東京永久観光

【2019 輪廻転生】

飛び込んで死ぬならトリビアの泉

阪神優勝で道頓堀に飛び込んだ人は6千人、などとニュースが言うので、ああなんか数を間違えたなと思ったら、本当だった。そんな凄いことになっていたとは! この世の中シニカルばかりではない。かなりのカルチャー・ショック。あれを飛び込むなというのは、だんじりは危ないからやめろというのと同じかもしれない(他人を落とすのはまた別の問題だけれど)。どこかテロや革命の代理をやっている、というかそれと並列できる出来事にも思えてくる。●さて、人を殺すほうのテロや戦争について、それをひそかに待ち望む気分を理解したうえで、ストレートに批判したとてもまっとうな意見があった。《戦争を待たずに、告白を、転機を、セックスを、美食を、音楽を、いますぐに、嫌いなものを全部捨てて、好きなものだけで、生活を。》(雨宮まみ『NO! NO! NO!』より


●「トリビアの泉」は、へえ〜と面白いのはもちろんだが、そんなムダ知識をあえて面白がっているこのムダな自分がなおさら面白い、というところがある。それどころか、ムダ知識を面白がる自分が面白い、なんて考える自分がまた面白いとすら言える(入れ子がこれ以上になると、人間の頭ではフォローできないみたいだ)。ともあれ、こうした面白さの構図を瞬時に体現するのがタモリと司会の二人だと思う。あれがたとえば中居や石橋の番組だったら、これほど欠かさずは見ない。●とりわけ、高橋克実の一言リアクションは、面白がる構図をいっそうぐしゃぐしゃなものにしてくれる。

●「トリビアの泉」の厳かなオープニング曲は、映画『ロミオとジュリエット』のパクリ(かも)。