東京永久観光

【2019 輪廻転生】

星の数と生命の数

 

生命が誕生するには4種のRNAが特定の順序で50程度は並ぶ必要がある。RNAが偶然その配列になる確率は、現在観測できる宇宙の星の数(10の22乗個)をもってしても、極めて低い。しかし、観測できない地平の先を含めて、星が10の100乗個程度あるとすれば、生命が少なくとも1例ぐらいは誕生できる確率になる、という。

 

地球の生命は宇宙でどれほどレアか幸運かと改めて思った(上)わけだが、別のある本(下)で、ヒトの特異的な知能もまた偶然の産物でしかなかった事実をつきつけられた。霊長類の共通祖先から人類が分岐した後の長い間、地球で最も知能が高いのはイルカだったという!ーー何かがガラガラと崩れ落ちる音。

『宇宙からいかにヒトは生まれたか―偶然と必然の138億年史―』 更科功 | 新潮社

 

『進化論はいかに進化したか』に続き更科功さんの本。この人の叙述は妙にツボを押してくるが何のツボかわかった。ロジックだ。ロジックを全面的に信頼そして依拠しているような姿勢が小気味よく感じられるようだ。思えば、進化論の理解とは何よりロジックの理解だろう

《ところが、250年前頃から、一部の人類で脳が大きくなり始めた。そして、およそ150万年前のホモ・エレクトゥスが、初めてイルカの知能を追い抜くことになる》 

こっちでなくあっちの子孫だった人の数も相当多かっただろう。ウクライナでなくたまたま日本に生まれたまたま戦場で殺し合わない偶然(それも似たような偶然かもしれない)

 

……と思ったら、爆音。ブルーインパルスだったようだ。ロシアの戦闘機や北朝鮮のミサイルでなくてよかった(これも偶然)