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【2019 輪廻転生】

★ゲンロン4


 ゲンロン4 現代日本の批評III


東浩紀の巻頭論文と浅田彰のインタビューを一気に読んだあと、「現代日本の批評3」を丁寧に読んでいる。人間や社会が自己を根源的に分析・改革する方法に批評と運動があるとしたら、たしかに、ここ5年ないし10年は運動ばかりが目についた。そしてそれはじつに心もとなかった。禿同。

とはいえ、今年はその「現代日本の批評」を1から3まで読み継ぎ、それに絡んで『敗戦後論』と『探究1』も熟読再読し、私自身のマインドは運動っぽくではなくすっかり批評っぽくなっている。同じく触発された読者はきっと大勢いる。デモのように集まって叫んだりはしないが、なんだか目に見える。

批評はたしかに代表的な雑誌や識者を長く欠いていたけれど、それを志向する人々のマインド自体は、離散しておとなしくしつつも、声がかかるのを待っていたのかもしれない。「いざ、鎌倉」的な? 挙兵の旗がやっと1つ。ただしもちろん批評は、分散したまま自己言及・自己改革を行えばそれでよい。