映画
トランプに世界は揺れ、日本発『君の名は。』も世界を揺さぶりそうな昨今。しかし私はひとり『東京物語』をDVD鑑賞。先日の尾道行きの名残。『サピエンス全史』は現世人類の特徴として時間の拡張を指摘するが、『東京物語』などを反復するにつけ、それを通り…
トルコのロシア大使狙撃の映像をみて、『気狂いピエロ』で男が室内で殺される最初のほうのシーンを思い出した。白い壁とふいにそしてあっさり人が死ぬ点が共通しているのか。後半にも似たシーンがあった。それにしても、この事件は空前の衝撃だが、『気狂い…
<川島雄三> ★愛のお荷物(1955) ★あした来る人(1955) ★洲崎パラダイス赤信号(1956) ★風船(1956) ★暖簾(1958) ★しとやかな獣(1962) ◎「洲崎」感想 ◎「暖簾」感想 ◎「獣」など感想 <侯孝賢> ★風櫃の少年(1983)=劇場・再= ★冬冬の夏休み(19…
きのう見てきた。すずは最も大切なものをあれよあれよと次々に奪われていく。悲惨すぎるのに健気すぎる。敗戦という途方もない傷を抱えていく痛み、そしてそれを忘れていく痛み、というようなことを、私は一番強く思った。【ネタバレ警報】【ネタバレ警報】…
(NHKのドキュメンタリーでドワンゴの人工知能によるCG制作を叱った件)私の場合、ここに「柄谷行人」を、「加藤典洋」を、「高橋源一郎」を、「村上春樹」を、「北野武」を、「坂本龍一」を入れても同じこと。彼らと彼らの作品への絶大な敬意は変わらない。…
『洲崎パラダイス赤信号』とともに今年初めて見て同じく忘れがたいのが『しとやかな獣』(どちらも川島雄三監督)。「しとやか」と「獣(けだもの)」はオキシモロン=矛盾形容語法で、それはもちろん若尾文子が演じる女を指すのだろうが、この映画は、若尾…
川島雄三『暖簾』、地味なDVDジャケットとは裏腹、画面が動きまくり、あっけにとられた。この監督が地味なわけないか。冒頭のカット、汚い川に架かる橋の上を なぜか馬が連なって駆け抜ける。展開も速く、昆布屋の奉公に入った主人公がタイトル開けにはもう…
この忙しいときに、しかも夜更けに、『砂の器』のDVDをみている。なぜかというと… https://twitter.com/zaikabou/status/782909287630680064昨夜、この連続ツイートをみていたら、もうどうしても『砂の器』を見ないわけにはいかなくなった。DVDテロといって…
関連でこのあいだ初代『ゴジラ』のDVDをみて、さらについでのようにして『ゴジラ対ヘドラ』もみたのだが、『ヘドラ』は、あきれはてるに値する問題作だった。迷作だったというか、迷惑だったというか…https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%B8%E3%8…
「最後のイゾラド 森の果て 未知の人々」を先日やっと視聴した(NHKスペシャル『大アマゾン』第4集)。http://www.nhk.or.jp/special/amazon/NHKカメラマンがひとり目前で撮影したその人々は、ヤンキー系の性格が著しい一家、という感じがしないでもなかっ…
侯孝賢『冬冬の夏休み』鑑賞(キネカ大森)正月に餅を食べるように、夏には毎年この映画をみる習慣にすべきだ。併映『恋恋風塵』(つけたし扱い)とは贅沢の極北。http://tontonrenren.jp/
昨日見てきた。予想と違い「なるほど〜、なるほど〜」と感心したり納得したりするばかりで、ただすんなりすっきりの気分で映画館をあとにした。監督の思う壺にハマったというかんじもしない。私の場合、佐村河内氏にもともと全く悪い印象をもっていなかった…
ブルーレイ鑑賞。けっこう酷評だったようだが、人工知能、人の脳をコンピュータで再現、という2つの大テーマがからむので、いろいろ考えさせられた。2つまとめてというのが壮大すぎたのか。恋愛映画とも言えるし、幽霊映画とも言えると思った。
昨日 K'sシネマ(新宿)で見てきた。朝から。近々、『恋恋風塵』と『冬冬の夏休み』のデジタルリマスター版も上映するという。ここはもう侯孝賢の専用映画館にしてもいいのでは。というか、けっこうもうそうなっているかも。さて、『風櫃の少年』を劇場で見…
――赤い満月が沈んでいく明け方に―― きのうの宵、池袋は大混雑。花の土曜、新文芸坐に『浮雲』をみにいく人なんてそう多くもなかろうと予想したが、そうでもなかった。(たしかに私にとっては、この映画よりほかに目指すものなどまったく思いつかないのだった…
私がこのさき戦争に行って殺したり殺されたりする可能性は非常に低い。がんや心血管病で死ぬ確率に比べてはるかに低いのはあまりにも明らかであるだけでなく、地震や津波で死ぬ確率に比べたってそうとう低い。隕石に当たって死ぬくらいの低い確率だろう。だ…
2016年のGWは『洲崎パラダイス赤信号』をみたGWとして記憶されるね。といってもDVDだが(つい先日まで上映されていたのに!) 『あした来る人』『愛のお荷物』とみた後だったこともあり、三橋達也と新珠三千代のうってかわって頽廃堕落すれすれのムードが素…
鑑賞をしても感想がなかなか追いつかない状況に、いつも焦っているけれど、本当はまったく逆で、感想ばかり考えたり書いたりしているのであり、むしろもっとちゃんと鑑賞しなければならないのではないか、私は。映画に対してそうであり、生活に対してもそう…
◎たけし、ソナチネ、死生観について語る。in国際映画シンポジウム(1)北野武は自分の映画について、いつも素直に本心を明かすという印象がある。ここでは『ソナチネ』の核心的なところが明瞭になる。 ◎たけし、フォレスト・ガンプ批判「なぜ北野映画には説…
「夜の巷を徘徊する」でマツコが夜の堀切菖蒲園駅(京成線)の界隈を歩いていて、そのムードに引きこまれてしまった。そしてそこにある古書店で荒川の歴史について話がどんどん深まる。それにひかれてグーグルマップを検索してみると、対岸に東武伊勢崎線の…
JR新宿駅の南口が新しくなった。これまで新宿南口といえば新宿サザンテラスで、それが出来たのは、私が郷里から東京に移住した頃だった。巨大な銀色の一角が出現していて驚いた。高島屋に向かう跨線橋からは複数の電車のホームが見渡せた。あれから20年近く…
★私の少女/チョン・ジュリ(2015年 日本公開) 以下ネタバレありなので注意。エリート女性警察官(ペ・ドゥナ)がひとり田舎町に署長として赴任してくる。どうみても訳ありで陰鬱な人なのだが、それ以上に町全体がきわめて因習的で、ある少女は義父らからひ…
◎公式サイトhttp://bitters.co.jp/wadachi/ トルコの映画。渋谷のアップリンクで見てきた。2014年カンヌのパルムドール受賞作。カッパドキアの岩山に雪が積もるとは! むかし私が旅行したときは真夏で、ただ暑く気分も明るかった。この映画のカッパドキアは…
渋谷イメージフォーラムで劇場鑑賞。◎http://hh.fictive.jp/ja/(公式サイト) 5時間17分の映画というのは、大勢のなかに身長3メートルの人がいるくらいの落差をもたらす。象を初めて見たようなインパクトというか。だから、たとえば「失われた性愛の回復」…
★ラヴソング(甜蜜蜜)/ピーター・チャン(1996) 大傑作。私がみた数少ない香港映画ではたぶんベスト1。テレサ・テンの歌(および本人)が決定的な役割を担う。しかも3回。1回目はテレサのカセットテープ。売ってひと儲けしようとするマギー・チャンのた…
きのう脈絡もなく『ベン・ハー』のディスクを見たのだが、ローマ帝国の首脳が、支配したユダの地で、民の信じる一神教に違和感をもち、どこかの大工のせがれが妙な説教を始めたという噂をとりわけ問題視している――その構図は、欧米先進国がイスラム国を問題…
なぜ私たちは非現実的なはずのタイムスリップがありうる気になるのかというと、結局「過去の回想」をいつもいつもしているからに尽きるのであり、それを重くみれば、「回想=タイムスリップ=過去を生きる」は、私たちにとって平易かつ平凡な行為で、もはや…
★ストーカー/アンドレイ・タルコフスキー(1979) ★サクリファイス/アンドレイ・タルコフスキー(1986) ★鏡/アンドレイ・タルコフスキー(1975) ★ノスタルジア/アンドレイ・タルコフスキー(1983) タルコフスキーの作品がツタヤに出てきたので続けて…
新宿で見てきた。「卑近と頽廃のエロス」という感じだった。頽廃=大敗の苔むさない人生ともいえるが。冒頭から唐突にナレーション。『亀虫』を思い出す。このナレーションの絡みぐあいが個性的。しかし、語り手がいるのは、やっぱり「小説的」であり、私は…
★第七の封印/イングマール・ベルイマン(1957) 【DVD】" title="第七の封印 【DVD】" class="asin"> asin:B00005G04G ★冬の光/イングマール・ベルイマン(1963) 【DVD】" title="冬の光 【DVD】" class="asin"> asin:B00005MFXZ ★処女の泉/イングマール…