東京永久観光

【2019 輪廻転生】

思考

信頼区間なぜ95%〜正規分布とべき分布がそもそも謎

『統計学が最強の学問である』西内啓さんの記事を読んだ。 https://cakes.mu/posts/29802 「95%信頼区間」というのが何なのか、初めてよくわかった。この範囲以外の確率になることは「まずありませんよ」ということなのだ。この例では、母集団(東京23区の人…

地球外知性はUFOに乗ってやってくるのか?

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200428/k10012408331000.html “UFO映像” 米国防総省が公開 “物体が何かは不明”(NHK) こうしたUFOの話にはまったく興味がわかないけど、その理由は、地球外知性がどこかにあったとしても、これほど地球上の知性(私…

★『論理哲学論考』を読む/野矢茂樹

本の備蓄をしそこなったけれど、『『論理哲学論考』を読む』(野矢茂樹)を読んでいるので、当分だいじょうぶ。 (4月18日) およそ考えられうることはすべて、明晰に考えられうる。(論理哲学論考 4.116) 突然引用したのは、クール(かっこいい)からだが…

★誰も教えてくれなかった「死」の哲学入門/内藤理恵子

誰も教えてくれなかった「死」の哲学入門/内藤理恵子 https://www.amazon.co.jp/dp/4534057164 ヘーゲルの弁証法をトーナメント戦にたとえていて、なるほどと思った。格闘系のゲームで相手を打ち負かすと自分と相手の両方の能力が統合されて新しい自分にな…

インフレ宇宙でも生命はたった1回説

「東大、宇宙の中で生命が非生物的な現象から誕生するシナリオを発表」(日経) https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP528188_T00C20A2000000/ 生命の誕生は想像を絶するほど珍しいけれど、インフレーション宇宙でできた星の数が想像を絶するほど多いから…

★文化がヒトを進化させた/ジョセフ・ヘンリック

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2020/01/11/124640 (上から続く) ジョセフ・ヘンリック『文化がヒトを進化させた』はほぼ読み終えている。 そもそも… かつて人類が他の動物と似たものだったこと、そして進化という原理でこうなったことは、自明な…

★天然知能/郡司ペギオ幸夫

郡司ペギオ幸夫『天然知能』。この人の本が初めてスラスラ読めて感動し、内容のすばらしさに感動し、たいへん喜ばしき休日。 https://www.amazon.co.jp/dp/4065145139 《天然知能は、自分が自分らしくあることを、肯定できる、唯一の知性なのです》 世界をい…

物理学が哲学を凌駕する例か

http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/time/note.html 物理学者の、哲学者に対する、根本的な疑義が示されているようで、興味深い。 《例えば「地球温暖化は実在するか」という問いは、言語概念分析で答えが出る問題で はないだろう。「大気中に…

★三体/劉 慈欣

『三体』(劉 慈欣)を読んでいる。 意外にも文化大革命の一幕から始まる。糾弾されているのは科学者。相対性理論もビッグバン理論も「反動的だ!」と断じられる。「すべての反動的学説を打倒せよ!」 ホントにそんなこともあったのだろうか? 紅衛兵「お前…

世界史と他者の実在感

WindowsのWordと、MacのPagesは、リンガ・フランカが存在しない。 「リンガ・フランカ」と言ってみたかった。フランク王国に由来するらしい! * 先日「フランク王国」と書いたのは、最近 世界史の本を読んでいるからだ。山川出版『詳説 世界史研究』。同じ…

21世紀 哲学の転回

哲学史には「言語論的転回」というのがある。「何が本当か/なぜ本当がわからないか」には、言語こそが関係するから、言語の解明こそが不可欠だね、といった態度変更を言う。(それまでは認識=意識こそが真理に関係するとみてきた) この「なんとか的転回」…

生命システムにおける機能と情報の分離?

分子生物学の基本原理「セントラルドグマ」の理論的導出に成功 | 東京大学 https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00230.html これはいったい何の話なんだろう? 《機能と情報の分離は生命システムのさまざまな階層で見出されている。多細胞生物で…

ツイッター進化論(随時変異)

とびぬけた知性をもつ存在が「たった1種だけある・たった1種しかない」ことは、きわめて奇妙に感じられるわけだが、それが個体としては こともあろうに70億もひしめいているなんて、それを上回って奇妙ではないか。 70億の自我などフィクションと同じ。計…

★ビッグ・クエスチョン〈人類の難問〉に答えよう/スティーブン・ホーキング=夏の宿題2019=

https://www.amazon.co.jp/dp/4140817739 「ホーキング、私と同じこと考えてた!」という実感。 「私、ホーキングと同じこと考えてる!」でもいいのだが、独立してホントに同じ問いにとらえられたし、独立してホントに同じ答えにたどりついた。そんな親近感…

★心の進化を解明する/ダニエル・デネット

https://www.amazon.co.jp/dp/4791770757 この話、みんなものすごく嫌がるしものすごく分かりにくいけど、オレが一から十まできっちり落とし前をつけてやるから、ついてこい! ついてこれなくても、ついてこい!! ―そんなやる気満々のデネット先生。 <9月15…

進化心理学へ

https://note.mu/youth_waster/n/n14b1e2becc4a 「至近要因」と「究極要因」:進化心理学のメスで人間社会を解剖する方法 〜 アニマルとしてのサピエンス、その心に潜む隠れた動機(Hidden motives)───心のわけを解き明かす「進化心理学/EvP」とは何か (h…

ゴキブリの意識 シミュレーション

https://twitter.com/shiropen2/status/1157153999402835968 ゴキブリロボットにも意識は有るんじゃないかとマジに思ってしまうことの、裏返しとして、ゴキブリにも意識は無いんじゃないかとマジに思ってしまう。というかマジにわからない。 「意識は無くて…

★量子力学のイデオロギー/佐藤文隆(続き)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2019/07/14/000000から続く ↓ 『量子力学のイデオロギー』、やっぱり頭と心を完璧に奪われる。私がずっと愚鈍に考えていることの、明晰な答え、少なくとも明晰な問いが、ここには書いてある。 同書にはプリンキピア(…

ニュートンとダーウィンの革命

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2019/07/12/000000からと https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2019/06/11/000000からの続き ↓ ニュートンがなぜ革命的だったのか。天体の動きの理由を探ろうとして、ニュートン以前は「地球や月がこう動くのは、…

★量子力学のイデオロギー/佐藤文隆

佐藤文隆『量子力学のイデオロギー』 改めて特別に魅了されている。なんかこれ、切れ味バツグンの文芸評論に出くわした感じ。つまりこれは批評を読む興奮なのだろう。といっても、佐藤文隆はまぎれもない物理学者なのだから、物理学者が自ら物理学批評を書い…

★世界はなぜ「ある」のか?/ジム・ホルト

「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか?」 ここ数年、それを考えると眠れなくて困る、というほどではないにしろ、それを考えると眠くなって困る、ということはまったくない。 ジム・ホルト『世界はなぜ「ある」のか?』(早川書房)は、ズバリそれを追…

神はいないけど 無意味じゃない

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/06/6-50.php 全体的に、無神論者・不可知論者の方がそうでない人と比べ「この世は究極的に無意味」と考える傾向が強い中、唯一日本だけが、「この世は無意味」と考える無神論者・不可知論者の割合が一般の…

★哲学入門/戸田山和久(続き)

戸田山和久『哲学入門』。何の本だったか忘れないために、勝手ながら『表象と意味の湧出』と書名を変えて、振り返っていくことにしよう。

★現代観光学(新曜社)

『現代観光学』(新曜社)という本を読んでいる。旅行記は観光しているものの奇妙さを詳しく報告するけれど、観光という行い自体がそうとう奇妙なのに、それを深掘りして報告することはあまりない。でもホントは旅行しながらよく考える。「今いったい何をし…

「神がいない」というのは、「この世はすべてアウェイ」という意味だろう。

神がクシャミをすると人が風邪をひく

http://sxpxs.org/columns/bookreviews/conwaymorris.html 《われわれヒトが今このようにあるのは偶然である》。 ある書評のタイトルなのだが、あまりにあっけない。が、このあっけなさに、われわれはもっと慣れたほうがいい。「わわれれヒトが今このように…

『カメラを止めるな!』(テレビ放映) 

エンドロールでは、神(映画そのものを見せてきた第三のカメラマン)がとうとう姿を現す。「待てよ、じゃ第三のカメラマンは、だれが撮ってるんだ?」 ――少年よ、そのカメラこそが哲学と呼ばれるんじゃ。 「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」と私た…

石戸諭「沖縄ラプソディ」

石戸諭の多層的なルポ「沖縄ラプソディ」(Newsweek 2.26)を読んだ。 辺野古や沖縄のことを、私としてはこれまでになく真面目に知り考える機会になった。賛成派か反対派か(あるいは本当は無関心か)すぐに透けてしまうような多くの記事とは、書き手のスタ…

★哲学入門/戸田山和久

戸田山和久『哲学入門』ちくま新書(2014) https://pic.twitter.com/nLhkKt0qea ここまでぼろぼろになったのは浴槽に落としたせいだが、気持ちとしてもこれくらい熟読した。 生物は岩石とは違う。さらに人間は他の生物とは違う。つまり、私たちがものごとを…

「存在ではなく操作」

佐藤文隆『量子力学は世界を記述できるか』をめぐって 《量子力学が私たちに教えてくれるのは、世界の「操作」であって、その世界の「モデル=存在」ではない。なぜ前者でしかなく、後者でないのかは、そもそも私たちにとっての「知識」がどういうものである…