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【2019 輪廻転生】

オウム死刑執行(6日)

オウム真理教のコミュニティーやメンタリティーに、私は共感も評価もほぼできないが、そのコミュニティーやメンタリティーには、いくらか普遍性があり、オールターナティブ性もあると思う。とはいえ、そのコミュニティーやメンタリティーの性格を一言でいえば、やっぱり「オカルト」だろう。

要するに、オウム真理教は幼稚だと私は思うのだ。(今も信仰している人にはとてもきつい言い方になるけれど) 彼らはきわめて真面目に世界の困難や謎に向き合ったのだろうが、その解決策は、文字通り乱暴で横柄だっただけでなく、知性としても乱暴で横柄だったように思われる。

…とはいえ、オウム真理教以外の団体や思想も私も、ものごとの捉え方や解決の仕方は、しばしば乱暴で横柄だ(ときに慇懃無礼)。だから偉そうなことは言えない。もちろんサリンをまいたりはしないにしても、それは彼らほど幼稚でないからではなく、彼らほど真面目でないから、かもしれないのだ。

さらに、もう1つ今思った―― 

そもそもオウムは私に縁のない出来事だったと考えてもいい。当時の日本社会の問題をオウムにことさら読み取らなくていい。神戸の地震が日本社会のせいではないように、オウムもべつに日本社会のせいではなく、その特異さは孤立していた。ただ強烈だっただけ。

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◎過去のエントリー
http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20171123/p1