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【2019 輪廻転生】

★今井むつみ・秋田喜美『言語の本質』(中公新書)

『言語の本質』(中公新書)。

 

アイコン性や新体性のあるオノマトペこそが、赤ちゃんにとっても人類にとっても言語の始まりなのでは? という仮説。さて個人的に目が輝いたことが1つ―― 論理的関係のオノマトペを持つ言語はこれまでまったく見つかっていないそうだ!

《論理的関係のように感覚経験を伴わない概念領域では意味と音の間の「似た」感覚を作りようがないので、オノマトペも生まれないのだろう》(p.153)

 

論理的関係の言葉というなら、「〜ではない」「または」「かつ」「ならば」といった論理語が典型だろうか。<言語と論理の関係>というかねてより根源的に興味深いテーマが思いがけず浮上した(このテーマが深掘りはされないのだとしても) 論理は元来、身体とは無縁ということもありえるのか?

とはいえ否定の言葉をみてみると、日本語だと「〜ではない」。英語だとnotやno、フランス語だとnon、スペイン語だとno、ドイツ語だとnine…。いずれも「N」が入っているのは面白い。なんとなくオノマトペっぽい気もする。

 

さてそれで思い出した――

<否定>ということを、人間はいかにして把握できるようになったのか? そもそも生物なら<否定>を表象することはできるのか、できないのか? もしかして人間も言語を獲得して初めて<否定>を把握できたということはないのか?

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