『入門 現代の量子力学』(堀田昌寛)を読もうとしている。量子力学を「情報」の観点から刷新する趣旨。そうすれば謎めいた量子力学の謎など消え去るはずだと。
https://www.kspub.co.jp/book/detail/5239230.html
――刮目せざるをえない。ただ、私に理解できるわけがないとも思う。
そもそも量子力学の教科書を開いたことがない。量子力学の解説本はいくつか読んだが、それすらいつも結局しっかりとは理解できない。
なぜ量子力学が理解できないのか。そもそも誰にも理解できない理論であるフシはあるものの、私の場合そもそも高校レベルの物理学がはなはだ欠けているせいなのだと、徐々に気がついてきた。そこで、高校の教科書である『新編 基礎物理』(啓林館)を『入門 現代の量子力学』の前(前の前の前)の課題図書として勉強することにした。
https://www.amazon.co.jp/dp/4402037468
さてその高校物理の教科書、一番最初に何が書いてあるかというと――「速さと速度」だ。「単位時間あたりに進んだ距離を速さという」
当たり前すぎる? 私ははからずも感動した。やっぱり「時間」と「距離」こそが物理の自明の前提になってるじゃないか!
しかも「速度」を定めて初めて「力」や「仕事」といったものが式で示せる。そして、それら全体をまとめたパートが、第1部「物体の運動とエネルギー」なのだった。
ここから重要なことに気付かされる。
そもそも「力」「仕事」「エネルギー」といった概念を、私はぼんやりとしかイメージできていなかった。しかしそのうえで面白いのは、それらの概念がいずれも「時間と距離」をベースにしないと定義できないようであり、しかも、それらの定義がなんだか循環している気がすることだ。
もう1つ重要なのは、実はこれすべてニュートン先生がまとめあげたことであり、それが昔も今も平凡な大勢の私たちの「世界像と世界観のベース」であることだ。すなわち、この宇宙とは「物体が運動している」宇宙なのだ。だったら当然そこには「時間」と「空間(距離)」は無条件に存在せねばならぬ。
さてさて。ところが、その時間と空間も物体や運動も「本当は実在していないんだよ」と近年の厄介な物理学は説く。その代表格が量子力学だろう。「では何が存在しているんですか?」「情報だよ!」← 今ここ、というところ。
なお、『入門 現代の量子力学』を手にした大きな理由の1つは、その著者がツイッターを使い、核心に誘うかにみえる問いかけを日々続けていることだった。https://twitter.com/hottaqu
(それにしても、たとえば「磁場」「磁気モーメント」「磁気モーメントベクトル」なんて、その区別がみんなぱっとわかるのだろうか? たとえば「鎌倉」「鎌倉時代」「鎌倉幕府」の区別なら、私もはっきり理解できて説明もできる。その差は、ただ使い慣れたか使い慣れていないかだけなのか?)
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後日、以下のことを知った。
物理量は(簡単に説明するため電磁気的なものを別にすれば)すべて長さ、質量、時間の組合せで定義される.
◎ 次元解析(じげんかいせき)とは? 意味や使い方 - コトバンク