東京永久観光

【2019 輪廻転生】

歴史

★ベン・ハー/ウィリアム・ワイラー

きのう脈絡もなく『ベン・ハー』のディスクを見たのだが、ローマ帝国の首脳が、支配したユダの地で、民の信じる一神教に違和感をもち、どこかの大工のせがれが妙な説教を始めたという噂をとりわけ問題視している――その構図は、欧米先進国がイスラム国を問題…

ハロウィン世代

きのう、「現在の若者はクリスマスやバレンタインよりハロウィンで盛り上がる。それは以前の若者と違って彼氏彼女がいないせいだ」、みたいなことをテレビで誰かが言っていて、なるほどと思ったのだが、10年や20年で習俗が大きく変わり本能(性愛)まで変わ…

★平清盛(大河ドラマ)

NHKの大河ドラマ『平清盛』を借りて見ている。松山ケンイチの主演。2012年。視聴率は最低レベルだったが高い評判も聞いていたので、いつか視聴したいと思っていた。これがすこぶる面白い。武士の始まりがあれほど汚い者たちだったとは! まさに血と泥にまみ…

世界史がネットにあるだけでなく世界自体がネットにある勢い

《チェスがインドからサーサーン朝へ移入された経緯が述べられているパフラヴィー語によるシャトランジの歴史物語『シャトランジ解き明かしの書』》とかいう記述をたまたまWikipediaで見かけ、世界史のいかにわずかしか知らないことかと気が遠くなる。まして…

★21世紀の貨幣論/フェリックス マーティン

――ピケティ本ではない(念のため) 熟読完読。お金とは何かという興味は、言葉とは何かという興味に似ている。身近なのに謎めいている。射程がきわめて広く、考え始めると妄想と興奮が尽きない。ここ10年ほど、日本や世界の動向に絡んで経済学への関心が自分…

すばらしい日本の内戦(ジハーディ・ジョン 対 明治人)

『翔ぶが如く』をまだ読んでいる。ぽつぽつと。司馬遼太郎のこの小説は、明治維新でにわかに成立した日本政府と、幕府を倒した功績にもかかわらず大いに冷遇された士族たちの、深い対立と衝突を描いている。近代日本最大の内戦たる西南戦争がクライマックス…

★イスラーム国の衝撃/池内恵

読み始めたが、評判どおり、いろんなことが明瞭に整理できる。アラブ世界ではラマダンの時期はテレビドラマの書き入れ時なんです、という話が冒頭にあって意表をついた。「イスラム国」とその親分たるバグダディはその時期を狙ってネットデビューしたという…

★殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?/ポール・シーブライト

以下読書メモ。多くは書籍どおりでなく簡潔な文章に変換している。(訳者は山形浩生) <序など>ホモ・サピエンスは、遺伝的につながりのない構成員と入念な分業を行う唯一の種。これが稀有であることを強調し、それがなぜ可能になったかを追及していく本の…

世界史がすべての謎を解く

なぜルーマニアを旅行したのかというと、ただ、東ヨーロッパがどんなところなんだろうと前々から思っており、なかでも少しは知っていてもよさそうなのにホントに知らない国がルーマニアだったから、といった理由だ。ではルーマニアはどこに行くべきか。調べ…