進化の実例を我々は目撃したことがないというのは迷信なのだが、インフルエンザにタミフルが効かなくなってきたらしいというのも、進化の好例だろう。
抗生剤をむやみに使うと耐性菌がはびこる。新しい政党や新しい首相や新しい知事が出てくると、とりあえず総攻撃を浴びせて潰してしまうことを良しとする社会では、環境がおかしくなるため、片隅でこそこそしていたおかしなやつだけが、まさかのように生き残る。
あるいはこの比喩は、アフガニスタンやイラクで、自国の政権や米軍という巨大動物が自滅していく天変地異のなかで、アルカイダ的な不思議生物だけが生き延びる、といった話にふさわしいか。
それにしても、進化の理論はやっぱり何にでも当てはまる。それは、ニュートンの運動理論が何にでも当てはまるのと同じかもしれない。車を何キロで走らせれば何時間で目的地に着くか、それがぱっと計算できることは本当は驚くべきことなのだ。進化理論もそれくらい決定的な汎用性をもつ(気がする)