先日亡くなった佐藤文隆さん(物理学者)の『量子力学の100年』を読んでいる。
自分たちが扱っているこれは、いったい何だ。実在なのか、情報なのか。激しい攻防が長く続いたが、世紀が変わるころから、とうとう情報チームが満塁ホームランで勝利確実?
佐藤先生は、にこやかで皮肉も上手な実況と解説を、中立的にたんたんと述べていく。……ようだけれども、実は、自らマウンドに上がっているような感じでもある。《「恥じらい」の実在論》チームの敗戦処理投手として!
「実在とは何か」という気がかりは、誰かに言われたというより、無学ながら自分自身があれこれ読んだり考えたりするなかで、ぼんやりと浮かんできて、もやもやと育ってきた。以下は四半世紀も前に書いた。
◎実在とは何か(とは何か)http://mayq.net/jitsuzai.html
そしてこの問いに向き合うとき、たった一人 佐藤文隆さんという偉大なメンターが見守ってくれている。そんなつもりだったかも(以下など)
『量子力学の100年』は、このゲームの核心に改めて迫ろうとする。今回興味深いのは、科学者や哲学者が残してきたテキストを丁寧に読み込む形で、それを行っていることだ。やはりこの人は、物理学のプレーヤーであり解説者なのだ。文学でいえば作家でありながら最高の批評家も務めている。