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【2019 輪廻転生】

必ず最後に数は勝つ

必ず最後に数は勝つ―― 民主主義を多数決という意味で捉えると、それはもう、雨が降ったり山が崩れたりするのと同じ自然の現象。(いや自然すら超えた原理=数学かもしれない) なすすべなし。

とはいえ、近代というのは、広い意味で、「自然のなすがまま」を、克服できると信じ、本当にいくらか克服してきたのだと思われる。自然を克服したぞ、自然の人間や共同体を克服したぞと。それにあこがれそれを手に入れたと信じられた。奇跡のような宝石のような時代。

その近代が終わる。近代がつかのまだったことがうかがい知れてくる。近代の宝石をまだ手にしたことのない地域や人びとも実はかなり多いのに、私たちの世界は、もはや近代の奇跡からどんどん遠ざかる。「数が勝つ」とはそういうことなんじゃないか。

 

この見解に大いに共感。https://twitter.com/hazuma/status/1177048763187130368

 

私たちは雨粒や砂粒ではないからこそ、ただ降るに任せたり崩れるに任せたりはしない。そんな数のかたまりの力学だけで私たちの社会は動いたりしない。――そう信じていたがもう信じられなくなってきたということ。私たち一人一人が近代より前の ただの雨粒・ただの砂粒に戻っていく、ということ。

じゃあ、いったい何が近代を終わらせようとしているんだろう。ちょっと前までと、たった今とで、私たちの何が変わった? グローバリズムかもしれない。SNSかもしれない。コミュニケーションの過剰かもしれない。直接的には通貨(ドルや円)かもしれない、言語(英語や日本語)かもしれない。