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【2019 輪廻転生】

神はいないけど 無意味じゃない

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/06/6-50.php

全体的に、無神論者・不可知論者の方がそうでない人と比べ「この世は究極的に無意味」と考える傾向が強い中、唯一日本だけが、「この世は無意味」と考える無神論者・不可知論者の割合が一般の人を下回った。


「神はないけど無意味じゃない」 私の気持ちが代弁されているかも。

それにしても、そもそも「神はいると思いますか、思いませんか」的な質問をわざわざ大々的にすることに、なにか意味はあるの? と無神論者なら白けてもよさそうなのに、それでもこの調査はなんだかとても興味深い。それはなぜだろう。

さてでは、「宇宙人はいると思いますか、思いませんか」的な調査は、これほど真面目に大々的に行われることは、あまりないと思う。まあそれはそういうものだろうと思いながらも、でもこっちの質問のほうが実質的に意味があるんじゃないかとも思う。

いやそれでも、「神はいるのか」と真剣に悩む人は偉大で美しく見え共感を呼ぶだろう。「宇宙人はいるのか」と真剣に悩む人が偉大で美しく見え共感を呼んだりはしないだろう。ちょっと不公平な気もするが。

「神はいる」「いないわけがない」と常に思いながら生きることは、日々や人生に影響する。それはきっと良い影響なのだろう。「宇宙人はいる」「いないわけがない」と常にに思いながら生きることも、じつは日々や人生にけっこう影響するはずだが、それはきっとあまり良い影響ではないのだろう。

それでもなお。神がいるかどうかは、たぶん正解がない。宇宙はほかにもあるのかとか、この宇宙に始まりはあったのかとかも、正解がないかもしれない。しかし、宇宙人がいるかいないかは、必ず正解があるはずだ。そう思うとふしぎな気分になる。

まあしかし、宇宙人のことなんて、目の前に出てこないかぎり、この忙しいのに、いちいち考えてみたりはしない。地震のことを、目の前で起こらないかぎり、いちいち考えてみないのは、それと似ているのかもしれない。私がいつかそのうち死ぬということについても。

さて。神とは何だろう。意味とは何だろう。こういうふうに思っていいのではないか。「私がいることが無意味であるわけがない。私がいるんだから無意味であるわけがない。われ思う、ゆえに意味あり!」 そこから「宇宙はあるんだから宇宙が無意味であるわけがない」までは遠くない。 

すなわち「私がいるんだから、宇宙があるんだから、この世は無意味であるわけがない」。待てよ、そうすると「私がいるんだから、宇宙があるんだから、この世は無意味であるわけがないんだから、神がいないわけがない」も、そう遠くない気がしてきた。