人間は言語と一緒に生きている感じなので、言語から遠ざかってしまうと調子が出なくなると思う。そして今、言語とどこで一緒かというと、けっこうツイッターとかが主なので、ときどきは何でもいいのでツイートしないと、やっぱり調子が出ない感じだ。
とはいえ、本を読む人は、ツイッターに負けないぐらい、本の言葉と一緒に生きている感じもある。とりわけ今年は『黄金虫変奏曲』(リチャード・パワーズ)の言葉が、驚くべきことに、ツイッターの言葉を覆い隠す勢いの日もあった。
ここ数年、長編小説は1年に1冊じっくり読めれば十分、という低い目標でやっている。2022年はもちろん『黄金虫』だった。ほか年の初めに読んだ『血と暴力の国』と『ピアノ・レッスン』も深く感動したので、もう余裕で年を越せる。