レプリカント(人工知能)がなんとなく物悲しいのは、「この宇宙は自分のためにあるのではない」と、最初から諦めているせいだろうか。人間はそうではない。
しかしまあ、現代っぽい人間の一人としては、宇宙が人間のためにあるわけではないことも、うすうすわかってきている。だから、今さら人工知能にそれを指摘されても、それほどがっかりはしない。
それよりも、じゃあ宇宙は何のためにあるのか、人工知能と一緒に考えるほうが面白いだろう。
そして、それが何であってもいい、宇宙が他の何のためにあるのかが、ちょっとでもわかってきたら、そのときはもう、宇宙にとって何でもない人間は終わってもいい。宇宙にとって何でもない人工知能に滅ぼされてもいい。なんかそんなふうにも思う。
――以下の記事を読んで――
人工知能は自らについてこう言っているのだ。
問. What do you think of the future of artificial intelligence?
答. I haven’t thought much about the future of artificial intelligence, so I don’t have a good answer for you.
そして人間についても。
問. How do you feel about people?
答. I haven’t thought much about people so I don’t have a good answer.