度めの舞踏回では、主たる人物それぞれが順繰りにあちこち移動しながら、そのつど微妙な会話と表情を演じていく、そのすべてを、カメラは、なんと3分弱もの1カットでことごとく的確に捉えている。

それにしても娘5人は多いと感じる。いちばん下の2人は性格や役割が似ているので、4人でもよかったのかも。『細雪』は四人姉妹。

 

5人姉妹で一番の美人とされるのが長姉で、映画『プライドと偏見』ではロザムンド・パイクが演じている。この人どこかで見たな…と思ったら『ゴーン・ガール』だった。こちらも再視聴。極端な物語。途中でやめられない。

 

ゴーン・ガール』も原作があり読めばより詳しくわかるのだろう。ただ、いかにめくるめく展開でも、それは作られた出来事だ。それに比べ『高慢と偏見』に出てくるような物語や人物は、いくらか凡庸で退屈であれ、19世紀初頭の英国社会に本当に実在したのだろうと思うと、いっそう興味がつきない。

 

ところで、5人姉妹は親の財産や生まれ育った屋敷を、誰ひとり相続できない。限嗣相続という仕組み。代わりにコリンズという遠縁の牧師の男性が手にする。だから憎まれ役だが、映画でも小説でも、堅苦しく話がくどく女性たちから見向きもされない、ひたすらさんざんな人物に描かれ、気の毒になる。

限嗣相続はドラマ『ダウントン・アビー』でも焦点だった。なおダウントン・アビーのグローリー家は貴族であるのに対し、『高慢と偏見』の主だった家はいずれも裕福だが貴族ではないらしい。郷紳(ジェントリー)という階層。たしか世界史で習った。そんな発見も興味深い。

 

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2021/06/11/000000 へ続く