東京永久観光

【2019 輪廻転生】

夏の宿題 2020

▼この内田百閒の弁がきっかけになった。

https://twitter.com/Hyakken_Uchida/status/1276354470134202368

「飲むと無くなるのが酒の一番の欠点」と百閒は嘆くわけだが、そうか私の場合「死ぬと終わるのが死の一番の欠点だ」と嘆いているのか、と。

「酒は飲んだらなくなってしまう。いったいなぜだ? ああどうしたらいいんだ」と詮無きことを百閒は全身で問うている。私も「死んだら終わりって、どういうこと? ああどうしたらいいんだ」と全身で問うている。

しかし、どちらも、はたから見れば、「え、それって謎ですか?」ということになろう。酒は飲んだら無くなる。命は死んだら無くなる。たしかに当たり前だ。嘆いても問うても益はない。しかしそれでも、この問いは本当に無益な問いなのかと、今夏もまた改めて考えることにする。

 

▼はじめは「死んだら終わりだけど、それでいいのか?」という問いだった。

やがてこれは「神様はいないけど、それでいいのか?」という問いと同じだと思うようになった。これがさらに「なぜ何もないのではなく、なぜ何かがあるのか?」という問いに姿を変えることになった。

その問いは本当はいかなる問いなのかという見極めは大事だ。謎めいているが実はちっとも謎ではない可能性。問うても答えが出てくるはずのない可能性。問いや答えが深まっても実存的には何の足しにもならない可能性。それらを避けないと、本当の意味で無駄骨になる。

さてでは「なぜ何もないのではなく、なぜ何かがあるのか?」は本当に謎なのか? いかなる謎なのか? 「酒を飲むと無くなるのはなぜだ?」のごとき酔っぱらいゆえの深淵な問答にすぎないことはないのか?

 

以下に続く

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