東京永久観光

【2019 輪廻転生】

日本教をめぐって


日本人には、一神教の神は、やっぱり縁が薄いんだろうね。おまけに、彼ら(西洋)が一神教を倒して打ち立てた新しい一神教ともういうべき「近代」もまた、日本人の私にはなんとなく余所の家の話に感じられる。個人主義とか合理主義とか民主主義とかも、なんとなく自分たちにはそぐわない感じがいつまでもしている…

(もはや近代そのものが、永遠不滅に思えた近代そのものが、いよいよ終わろうとしているのに!)

ま、そのかわり、世間様という神様がいる。――という話だよね、日本教というのは。

それにしても。

一神教的な神がいるようにはどうしても感じられない」というのは、私にとっては「死んだら終りだとしか感じられない」ということにきわめて近いです。あるいは「地球外になにか生物みたいなものがいるとしてもいないとしても、そんなのはどちらもまったくの偶然だとしか感じられない」ということに近いです。「トランプ政権で世界が破滅しても繁栄しても、そこには神の意志とか宇宙の意志とか、もはや近代精神すらが、なにか関与しているのだというふうには、まったく考えない」ということに近いです。

では、そこまで何も信じない私をはじめとする日本人たちが、じゃあ日本教だけは、まるで西洋人にとっての神のごとく、絶対崇拝しているのか? ――というと、案外そうではなくて、ただペシミスティックに、ただアイロニカルに、日本教に従っているだけなのではないか。

これが本日の結論です。いかがでしょう? =あるSNSでの応答=


日本人とユダヤ人/イザヤ・ペンダサン(山本七平
 日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)