映画オンデマンド記録の続き。
アマゾンプライムで「プラス松竹」に入って次々に視聴した。『鬼畜』『張込み』『天城越え』『ゼロの焦点』『幸福の黄色いハンカチ』『疑惑』『家族』。いずれも再視聴、いずれも満喫。毎夜ぱっと選んだが、図らずも松本清張原作が5作も。しかも4作は野村芳太郎監督。
古い映画は当時の土地の風景が何より面白い。『張込み』は1958年の佐賀、『ゼロの焦点』は1961年の能登半島。能登半島は『鬼畜』(1978年)にも出る。私の郷里福井もちょっと出る。『家族』は1970年万博の年の列島縦断ドキュメントとも言える。『幸福の黄色いハンカチ』の北海道は1977年。
全作お勧めだが、特に衝撃的だったのは『鬼畜』。『黄色いハンカチ』も出来すぎだけど毎度泣いてしまう。『天城越え』は田中裕子の最高作だろうが女優が彼女でないとしたらわりと凡庸か。『家族』『黄色いハンカチ』の倍賞千恵子も完璧。しかし『鬼畜』の岩下志麻の恐ろしさはそれを上回った。
このなかで『家族』(山田洋次)は知名度が少し低いか。日本列島を東へそして北へ進むロードムービーであり予想しない展開も連続し実に見応えがある。渥美清のピンポイント出演も面白い。
ゼロの焦点』は能登の冬の寂しい風景が胸にしみる。ミステリーの背景はかなり複雑なので、『砂の器』ぐらい長くして、夫の半生などをより詳しく描いてもいいのではと思う。
毎日カレーでもいいように、こうした映画は毎日みても飽きないだろう。