伊藤穰一さんの講演を聴きに行った。
ChatGPTは「統計的なパターン」を見出すが、私たちは「シンボリックな構造」を見出すAIを探究中という。核心的かもとワクワク。「プロバビリティ（たぶんこうだ）」から正解に近づく戦略で脳の仕組みにも近い可能性がある、などなど。
後半は―― 現在の社会は経済の拡大という尺度でしか価値を測っていない。そのせいで、現在のAIが見出す知見も、結局そうした尺度や価値を超えられない、といった話。貨幣に換算できない価値を導入するために、日本固有の文化や思想に強い期待をしているようだった。「いきがい」に「わびさび」を？
最初に引用した「統計的なパターン」ではない「シンボリックな構造」とは、さて何のことか。「次の単語を予測するだけで言葉の意味がわかるの？」と首をひねるときの「言葉の意味」の正体が、やっぱりそこには大きく関わってくるのだろう。ぼんやりとだが強くそう思う。
