東京永久観光

【2019 輪廻転生】

★麦秋/小津安二郎

先日『麦秋』(小津安二郎・1951年)をアマゾンプライムで視聴した。終盤の紀子の決心は、何度みても唐突で、これは『恋恋風塵』終盤のホンの決心の唐突さに並び称されるべきだと思った。ともあれ、盆暮れに田舎に帰るような感じの一作。やはり味わい深いとしか言いようがない。

「おまえ、その下駄、鼻緒ゆるいよ」

杉村春子が玄関で息子に言うこのセリフが、妙にツボにはまった。『東京物語』で杉村が「あ、お母さん、そこのあたしの汚い下駄 はいていくといいわ」と玄関で言うセリフに、並び称されるべきだと思った。へえと思った箇所はいくつもあるが、これだけメモ。