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【2019 輪廻転生】

★訂正可能性の哲学ほか

東浩紀『訂正可能性の哲学』読書開始と時を同じくし、<25年後の『存在論的、郵便的』から『訂正可能性の哲学』へ>という著者参加のシンポジウムをオンライン視聴。興味深い新発見が多々。『存在論的、郵便的』の結末が奇異な切断に至ったわけもついに(?)明かされた!

https://decon.fpark.tmu.ac.jp/index.html

ほか「平和とは動物化のこと(だらだら生きられる)なのでは? ただし当時の状況に今はない/哲学こそがひょっとして戦争に接近してしまうのでは?」「彼(『存在論的』時の自身)は当時、哲学が何をすることなのか、わかっていなかったかも(今はそうではない)」(いずれも趣旨)などなど驚嘆!

 

『訂正可能性の哲学』も面白い。著者の考えにはゲンロンカフェ視聴でしばしば触れているので、推薦のツイートが目立つものの、改めてどうなんだろうと思いもしたが、期待を大きく上回り、めくるめく展開。これほどの深い考察がみごとに整理されて脳と心にしみわたる。速い・安い・うまい。

「同書はデリダ脱構築英米系(分析系)哲学の用語で語り直したものだ」(趣旨)とシンポジウムで述べていて、なるほどと思った。中盤に来て、落合陽一やハラリが示すシンギュラリティ待望論への批判が全面に出てきて、そうかここにつながるかと、ますます面白くなってきた!