神が死んだということをいつまでも認めようとしない人が、これまでずっと残り続けてきたように、人間が終わったということも、いつまでも認めようとしない人が、これからずっと残り続けていくのだろうか。ただともかく、人間はどうやら本当に終わったのかもしれない。今年とか今日とかそのあたりで。
<参考>
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3月21日
https://twitter.com/ktakahashi74/status/1637758056342880256
言語システムというものが原理的に持っていた限界の可能性あるいは突破の可能性、みたいなことだろうか?
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3月23日
ちょっとフレーゲ呼んできて、早く!
https://twitter.com/fladdict/status/1638562418564673537
…と思ってたら、ニーチェが来た(呼んでないのに!)
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やっぱり人間はなんといっても「意識型知能」なのだった。今さらながら、ありありと自覚させられるような日々。
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3月24日
《我々のライバルは人類史ではないか?》
AIが勝手に議論を深めてくれる弁証法エンジンの構築|深津 貴之 (fladdict)|note
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3月25日
やっぱり今これ見ないわけにいかない(自然知能完全ゼミ 茂木健一郎)
一言でいうと「もう、大変なんすから…」(林家三平っぽい、いろんな点で)
死ぬことは絶望でしかないとして、それどころか、生きることも絶望でしかない。あるいは、どちらもただ笑うしかない。これからなんかそんな感じの世界像になるのかもしれない。
つまり「人間しかいない」という信念だけが救いだった。神がいなくても人間が一番すごいんだから、まあいいじゃないかと。ところが、人間よりすごい存在が本当に出てきてしまった。
「地球上に酸素が出てきたときに近いかんじがする」ーーなるほど! さすがの至適な表現だ。
それはそうと、魂の危機かもしれないが、Googleもまた危機で、まさかGmailが近々消えてしまわないかと心配。
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茂木さんの話からしても、GPTは明らかに言葉の意味を捉えている(本当に驚愕した)。さてそれで、高橋さんの問いは、「言葉の意味を捉える」とは、膨大な言葉を浴びることによって「意味を帰納するのか」それとも「意味を演繹するのか」どっちなんだ? ということのようだ。
https://twitter.com/ktakahashi74/status/1637758056342880256(改めてリンク)
なんという核心的な問いであることか! 知能の謎とか言語の謎とかを超えて、まさに世界そのものの謎の正面に立った気分。
もう1つ、高橋さんの話で注目すべきは、言葉をひたすら膨大にインプットすることが、言葉の意味を捉える条件らしいこと。スケールこそ量こそがものをいう。
というわけで、少なくとも、本は100回読み、曲は100回聴く。それでなんかわかった気がしたら、それはまるきりの錯覚ではないかもしれない。あるいは、100冊、1000冊、10000冊いろいろ読め、100曲、1000曲、10000曲いろいろ聴け、ということか。
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3月26日
昔作った曲をガレージバンドで。
(すぐ音が出るので注意!)→ http://www.mayq.net/20230325/opus20230325.mp3
AIの力は借りていないのだが、あれこれ聴いてきた旋律や音色のプールの中から適度に抽出した旋律や音色を例示してみたという点では、AIがやっても同じなのだろう。
ただし、私の意識がこれを聴いているということ、そのとき何らかのことが感じられているということ、そこはあくまでAIとは違うと思う。もはやそれだけしか違わないとも言えるが、この違いは決定的に大きいとも言える。そしてこの違いはまだ相当先まで残るように思われる。
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https://twitter.com/tokyocat/status/1639841236717830144
土方 雅之@プロセス思考@hijk0909
《そろそろ人類は、この物理宇宙内部に自然発生した知的生命としての「自分にとっての自分」を味わい尽くして、意味論的にオワコンになるのだろうか。それとも、まだ誰も開けていない扉の向こう側に広がる無限の可能性へと(生物としての絶滅の前に)踏み出していけるのだろうか》
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ChatGPTは飽きないのだろうな。いかなる質問にもことごとく回答し続けるということに。人間は飽きる。仕事にも趣味にも。のめりこみすぎることもあるけれど。
飽きるっておかしな性質には思える。しかし当然これも進化的に利益があるから備わったはず。
…ふと気づいた。
「人工知能も進化する」と私も多くの人もよく言う。しかし遺伝子ネットワークの変異で淘汰される生物の進化と、プログラムの変更で刷新される人工知能の進化とは、まるきり別の事象だと捉える必要がある。だからこの点でも人工知能と生物はまったく違う存在だと言える。
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3月27日
ChatGPTには本当に知りたいことを質問すべし。
さっきの質問:圏論では「射」「関手」「自然変換」の3つの操作が存在します。なぜ3つか理由が知りたいです。「数学的な事象ないしは世界のあらゆるできごとは、たかだか3段階の高次な視点さえ持てば、必ず捉えられる」ということが理由ですか。=趣旨=
回答の一部をコピー:「数学的な事象、ないしは、世界のあらゆるできごとは、たかだか3段階の高次な視点さえ持てば、必ず捉えられる」という主張は、一般的な思考の枠組みとして知られていますが、これが直接的な理由として挙げられるわけではありません。むしろ、圏論の3つの概念が、数学的な対象とその対象間の関係を捉えるうえで、特に重要であるということが、実践的な数学の中で示されてきた結果であると言えます」
本当の数学の教師が今そこで私と話しているようにしか思えない。ーーなにしろそれに驚いてしまうので、「実践的な数学の中で示されてきた結果である」という回答に驚くのを、つい忘れてしまうのだった。
ついでにこんなことも質問してしまった!
「あなたの回答は、ASD(自閉スペクトラム症)の人の回答に、似ていると、言われることはありますか?」