この世にはたくさんの人がいるけれど、それぞれを情報として圧縮してしまえば、ほとんど識別できなくなり、違いは戒名ぐらいしか残らないんだよね――みたいなことを、落合陽一さんが、先日あるイベントでぼそっと喋っていて、乾いた笑いと暗澹たる気分に襲われた。
そんなふうな似たりよったりの意識や自我が80億もあるんだということを、想像できるだろうか。気が遠くなる。ともあれ誰もがそれなりに楽しんだり苦しんだりしているのだろう。不足や不満を抱えつつ、なんとかやりくりしているのだろう。それは悪夢のようでもあり、奇跡のようでもあり……
オルツカンファレンス2023」というイベントだった。