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【2019 輪廻転生】

★わかりたいあなたのための現代思想・入門/小阪修平・竹田青嗣ほか


 わかりたいあなたのための現代思想・入門 (宝島社文庫) わかりたいあなたのための現代思想・入門―サルトルからデリダ、ドゥルーズまで、知の最前線の完全見取図! (別冊宝島 (44))


先日(9月1日)、ふとドゥルーズの「機械」という用語が浮かんで、80年代に日本で隆盛した現代思想への思いがかきたてられ、当時のガイド本『わかりたいあなたのための現代思想・入門』をアマゾンに注文してしまい(古書)、久しぶりに読んだ。クリアな内容!

これが別冊宝島として最初に出たのは1984年で、私も当時手にした。浅田彰筑紫哲也朝日ジャーナル第一弾ででかでかと取り上げられたのと同年。「難解とはこういうことか」とただ感じつつも、私にはこの一冊が現代思想の基礎イメージとなり、それはなんだかんだと現在にまで到る。

しかし面白いことに、今になって「なるほど」と何度もうなずき、大いにわくわくし、一気に読み終えてしまった。とりわけフーコードゥルーズが読みたくなった。

小阪修平竹田青嗣らの解説が丁寧で誠実だからだろう。素朴にコツコツと、しかし、決してごまかさず、もれなく、ものを考え続けているならば、長い歳月のうちには、人は、相当遠くの初めての極めて珍しい場所にまで行ける。哲学は少なくとも伊達ではない。そんなことを確信する。

こうした哲学や批評への傾注は、むろん『ゲンロン0』の影響も大きい。「観光客の哲学」は、当初は社会思想が考察の中心かとも思ったが、射程はどこまでも広いようで、それはやっぱり、かつての「現代思想」に似ている。国境をいくつか超え大陸を移動していく長い旅行に似ている。


〈9月1日〉
人間こそが最もフレキシブルな機械なんだとつくづく思う。では、省庁や警察は? それらは同じ機械でも人間機械のフレキシビリティをひたすら損なう機械なのかもしれない。

――トラック運転手の過労についての記事を読んでつぶやいたのだが、記事はいつしかリンク切れ。生成と消滅を繰り返す世界のならいか。


◎参照(ドゥルーズについて)
https://matome.naver.jp/odai/2147633632285009001/2147634241093277603