東京永久観光

【2019 輪廻転生】

ネットにはいい加減なメディアが多すぎるという話

今や、詐欺のメールは真正のメールにかなり似ていてとても紛らわしく、ぎりぎり見分けがつく程度だ。それに比べれば、詐欺と言うべき媒体は真正と言うべき媒体にそれほどは似ていないので、そのつもりで眺めれば見分けがつく。ただし、詐欺と言うべき媒体は…

★エレクトリック/千葉雅也

千葉雅也『エレクトリック』面白い。作家と等身大の青年が出身地で家族や同級生と過ごす日々。読む人はきっと自分が高校や子供のときはどうだったっけと思い返す。そして小説を一度でも書こうと思ったり書いたりした人なら、自分ならこれをどう振り返りどう…

★存在とは何か/小林康夫

『存在とは何か』(小林康夫)を読んでいる。哲学の人として知られる著者だが、存在の謎に迫る新しいカギを、思いがけず、物理学の理論に見出そうとしている。<よくわからないけど、どうしてもそんな気がするんです>と、まるで私に似た軽薄さや気弱さも垣…

★心という難問/野矢茂樹

「よく次々にいろいろ読むなあ」と自分で思いながら、野矢茂樹『心という難問』(2016)を読んでいる。<他人の痛みを知ることはできるのか>という謎が今度こそさっと溶けていく感。『語りえぬものを語る』(2011)が言語論の完成だったとすれば、こちらは…

哲学者と科学者の対論

まさに哲学者と科学者の対論と呼ぶべきか? 本格的で興味深い。 (引用)《論理の法則と、自然法則とは、その特性や身分が大きく異なる。これらふたつはレベルを異にしており、前者は後者に重要な意味で「先立つ」と言える》 note.com (引用)《まず何がAな…

数式で記述されること、言語で記述されること

「物理現象は数式で記述される」といったことがよく言われる。これって「ものごとは言語で記述される」というのと同じことなのでは? 「何を今さら」と言うかもしれないが、たった今あっと気づいた感じがしたので書いておく。 「宇宙の法則は数学で書かれて…

強い言説、正しい言説

どの言説が強いか。君も私も決められない。勝ち残った言説が強いとするしかない。ではどの言説が正しいか。こちらは君や私が自分で決めるしかない。君にとっては君だけが正しく私にとっては私だけが正しいから。だから、強い言説も正しい言説も、考えれば考…

★人はどこまで合理的か/スティーブン・ピンカー(続)

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/07/02/000000 からの続き ↓ スティーブン・ピンカーは下巻の最後に「なぜ人々はこんなに非合理なのか」と問う。 たとえば、トランプが勝ってしまった大統領選のとき「ワシントンのピザ店の地下には児童買春組織…

君と私の病気がわかった!

君と私の病気がわかった! 現代は暇つぶしのネタが多すぎて暇を見失っていると思う — 名郷直樹 (@nnago) 2023年7月3日

★人はどこまで合理的か/スティーブン・ピンカー

スティーブン・ピンカーは、宝くじなんて絶対買わないようだ。前立腺がんのPSA検査もわたしは受けないと言う。コストがベネフィットを大きく上回るから、ということだと思われる。『人はどこまで合理的か』より。 https://www.soshisha.com/book_wadai/books…

★今井むつみ・秋田喜美『言語の本質』(中公新書)

『言語の本質』(中公新書)。 アイコン性や新体性のあるオノマトペこそが、赤ちゃんにとっても人類にとっても言語の始まりなのでは? という仮説。さて個人的に目が輝いたことが1つ―― 論理的関係のオノマトペを持つ言語はこれまでまったく見つかっていない…

★チャールズ・ブコウスキー『パルプ』

「あんたって昔から、自分に何が必要なのか全然わかってなかったわね」「そうかもしれんが、自分に何か必要ないかはわかってるさ」――チャールズ・ブコウスキー『パルプ』から(柴田元幸訳・ちくま文庫)……なおこの会話は別れた妻とふいに出くわしたときのも…

★川上量生×松尾豊×東浩紀「知性とはなにか──AI時代の人文学」

昨日昼のイベント。今聴いている。 3人の発言はやはり桁外れ。特に松尾豊さんは、人間の言語による思考さらには意識というものが、実はどう成り立っているのかを、動物そしてAIとの類推によって独創的に図式化し、従来のもやもやした説明はがらっと塗り替え…

労働しないことの価値

1か月労働することで得られる金銭はどれぐらいか。恵まれた人でも100万円ぐらいだろう。では、1か月労働しないことで得られる価値はどれぐらいか。近ごろちょっとそれを実地に考えるような日々を送っているのだが、気分的には100万円相当を超えている。 人間…

★飯田隆『分析哲学 これからとこれまで』(続)

◎ https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/05/29/000000 から続く 飯田隆『分析哲学 これからとこれまで』、おおよそ読み終えた。 私がウィトゲンシュタインやフレーゲに反射的にのめりこんできたのは、「言語や論理には世界の構造が反映されているのか…

★カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』

カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』を読んだ。 時間と空間という確実な座標軸、それを私たちに信じ込ませた「犯人はニュートン」説! そして、この宇宙には「もの」などなく「こと」だけがあるんです!――過去の著書(すごい物理学講義)に増してそれを…

★ブライアン・グリーン『時間の終わりまで』(続 続)

◎ https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/05/28/000000 からの続き 「あなたにとって、余命一年と宣告されるのと、地球はあと一年で破壊されると知らされるのとでは、どっちがショックですか?」ーーブライアン・グリーンはある講演で聴衆からこう質問…

伊藤穰一さんの講演を聴きに行った

伊藤穰一さんの講演を聴きに行った。 www.youtube.com ChatGPTは「統計的なパターン」を見出すが、私たちは「シンボリックな構造」を見出すAIを探究中という。核心的かもとワクワク。「プロバビリティ(たぶんこうだ)」から正解に近づく戦略で脳の仕組みに…

LGBT法案をめぐって

LGBTをめぐって原理的・急進的と思えるこの論者が、意外にも、与党+維新の法案を評価している。そのうえで、しかし拙速だと言い、むしろ法制化に慎重であるとも受け取れることが、また意外だ。本当に劇的な変化が起こるのかもしれない。 千田さんについて「…

無数のバタフライ エフェクト

カール・マルクス大学で物理学を学んだ ある国の元首相は誰でしょう? - 東京永久観光 以前、映像の世紀 バタフライエフェクト「ベルリンの壁崩壊 宰相メルケルの誕生」を見て、上のことを言ったが、再放送をしたようだ。 さてそれで、何が言いたかったかと…

ZEN大学 発表会

真にびっくりすることばかり! 「宇宙際 幾何学センター」とか、「第二松尾研」とか… www.youtube.com

YouTubeで「数理論理学」をちょっと勉強(感謝)

「理論的に妥当な推論と、現象的に妥当な推論は、完全には重なりません」――世間の現実はたしかにそんなものだろうが、バイブルにする予定の論理学にそう言われてしまうと、明日からどう生きていけばいいのか、子羊は迷う…… www.youtube.com 「false positive…

似たりよったりの意識や自我が80億

この世にはたくさんの人がいるけれど、それぞれを情報として圧縮してしまえば、ほとんど識別できなくなり、違いは戒名ぐらいしか残らないんだよね――みたいなことを、落合陽一さんが、先日あるイベントでぼそっと喋っていて、乾いた笑いと暗澹たる気分に襲わ…

★飯田隆『分析哲学 これからとこれまで』

飯田隆『分析哲学 これからとこれまで』。 繰り返し言ってきたことだけど、素人さん向けにもう1回まとめますよ、といった感じがして、ありがたい。 私が読んだところ<フレーゲはすごいです(偉大)><ウィトゲンシュタインは変わってます(特異)>という…

★ブライアン・グリーン『時間の終わりまで』(続)

◎ https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/04/16/000000 から続く ブライアン・グリーン『時間の終りまで』。読了したが、ちょうど新書化されたようだ。 https://www.amazon.co.jp/dp/4065320070 (関連情報:近所の床屋の人がブライアン・グリーンに似…

無神論とメール

あらゆることは面倒くさい。メール1つが面倒くさい。メールしなくても私のことを全部わかっている者はいないのか? それは神か。神はいないのだから、あらゆるメールは必ずしなければならないのだ。

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絶対に理解できないツイート:『存在の解錠』 作・𡈽方雅之… — 𡈽方 雅之@プロセス思考 (@hijk0909) 2023年5月21日 この方はしばしばこうしたテーマで渾身のツイートをする。私にとってもまさに最大のテーマであり、しかもいつも、ついに結論に達したと言え…

★やってくる/郡司ペギオ幸夫

www.igaku-shoin.co.jp 郡司ペギオ幸夫『やってくる』 つまるところ この本は「リアル(現実感)とは何か」を書いている。そう気づいて大きくうなづいた。そのとき不可欠なのはものごとの認識における「ズレ=スキマ=ギャップ」。たとえば両眼の画像が少し…

維新の議員のイデオロギーとパーソナリティー

維新の議員がイデオロギーだけでなくパーソナリティーでも際立つというのは、興味深い現象だと思う。この人間心理の特異性はどう呼ばれるのだろう。それが社会思想にどう関係しどう一致するのだろう。

シャーマン、皇室、ジャニーズ論

shirasu.io シャーマン、皇室、ジャニーズ論――そんな興味深い洞察が飛び出した(ほかいろいろ)