東京永久観光

【2019 輪廻転生】

★やってくる/郡司ペギオ幸夫

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郡司ペギオ幸夫『やってくる』

つまるところ この本は「リアル(現実感)とは何か」を書いている。そう気づいて大きくうなづいた。そのとき不可欠なのはものごとの認識における「ズレ=スキマ=ギャップ」。たとえば両眼の画像が少し異なるからこそ初めてリアルな「立体視」が出現する。

『やってくる』は、医学書院の「ケアをひらく」というシリーズの1冊で、なんだか出版イメージのズレも感じさせるわけだが、今回の「わかった」感にはそれも貢献しているように思う。錯覚ではなかろう。そういえば、1つ前の著書『天然知能』もタイトルにそもそも跳躍があったのが吉だったのだ。

 

ところで、『技法以前』(向谷地生良)そして『居るのはつらいよ』(東畑開人)という2冊の本を、私はそれぞれ最近知って読み、ともに他にない感銘を受けたけれど、よくよく見ればどちらも医学書院「ケアをひらく」シリーズなのだった(このシリーズ自体知らなかった)