東京永久観光

【2019 輪廻転生】

映画視聴つれづれ

 

これ(上)を見て思い出した――

 

そういえばオンデマンドで『猿の惑星』を見たのだ

これまでTV放映を途中から見るばかりで最初から見たことはなかった。堪能。ただし前も言ったが、猿が言葉をしゃべるのに驚くのはいいが、猿が英語をしゃべるんだから、ここは地球かなとかハリウッドかなとか思うだろうという根本的ツッコミを再び。

 

最近とても面白かったのは『愛がなんだ』と『退屈な日々にさようならを』。今泉力哉監督。私は初鑑賞。
http://aigananda.com/
https://tai-sayo.com/

今泉監督の印象、私は「叙情派」と言いたくなるが、この叙情はきわめて独特で空前の叙情だ。ホン・サンスの映画を初めて見て「独特」と思ったくらい独特。しかも面白いかどうかで言ったら今泉映画のほうがずっと面白い。あまり有名でない役者が面白いのかとも思ったが、やはり監督の個性だろう。

――今泉監督の印象を「叙情派」と書いたが、そんな言葉では片付けられないと思い直す。以下参照。

https://www.cinemacafe.net/article/2020/01/14/65346_3.html

 

『火口のふたり』も強烈な映画だった。

https://www.youtube.com/watch?v=Bmx1Ou49Vkk

柄本佑瀧内公美の2人のみが演じる。瀧内公美は『大豆田とわ子と三人の元夫』に出ていたが、鹿太郎(角田晃広)もきっとこの映画を見ていて瀧内と付き合っていたに違いない。

監督は荒井晴彦。なんとなく三村晴彦監督とごっちゃにしていたが、荒井晴彦は『遠雷』『Wの悲劇』の脚本を書いた人で、しかも『映画芸術』の現在の発行人でもあるのか!(三村晴彦は『天城越え』の監督)

 

それから『名前』が面白かった。

津田寛治の主演は珍しいと思うが、はまり役だったと思う。ちなみに津田寛治は私の郷里福井の出身。Wikipediaによれば福井の最終聖火ランナーも務めたそうだ。映画を含め出演作が非常に多いのにも驚いた(おつかれさま)

https://namae-movie.com/

 

次。『ラストレター』(岩井俊二監督)
https://eiga.com/movie/89607/
松たか子広瀬すず、森七菜、神木隆之介、いずれもよかった。福山雅治も、ちょっと不器用な感じが、普段の役柄とは違って、わりとよかった。

福山が演じた男にすれば、ある夏懐かしの高校を何十年も経って訪ねたら、忘れえぬ姉妹生徒のまさに生き写しが、なんと目の前に現れた! 姉妹を同一人物が演じているから、映画の体験はタイムスリップの実現とまるきり同じ。福山も視聴者も同じもの(姉妹のタイムスリップ)を直に見ることになる。

さらに考えてみるに、古い手紙を読むというのは、現実的に(物質的に/手紙という物質において)タイムスリップを本当に起こしているのではないか。手紙に綴られた文字のインクや配列、そこに込められた気持ちは、昔そのままであり、それを読めば、それがそのまま蘇るのだとも言える。

 

私はインタネットに100倍賢くしてもらったと本気で思っているが、インタネットにはゴミクズ記事も極端に多いことは周知の通り。わかっていても毎日長時間それを眺めて過ごしてしまう。どうせなら映画でもみて時間をつぶしたほうが遥かに得るところは大きい。それが現時点での実感。