因果推論の科学(読書中) - 東京永久観光 からの続き
「ニュートンはすごい」学校で物理学が苦手だった私が当たり前のように今つぶやいているが、そうなるまでに少なくとも10冊ぐらいの良い本は大人になってから我慢して苦労して読んだと思う。以後は「ニュートンはすごい」と100回でも200回でも繰り返しつぶやける。コスパ、タイパに優れた道だろう。
同じように「フィッシャーはすごい」と訳知り顔に言いたいがまだ言えないのは、統計学の良い本をまだ1、2冊しか読んだことがないからだ。たぶん。今読んでいる『因果推論の科学』はその良い1冊になるはず。フィッシャーのランダム化比較試験の話にとどまらないところが肝。
そこへいくと『カラマーゾフの兄弟』などは10冊でなくたった1冊読めばいい。それだけでもう「カラマーゾフすごい」と一生無限につぶやくことができる。タイパの点ではもっと優れている。そもそも1回読むのが大変ではあるが、小説はまあとにかく読み通せばいいし、なんとか読み通せなくはない。
いろいろ書いたが、『因果推論の科学』がとにかく面白そうだと言いたい。大げさに言えば、私たちの認識の原理のようなものについて新しい図式に触れられる期待が大きい。ただしこの本は私にはなおハードルが高い。まだ2合目か、3合目か。