東京永久観光

【2019 輪廻転生】

信仰

★ホモ・デウス/ユヴァル・ノア・ハラリ

いくら先が読みたいからといって、まじにネットから離れたくなるほどの本なんて、近ごろまさかあるまいと思っているわけだが、『ホモ・デウス』(ユヴァル・ノア・ハラリ)だけはやはり例外だった。前著『サピエンス全史』の最後に問いかけたシンギュラリテ…

神の物理法則?

《初めに神は物理法則を創られた。そしてエネルギーの塊から物質と反物質を創られた。物質の方がほんの少し多かった。同量の物質と反物質は消滅しあい、エネルギーに戻った。ほんの少し多かった物質が残った。 そして神は天地を創られた》(下記より孫引き)…

カルト>神学>無神論者

《大学でなぜ神学を教えるのかと無神論者は言います。これに対し最も皮肉な答え方をしますと……神学がなくても神学的な若者は常にいる。彼らに神学を手ほどきしないと、彼らは神学の歴史を自前で繰り返す。そのうち何%かはカルト的妄想に向かうだろう。まっ…

オウムとは何だったのか?

「人は死ぬ、必ず死ぬ、絶対死ぬ、死は避けられない」。私のツイートのようだが、じつはこれ、麻原彰晃が説法において好んで繰り返した文句だという。(大田俊寛『オウム真理教の精神史』p.278) ……そうだったか。 そして著者は《オウムとはロマン主義的で全…

だったら人間には魂も天国も地獄もあるのか? ――ブレードランナーをめぐって

「魂もないくせに」――しかし魂がないのはレプリカントだけではないね。「おれたちには天国も地獄もない。だからここで戦うんだ」――この実感はレプリカントだけでなく無神論者のものでもあるね。 (以下を視聴して)https://twitter.com/tokyocat/status/9294…

そうだったのか無神論

明治生まれの私の祖母は、米びつに米を長く置いておくと虫になってしまう、といったことをわりと信じていた。それに対し、私が近ごろ「無神論」と呼んで自覚と興味を抱いているのは、「米が虫に変化する仕組みなど存在しない。少なくともまったく解明されて…

あなたの人生の物語/テッド・チャン

映画『メッセージ』は未見だが、原作「あなたの人生の物語」を昨日読んだ。ある地球外知性とのコンタクトが描かれ、それを通して浮かび上がってくるのは、なんと言語表記のはてしない可能性、かつまた物理表記のはてしない多様性だった!(私がときどき夢想…

神社、グローバルとは無縁

連休は御岳山(東京都青梅市)に登ってきた。古くから山岳信仰が続いてきた場所で、山の上には神主だけが住むという集落がありそこが宿もやっている。不思議な空間だった。日本の神社とか神話とか、戦後に否定的に捉えられたせいだろうが、ぼんやりとしか知…

精神分析と仏教

なんでこうも生き辛いのかを、奇妙な理論で考え抜き、独自に答えを探り当て、だからみんなこう考えこう行えばそれをしのげるよと、教えてくれているのかもしれない点で、ブッダとフロイトやラカンとは似ているように思う。ブッダが宗教ならフロイトも宗教だ…

アメリカがシリア空爆

遠くからシリアを眺めて「この世に神はいないのか!」と思っていたが、神はいないけど人はいるのだった。人といってもアサド、プーチン、トランプとか。それにしても、あの世はさておくとして、この世は、神によってなんとか「なる」のでなければ、この世は…

日本教をめぐって

日本人には、一神教の神は、やっぱり縁が薄いんだろうね。おまけに、彼ら(西洋)が一神教を倒して打ち立てた新しい一神教ともういうべき「近代」もまた、日本人の私にはなんとなく余所の家の話に感じられる。個人主義とか合理主義とか民主主義とかも、なん…

信念VS信念

死刑があってはならないという人の信念をなかなか変えられないように、死刑がなければならないという人の信念をなかなか変えられない。原発があってはならないという人の信念をなかなか変えられないように、原発がなければならないという人の信念をなかなか…

たとえば―― 差別は間違い。たばこは体に悪い。死んだら終り。

――いずれも完璧に正しい……はずなんだけれど、それでもそれではおさまらないなにかを誰しもどこかに抱え込むものであり、それゆえにこそ、人は愛すべきであり憎むべきであるのだろう。→ 以下のツイートに触発されて https://twitter.com/masayachiba/status/7…

宇宙には感情も人生もない――無神論2016

ことしの夏、いろいろあって、天国や地獄というものがたぶん無いのと同じように、宇宙や人間の特別な意味というのもやっぱり無いのだろうなと、気持ちを切り替えることになった。(我ながらなんとも崇高な告白だ!)ただまあ、ここで「無い」というのは、「…

天皇制、ブルキニ

あの会見によって、飾りにすぎなかった象徴天皇が飾りではなくなった。それを国民より本人が先に示した。そういうことなのだ(『朝ナマ』を見ていて、初めて気づいた)SMAPがここまで国民に愛されていることが私には予想外だったが、天皇がここまで国民に愛…

ホモ・サピエンス・ヤンキー系

「最後のイゾラド 森の果て 未知の人々」を先日やっと視聴した(NHKスペシャル『大アマゾン』第4集)。http://www.nhk.or.jp/special/amazon/NHKカメラマンがひとり目前で撮影したその人々は、ヤンキー系の性格が著しい一家、という感じがしないでもなかっ…

多くの日本人は、無信仰だけど、「ただの人だ」とはどうしても言い切れない人物を今なお1人だけ心に抱いている。不思議だけどそういうものだとしか言いようがない。(そして、それを通してなら、ムハンマドやイエスが「ただの人ではない」という人々の気持ち…

うつ病、狐憑き

http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-36972140?ocid=bbc-japan-twitterjapan「うつ病を信じる」という捉え方は、面白い! 昔の日本で「狐憑きを信じる」人が多かったのと、似ているといえば似ている。

信じる人類

13日の金曜日だとなんだか不吉な気持ちになり、「きょうこそ断層がずれるんじゃないか」とか、「きょうこそ街角でテロが起こるんじゃないか」とか心配してしまうのは、殺人事件のあった豪邸がいくら安くても住みたくないのと同じなのか。北枕とか、ひのえう…