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【2019 輪廻転生】

スキーマ――「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?(デネット進化本も関連)

「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 今井むつみさんの本は3冊目。これは格段に読みやすいが、さて伝わらない理由とは? いろいろ陳列されているが、核心は「スキーマ」だ。私は覚醒した。スキーマなんてものもその用語もそもそも知らないから核心なのだ。

「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策 | 日経BOOKプラス

私たちの思考には、意識されずに使われる「枠組み(スキーマ)」がある ←しかし、この小見出しでは不十分だと思った。

正鵠を射ているのは、以下。

天動説を信じる人に「動いているのは私たちの立つ地面であり、地球なのだ」ということを、手を変え品を変え伝えても理解を得ることが困難

 この話をしたわけ:

ダーウィンの危険な思想』でデネットがあれほどの物量と強度の記述を費やして崩さねばならぬと考えたもの(それでも崩れないかもしれないもの)それは「超越的な何かは有るはずだ」ないし「心が物質から生まれるわけがない」といったまさにスキーマなのだ、と気がついたから。

この流れで「スキーマ」を私なりの言葉に言い換えれば、やはり、「しみつきすぎて、しみついていることを、すっかり忘れている、自分の世界観・世界像」ということになろう。

ちなみにデネットは第1章でこう書いている。

《誰かが思いつたもっとも優れた考えをひとつだけ選んで賞を与えるとすれば、私はニュートンや、アインシュタインなどはさしおいて、まっ先にダーウィンにあげるだろう。自然淘汰による進化という考えは、直ちに、生命、意味、目的といった領域と、空間と時間、原因と結果、メカニズムと物理的法則といった領域を、一撃のもとに一つにしてしまう》

《進化の理論はただの壮麗な科学的観念などではない。それは、危険な思想なのだ》

……というわけで、今年も残り少なくなった。この本の感想をまとめようと思う。

〈承前〉

ダーウィンの危険な思想/ダニエル・デネット - 東京永久観光

ダーウィンの危険な思想/ダニエル・デネット(続き) - 東京永久観光

 

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